![]() | さよならバースディ (集英社文庫)荻原 浩集英社このアイテムの詳細を見る |
今回は、荻原浩『さよならバースディ』を紹介します。バースディ・プロジェクト(言語習得実験)で一年前に創始者の安達助教授が自殺し、その後、大学院生の藤本由紀が殺された。この真相を助手の田中真は、由紀が殺された現場を見ていたチンパンジーに似たボノボのバースディに真相を聞き出そうとする。ミステリーなんでしょうかね。あとは、教授をピラミッドにした、大学の階層構造なんかも微妙に絡んでいく。
最後のバースディのお別れのシーンは、間接的にバースディを介在させることにより、真は一語一語を噛み締める事になる。これは、真と由紀のお別れということなんだろう。また、バースディとのお別れも同時に表すことになる。このシーンは見所なんだろう。
バースディがかわいそうだなと思う。結局人間に振り回されたバースディという感じだ。本書は無駄に長いような気がする。ミステリーとして読むよりは、バースディ・プロジェクトの人間模様を中心に読んでいったほうがいいと思う。
○2009/12/02追記
ほかの荻原浩作品の書評はこちら
最後だけ、良かったです
>ミステリーとしては何一つ良いところがありませんでしたね
→同感です。
確かに見所は、最後のバースディのお別れのシーンですよね。
こらからもよろしくお願いします。