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パライソメッセージ20130524

2013-05-24 18:04:56 | メッセージ

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パライソメッセージ 2013.05.24

        Mail : isokawas@goo.jp

     Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas

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 「パライソメッセージ20130524」を送ります。「不要だ」「余計なお世話だ」といわれる方は、お手数ですがその旨ご連絡お願いします。

【主張・意見・コメントのページ】

テーマ:【良い会社】の見つけ方(2)-『物』『金』『人』『情報』から見る【良い会社】①-

 良い会社かそうでないかの判断は、前号でも言ったようにその人の価値観によって異なる。したがって絶対的な基準とかありえない。『物』からその会社が良い会社かどうかを判断する場合、ある人は『高く売れる(売れそうな)商品』が判断の基準であったり、ある人は『お年寄りや困っている人が役に立つ商品』『人が幸せになる商品』であったりするだろうし、その正誤は言えない。そこで今回のシリーズでは『物』『人』『金』『情報』からアプローチして、良い会社かどうかを判断する指標について例示してみたい。その指標の中から、あるいは自分の価値観に合った指標を考えて、自分にとって良い会社かそうでないか判断すれば良いのではないかと思っている。

 ある会社が扱っている『物』について考えてみる。一般論であるが、次のような商品を扱っていれば、【良い会社】と思う人が多いのではないか。

・お客様を幸せにする物・・・お菓子、食品、ギフト、化粧品、ジュエリーなどなど

・お客様の夢がかなう物・・・ブライダル、家(ハウジングメーカー)、セールス・プロモーション関連、リゾートなど

・暮らしの安心が充たされる物・・・生命保険、損害保険、金融商品、福祉、セキュリティ関連など

・命と健康の安心・・・医療、薬品、生命保険、福祉関連など

・日本経済を支える・・・日本銀行、メガバンク、世界銀行、JETROなど

・社会貢献・・・公務員、インフラ、JICA、地方銀行、教育など

 そのほか、地方の経済・文化を振興、日本企業を支える、などなど『物』から見る多くの指標が考えられる。少しネガティブな印象だが、以下のような『物』はどうだろうか。

・ハイリターン商品(広い意味では夢かも)・・・投機、高配当期待の出資、投機・投資顧問、ファンド・マネージャー等

・自分が儲かる物・・・投機・投資の手数料、マルチ販売、詐欺商法など

  【良い会社】の探し方を、その会社が取り扱う商品からアプローチする場合には、自分の価値観に適った指標からの業界探しをするのが良いのではないか。但しそれぞれの価値観に正解はない。正誤は本人の問題だ。マルチ販売や詐欺商法といった旧型ブラック企業の会社であっても、自分の価値観は金=自分が儲かること、といった思いを持つ人にとっては、そういった会社はブラックでも何でもなく、【良い会社】なのだろう。ただし、めったにない事だろうけれど、そういった価値観を持つ若者が『進路についての相談』に来たときはどう対応するべきか。これは、ケースカンファレンスで検討したいと思う。『金が欲しい。金が要る。世の中は金。』といった思いを持つ若者にも、その背景はいろいろとあるだろうし、彼・彼女の主訴はじっくりと聞かなければ解らないのではないか。

 【良い会社】かどうか、これを『金』の面からアプローチして指標を定めるのは、これは比較的普遍的な指標が示される。ただし、その指標を判断材料としてチョイスするかどうかは、やはり本人次第ではあるが。指標としては以下のようになるのではないか。個別の給料・報酬は『人』からアプローチする指標なので、ここでは指標としない。しかし、全体の人件費は財務戦略なので指標とする。

・自己資本比率を見る

 この説明だけで、論文ができてしまうほどだが、ここではごく簡単に述べる。自己資本比率とは、自己資本/総資産である。自己資本とは自分が出資した資本金+企業が利益を上げ、その利益に何らかの会計科目を付けて内部留保として蓄積している資産であり、一般的には株主総会で利益処分として承認される。○○預金/□□準備金・△△引当金などと仕分けられ、資金の裏づけが有る。R学園では今喧々諤々の議論になっている『引当特定資産Ⅱ』といった減価償却資産の更新の為の引当金勘定も自己資本である。

 自己資本が充実しているかどうかは、着実に将来計画が遂行できるか、緊急事態に対応する力量がどれくらいあるかとか、何よりも安定して持続できる経営状態かどうかを見る解りやすい指標となる。一般的に社歴にもよるが、メーカーの場合で50%以上、流通商社で25~30%以上、銀行で1桁の上のほうぐらいが安全の基準か。メーカーの場合は設備投資が大きく、減価償却引当金が多いといったこと、銀行は貸付金といった分母となる総資産が大きい、特に昨今のアベノミクスでジャブジャブの金融緩和では更に大きくなるが、そういったことが業界ごとの自己資本比率の差異になっている。最近では、会社四季報にも自己資本比率は殆ど掲載されている。以前はNA(No Answer)が多かった。

(以下続き)

 「一押しMovie」

映画名: 舟を編む

出演者: 松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、小林薫、八千草薫、渡辺美佐子、加藤剛、他

内容:

 ある出版社が「大渡海」という辞書を出版することになり、その企画から出版までの15年間のロングスパーンを、辞書の製作に関わる人たち特に若者を中心にしたストーリーで2時間15分程度に纏めた映画。

 辞書の編集に関わってのストーリーということで、出版といっても時間も手間隙も経費もかかる、かなり地味なもっともアナログといっていいような作業がこの映画の背景に流れる。主人公は松田龍平で、かなり地味で本オタクで人とのコミュニケーションが殆どできない青年。社内で殆ど存在感のない彼が「大渡海」の企画・出版に伴い、辞書編集部長に「拾われ」編纂のメンバーに加わる。辞書出版のコストパフォーマンスやそのための先輩社員の異動、下宿屋の孫娘との恋愛、辞書製作といった気の遠くなるような年月をかけて、地味で正確さを求められる繊細作業をこつこつと積み重ねていく、そして主人公も人間的に成長していく、そういった話を絡めながらストーリーが進んでいく。なんと言うことはない。ストーリー自体が地味な話ではあるが、なぜか時間を長く感じさせない映画だった。

 映画を見ての感想だが、まず、加藤剛、八千草薫、渡辺美佐子、といったバイプレーヤーの大俳優が、ごく自然な演技なのだがさすがに存在感があり、この映画そのものの『重し』となっているように思えた。小林薫やオダギリジョーも好演。そして、三浦しをん原作の同名の小説が昨年の本屋大賞一位となった本の映画化であり、ウェブ辞書が大流行の現在、現場の書店員の紙・活字のアナログ媒体である本への愛情がこの映画を通して伝わってくる。

 なによりもこの映画でよかったメッセージは、私たちの周りにも少なくない、内気でオタクでコミュニケーションがとても苦手な青年が、自分にあった自分の好きなそれでもって成果が人の役に立ち喜ばれる仕事に出会ったとき、着実に人間的に成長していくということだ。

 私はそういった意味で、この映画は意外とメッセージ性の高い映画だなあという感想を持った。

 パライソの評価: ★★★☆☆

コメント
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