![]() | 人質の朗読会 |
小川 洋子 | |
中央公論新社 |
今回は、小川洋子『人質の朗読会』を紹介します。人質として捕まった8人が各々の思い出を朗読しあった話ですね。8人の思い出話というか人間ドラマが詰まった話になっているように思います。
全体的にいい話だなというものが多数あったとは思います。第二夜のやまびこビスケットという話が好きでした。いいなあと思ったのは、整理整頓を旨としている大家さんとの思い出がよかったです。ビスケットを大家さんと一緒に並べたり、動物園に行ったりしたんですね。厳しい人なんでしょうが、愛情があってよかったです。
第一夜 杖
インテリアコーディネーター・53歳・女性/勤続30年の長期休暇を利用して参加
第二夜 やまびこビスケット
調理師専門学校製菓コース教授・61歳・女性/研修旅行のオプショナルツアーで参加
第三夜 B談話室
作家・42歳・男性/連載小説のための取材旅行中
第四夜 冬眠中のヤマネ
医科大学眼科学教室講師・34歳・男性/国際学会出席の帰路
第五夜 コンソメスープ名人
精密機械工場経営者・49歳・男性/国際見本市参加の帰路
第六夜 槍投げの青年
貿易会社事務員・59歳・女性/姪の結婚式出席のための旅行中
第七夜 死んだおばあさん
主婦・45歳・女性/夫の赴任先からの帰途
第八夜 花束
ツアーガイド・28歳・男性/勤務中
第九夜 ハキリアリ
政府軍兵士・22歳・男性/Y・H氏の通訳により放送