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パライソメッセージ20130510

2013-05-09 19:22:58 | メッセージ

 

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パライソメッセージ 2013.05.10

        Mail : isokawas@goo.jp

     Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas

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  「パライソメッセージ20130510」を送ります。「不要だ」「余計なお世話だ」といわれる方は、お手数ですがその旨ご連絡お願いします。

 なお、パライソメッセージも今回で10発目となりました。10回を記念して名前を変更しようと思います。というのも、とある淑女から、「『パライソ』は私のシンボルだ」というクレームが入りました。気に入っていたのですがやむを得ません。なにか、よい名前があれば、ご教示ください。いまのところ『イソカラ・メッセージ』くらいかなとも思っています。

 【主張・意見・コメントのページ】

テーマ:私がブラック企業を告発する理由(4)-誇りと活力のある日本を取り戻すために-

 私の本意は、ブラック企業に対するリベンジとか、彼らを社会的に『抹殺』するなどといったことでは決してない。新型ブラック企業は、建前はあくまで合法的装いで社会に登場してきたのであり、社会的存在である以上は、社会的責任を自覚して頑張って頂きたい。但し、ユニクロも他のブラック企業も、『新型ブラック企業』としてではなくて『ホワイト企業』として。

 ブラック企業を告発するシリーズも4回目だが、私がブラック企業を告発する理由は3点ある。

 第1の理由は当たり前のことだが、一番重要なこと。つまり新型ブラック企業は、未来がある若者の精神・肉体を蝕み、破壊し尽くし挙句使い捨てにしてしまうということである。今日の厳しい雇用情勢は若者の非正規雇用が40%を超えるとか、大学新卒で非正規雇用も含めて全く就職ができない若者が3万人、モラトリアムと決め留年・進学などを含めると一説によると毎年10万人の若者が就職できないといった現状である。特に偏差値中位以下の大学で就職難は深刻であると言われている。若者たちと触れ合う現場で実感するのは、『人間力』は、偏差値には関係がないということだ。そんな中で『正社員と言えば、変わりはいくらでもくる』と公言する経営者が少なくなく、そういった経営者は若者に対して容赦なく『使い捨て』『選別』『モラルハザードなハラスメントやいじめ』を浴びせる。若者の精神・肉体を蝕み、破壊し、使い捨てる権利など、ブラック企業はおろか誰にもないのは当然であり、人間として許されない。

 第2の理由は、第1の理由がいささか情緒的ではあるのだが、具体的な問題としてブラック企業は、未来の日本の政治・経済・文化をことごとく駄目にしてしまうということである。著作「ブラック企業」(今野・2013)にも論述されているように、若者を廃疾の状態にしてしまうことによって、例えばうつ病の罹患や過労による疾病等が広がることによる医療費や、労働不能による生活保護費、失業による失業手当などの社会的コストが膨大に増える。さらに年金等の社会保障を支える若者の層が極端に薄くなり、日本の社会存立の基盤が実際に危うくなってくる。このことは、社会保障費、医療費の切り詰めや、世界的に見ても極端に劣悪なレベルの生活保護費の更なる削減といった形で、具体的に進んできている。更に、文化は本来人間の営為であるが、文化をたしなむ余裕すらなくなってくる。若者の閉塞感は新型ブラック企業の蔓延と大いに関係があるだろう。いじめや弱者に対するバッシング、逆に公務員への攻撃や非正規雇用の若者による正規雇用者への攻撃など、およそ文化とは縁も所縁も無い、無責任な罵詈雑言がツイッターやSNSに大量に書き込まれている。新型ブラック企業は、日本の政治・経済のみならず文化をもことごとく駄目にする。

 第3の理由は、日本の雇用情勢が若者に限らず、全ての被雇用者にとって大変厳しい状況にあることと関連する。電機業界では13万人のリストラ、パナソニックでは2万人、関連会社を含めると4万人のリストラである。殆どの会社は新卒採用もしながら、派遣社員や有期雇用社員のリストラも進めているので、この数字は若者に限らずベテランも含めて多くの現職の正社員にかかってくることになっている。併せて今や日本企業の多くでは、人件費をコストとして大幅な削減がなされている。マスコミ等では『雇用の流動化』『衰退産業から成長産業へ』『終身雇用・年功賃金から能力給へ』『閉鎖的雇用関係から開放的雇用』など、政府委員会の委員、経済団体、学者、評論家、識者等々の大合唱である。それをマスコミは無批判に垂れ流し、それどころか煽り立てるような報道をしている。

 そういった状況の裏では、法制化の動きも強引に進められ『解雇制限の自由化』『裁量労働制(ホワイトカラー・エグゼンプション)』等が声高に言われている。キャリアアップ支援、転職支援などの理屈を付けて、一定の金銭でもって自由に解雇できたり、ホワイトカラーには残業代が支払われないことが合法化されようとしている。但し現在でも、リストラに伴う『追い出し部屋』での退職強要やサービス残業の強要、あるいは『甘い若者を鍛える』名目でのハラスメント等は横行している。新型ブラック企業はこういった『普通の会社』がブラック化へと進んでいく旗振り役、いわば『突撃隊』としての役割を果たしているからだ。

  以上のような理由で私はブラック企業を告発する。誇りと活力のある日本の対極にある、卑屈と低迷の象徴であるブラック企業は退場願わなければならない。ただ、私は冒頭に行ったようにブラック企業が『抹殺』されれば良いなどとは思っていない。ブラック企業の所業を、幅広い日本人が声を挙げることによって改めさせなければならないと思っている。ブラック企業は他の先進諸国には無い日本特有の現象だ。このままでは、“Karoshi”に次いで“Black Kigyo”も恥ずかしくも国際語になってしまいそうである。

  次回のパライソメッセージ(ひょっとすると、イソカラメッセージ)は、『良い会社とは』をテーマに考えたい。

 

ニッポンをし... 

【一押しBook】

書名:ニッポンを幸せにする会社-あってよかった!応援したい-

著者:鎌田 實(1948年生まれ。東京杉並区出身の医師。現在、諏訪中央病院名誉院長で、作家、エッセイストとしても活躍中。)

出版社:集英社 29012年4月初版 ¥1,260

内容:

 著者の鎌田實氏はこの本を書いた動機について、東日本大震災での医師、看護師らと診療・物資の支援チームを組み、食べ物などを支援してくれる会社を探すうちに、多くの『ニッポンを幸せにする会社』に出会ったことと言う。紹介されている会社は、超大手企業というわけではなく、どちらかというと中堅・中小、地方企業が多い。

 「世界に誇れる技術とサービスで、復興にも貢献する会社」「安全でおいしい「食」を追及する会社」「環境にやさしい省エネ技術を開発する会社」「高齢化社会で伸びが期待される医療と薬品の会社」「社員を大事にして、業績アップにつなげる会社」としてそれぞれ2~3社紹介されている。全ての会社の社長に、著者が直接取材して纏めたもので、社長の人柄もよく紹介されている。

 紹介されている会社は、菊池製作所、ヤマト運輸、パスコ、ホクト、ツムラ、六花亭、ケーズホールディング等々で、よく話題に上る会社もある。著者の人の良さに、書いてあることを多少割り引いて読まねばならないかとも思うが、そのことによってかえってインタビューされる社長の方も本音が出ているのではないか。

 いずれも「いい会社の探し方」には大いに参考になる本である。

(続く)

コメント
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