「老化のスピード」はなぜ人によって違うのか…最新研究が明かす「年を取らない人の共通点」
現代ビジネス より ブルーバックス編集部(科学シリーズ)
【】「老化のスピード」はなぜ人によって違うのか…年を取らない人の「共通点」
1963年に創刊されて以来、「科学をあなたのポケットに」を合言葉に、これまで2000冊以上のラインナップを世に送り出してきたブルーバックス。
本連載では、そんなブルーバックスをつくっている編集部メンバーによるコラムをお届けします。その名も「ブルーバックス通信」。どうぞお楽しみください!
©講談社
⚫︎酸素消費量が大きい人は、寿命が短くなる?
先月、飼っていたハムスターがこの世を去りました。チェコ生まれのジャンガリアン・スノーホワイト。クリスマスに我が家にやってきたので、冬を思わせる「スノ」と名づけました。いつか必ず来る定めとはいえ、募るさみしさ……。ありがとう、スノちゃん。忘れないよ。
さて、ハムスターの平均寿命はおよそ2歳といわれています。対して、人間の平均寿命は70歳を超えます。なぜそんなに違うのでしょうか。
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⚫︎酸素消費量が大きい人は、寿命が短くなる?
先月、飼っていたハムスターがこの世を去りました。チェコ生まれのジャンガリアン・スノーホワイト。クリスマスに我が家にやってきたので、冬を思わせる「スノ」と名づけました。いつか必ず来る定めとはいえ、募るさみしさ……。ありがとう、スノちゃん。忘れないよ。
さて、ハムスターの平均寿命はおよそ2歳といわれています。対して、人間の平均寿命は70歳を超えます。なぜそんなに違うのでしょうか。
答えは、「人間のほうが《体重当たりの酸素消費量》が小さい」から。この考え方は、「動物の生涯の代謝量は一定であり、エネルギー代謝が高く、酸素消費量が大きい生活をしていると、寿命が短くなる」という老化理論にもとづいています。
これを「生涯代謝量一定理論(rate-of-living theory)」と呼びます。
体重当たりの酸素消費量が大きい(エネルギー代謝率が高い)動物の寿命は、それが低い動物よりも短い──。それは裏返せば、同じ人間でも「酸化ストレス」の多い生活を送っている人は、寿命が短くなりがちということに他なりません。
⚫︎「老化時計」を遅らせるには
健康科学の世界では、老化の度合いを「加齢に伴うDNAメチル化の変化」から算出します。これは「DNAm老化時計」と呼ばれ、有望なバイオマーカーとして世界中で研究が進められています。
この「DNAm老化時計」の進み方は、酸化ストレスと同様に、食事や運動習慣の違いでも大きく変わることが明らかになってきています。たとえば、「喫煙習慣」や「飲酒習慣」の有無、「朝方か夜型か」などで、その差は歴然です(参照:『健康寿命と身体の科学』図2-8)。
体重当たりの酸素消費量が大きい(エネルギー代謝率が高い)動物の寿命は、それが低い動物よりも短い──。それは裏返せば、同じ人間でも「酸化ストレス」の多い生活を送っている人は、寿命が短くなりがちということに他なりません。
⚫︎「老化時計」を遅らせるには
健康科学の世界では、老化の度合いを「加齢に伴うDNAメチル化の変化」から算出します。これは「DNAm老化時計」と呼ばれ、有望なバイオマーカーとして世界中で研究が進められています。
この「DNAm老化時計」の進み方は、酸化ストレスと同様に、食事や運動習慣の違いでも大きく変わることが明らかになってきています。たとえば、「喫煙習慣」や「飲酒習慣」の有無、「朝方か夜型か」などで、その差は歴然です(参照:『健康寿命と身体の科学』図2-8)。

喫煙、飲酒、および生活リズムと生物学的年齢加速との関係(Kawamura et al.: Aging Cell, 2023)
時計の針をなるべく遅らせたい方には、「抗酸化ビタミン」と称されるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEや、ポリフェノールを豊富に含んだ食事や、体力の根幹となる「心肺体力」「筋力」を増やすためのトレーニングをオススメします。
⚫︎トレーニング法については、
4分でできる高強度運動「タバタ・トレーニング」、
何時間でも歩けるようになる「すいすいうぉーきんぐ」、
膝にやさしい「ローイング・エクササイズ」など、
『健康寿命と身体の科学』のなかで色々と紹介されていますので,ぜひ参考にしてください。
その他にも,健康科学の最新成果が盛りだくさんの同書,ぜひご一読ください!(F. Y. )