一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

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介護はつらいよ 大型連休編

2007-04-28 07:55:08 | Essay
'06年の12月28日に「介護はつらいよ 年末年始編」という文章を書きました。
その時に、
「近年は元旦から営業している顧客志向の業界も多い。来年は、福祉ももっと利用者志向になってほしいものだ。」
という新聞への投書を御紹介しましたが、大型連休でも事情は変わっていないようです(ただ、暦どおりの休みであるのが、多少は助かるが)。

ただ、より悪化していることが、ないわけでもない。
というのは、地方自治体の老人福祉への取り組み方です。
以下は、それについて、小生の身近にあったお話。

今月20日付けの文書が拙宅の老人宛にやってきました。
その文書のタイトルは「老人医療費等助成制度の廃止について」というもの。
つまりは、従来、「68歳以上の方が入院したときの差額ベッド料およびおむつ代」について助成をしてきたが、それを本年6月30日で廃止する、というのです。

これも国の政策とリンクしているようで、この文書には、廃止の理由の一つに、
「国の医療制度改革などとの整合性を確保し、負担と給付の公平を図る」
という一節がありました。

さて、現在、拙宅の老人は、次のような老人福祉および身障者福祉として、次のような補助を受けています(上記のような、入院などの特別なケース以外に)。

一つには、おむつ関係の現物支給。
金額に直せば、月に4~5千円程度になるでしょうが、これだけでは足りませんので、自己負担がプラス千円程度かかります。
第二は、身障者として、消耗品の補助があります。
これも金額に直すと、月に1万円程度でしょうか。しかし、こちらはほぼ自己負担なしで済んでいます。

以上の他に、福祉協議会という団体(NPO?)から、車椅子を無料にて借りています。これも、自己負担となると、月に数千円はかかることになるでしょう。

これらの補助ですが、今の情勢ですと、すぐに廃止とはならなくとも、自己負担率が増えることは目に見えています。その最初の動きが、今回の「老人医療費等助成制度の廃止について」という文書に書かれた内容でしょう。

それはさておき、国が弱者切捨て策を採るのであれば、それに対抗する手段として考えられるのは、次の三点だと思います。

第一点は、その政策を変えさせていく方策を採る。
これが一番基本なのでしょうが、そのためには余りにも時間がかかり過ぎ、当面の対応を考えねばならない。

第二点は、自己防衛策を採る。
これも、ある程度以上の資金の準備が必要です。そもそも、これが採れれば、「弱者」とは申せますまい。したがって、他の経費を切り詰めて、老人福祉に廻すとしても限度があります。

第三点は、地方自治体にセーフティーネットを造らせる。
地域によって財政的基盤の相違がありますので、どこでも可能かといえば、難しい面もありますが、今のところ、地域独自のセーフティーネットが、ある程度はできていると思いますので、少なくとも、これを最低線として、削減はさせないことが重要でしょう。その次の段階としては、より一層の拡充を図っていく。

その面で、まだ地方自治体に働きかけていく可能性はなきにしもあらずという気がしていたのですが、今回のような「お知らせ」が来ると、それも危ういように思えます。

今回の統一地方選挙の結果で、果していかなる事態になっていくでしょうか。
それを慎重に見守った上で、来るべき参議院選挙での投票行動を決めていきたいと思っております。

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