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👑スーパーコンピュータ「富岳」 世界スパコンランク4部門で1位❗️追補② 20200623

2020-06-23 02:49:00 | 🔟 番付色々🆚
ーーーーーーーーーーーー追補2

◉◉◉◉◉Armベースのスパコン「富岳」TOP500で世界1位獲得

日本時間6月23日未明に開催されたWWDC20でアップルはMacのCPUを自社製チップ(Armベース)に置き換える計画を発表しました。その同じ日に、Armベースのスーパーコンピューターが、初めてスパコン世界ランキングTOP500の首位に立ちました。

そのスパコンとは日本の理化学研究所と富士通が開発した「富岳」。CPUには48コアSoCのA64FXを搭載します。17年ほど前によく似た名前のAMD製CPUがあった気がしますが、もちろんそれとは関係なく、こちらは富士通が開発したCPUです。

富岳ではこのA64FXを15万8976個使用し、415ペタFLOPSというとてつもない処理速度をたたき出します。これは2年間、4回にわたって1位を守ってきたIBM Summit(今回2位)を大きく上回る、大差での1位です。

TOP500ではインテルやAMD製のCPUを使ったスパコンがその大半を占めていますが、今回はArmベースのスパコンも4システムがランキングに食い込んでいます。富岳が他と違うところは、人工知能研究などを目的としたGPUアクセラレーターを使っていないところ。これは性能面では不利になるかもしれませんが、消費電力の面ではArmベースの利点とともに相乗効果を生み出す大きなメリットにもなります。富士通は2019年11月に富岳(プロトタイプ)がGreen500で世界1位になったとき「アクセラレータを用いた他システムを上回る消費電力性能を持ち、かつ、汎用CPUのみの他システムと比較して約1/3の電力で処理を行える」と述べていました。

スパコンの性能は日進月歩であり、米Cray Computingは現在、AMDが支援する1.5エクサFLOPSのシステムや、インテルともエクサFLOPSレベルの新システム開発をそれぞれの提携する機関とともに開発しています。また量子コンピューターが実用化の域に入ってくれば、ランキングの景色も大きく変わるかもしれません。

とはいえ、富岳が持つ低消費電力と高性能の両立は、費用対効果の面で今後も優位にはたらくと考えられます。今後はランキングの維持よりも、いかに富岳を活用して成果を数多く生み出していくかが重要になってくるはずです。先だっては新型コロナウイルス(COVID-19)の感染の元となる、くしゃみや咳による飛沫の飛散を富岳によってシミュレーションした結果が公表されていました。

現在はまだ試験稼働の段階ですが、理研は新型コロナウイルス研究に優先的に富岳を活用すると述べており、全世界での死者数が900万人を超えたこの災禍の終息に大きな貢献をもたらすことが期待されます。

Source:TOP500 200624


◉◉◉◉◉★2020年6月版TOP500 - 日本のスパコン「富岳」が4冠を達成
オンライン開催となった「International Supercomputing Conference 2020(ISC2020:国際スーパーコンピュータ会議)」において6月22日(独時間)、スーパーコンピュータ(スパコン)の処理性能ランキングである「TOP500」の2020年6月版が発表された。

2019年11月版TOP500 - 米国のSummitが4期連続のトップを獲得

⚫︎55回目となる今回のランキングでは、理化学研究所(理研)が開発主体として開発・整備を進めているスパコン「富岳」がLINPACK性能415.53PFlops(消費電力28.3MW)でトップを取得。また、富岳はTOP500のみならず、「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」、「HPL-AI」、「Graph500」の4部門において1位を獲得し、4冠を達成した。日本のスパコンがTOP500で1位を獲得するのは2011年11月の「京」が獲得して以来、9年ぶりとなる。

⚫︎2位:米国オークリッジ国立研究所(ORNL)に設置の2018年6月より稼動を開始し、4期連続でTOP500の1位を獲得のIBM製AIスーパーコンピュータ(スパコン)「Summit」がLINPACK性能148.600PFlops(消費電力10.1MW)
⚫︎3位:ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sierra」、前回同様の94.640PFlops(7.4MW)。

⚫︎4位:2016年6月版から2017年11月版までの4期連続1位の中国National Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology(NRCPC)が開発し、National Supercomputing Center(Wuxi)に設置されているスパコン「Sunway TaihuLight(神威・太湖之光)」がLINPACKベンチマーク93.014PFlops/s(消費電力15.3MW)
⚫︎5位:中国National Super Computer Center in Guangzhouによる「Tianhe-2A」で、LINPACKのベンチマーク61.445PFlops(消費電力18.5MW)

⚫︎6位にはイタリアの半国有石油・ガス会社であるEniの産業スパコン「HPC5」が35.450PFlops(消費電力22.5MW)が
⚫︎7位:NVIDIAのスパコン「Selene」が27.580PFlops(消費電力13.4MW)がそれぞれ初めてランクイン。

⚫︎8位:米テキサス大学オースティン校のTexas Advanced Computing Center(TACC)が開発・構築を行い、同センターに設置され、2019年より稼動を開始した「Frontera」が23.516PFlopsで、
⚫︎9位:イタリアCINECA/「Marconi-100」が21.640PFlops(消費電力14.8MW)
⚫︎10位:スイスSwiss National Supercomputing Centre(CSCS)の「Piz Daint」(21.230PFlops、2.4MW)

がそれぞれランクイン、上位10システムの内、4システムが初ランクイン。

◉◉また、富岳以外の日本の主なスパコンシステムとしては

⚫︎12位:日本の産業技術総合研究所(産総研)「人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(ABCI:AI Bridging Cloud Infrastructure)」が19.880PFlops(1.6MW)が(前回8位)

⚫︎19位:東京大学(東大)-筑波大学の共同運用スパコン/東大の柏キャンパスの最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC:Joint Center for Advanced High Performance Computing)に設置の「Oakforest-PACS」(13.555PFlops/2.7MW。前回16位)

⚫︎28位:東京工業大学/「TSUBAME3.0」(8.125PFlops/0.8MW。前回25位)

⚫︎37位:名古屋大学/「Flow」(6.618PFlops)

⚫︎42位&43位:気象庁/スパコン(5.730PFlops/1.4MW。前回32位&33位)

⚫︎54位:九州大学/スパコンシステム「ITO」(4.541PFlops。前回41位)
⚫︎60位:東京大学/「Oakbridge-CX」(4.290PFlops/0.8MW。前回45位)
⚫︎61位:匿名の研究機関のスパコン(4.128PFlops。前回46位)

⚫︎68位:さくらインターネットのスパコン(3.712PFlops。前回54位)

⚫︎84位:宇宙航空研究開発機構(JAXA)/「SORA-MA」(3.157PFlops/1.7MW。前回66位)

⚫︎88位:物質・材料研究機構(NIMS)/「Numerical Materials Simulator」(3.082PFlops/0.7MW)

⚫︎90位:京都大学の「Camphor 2」(3.057PFlops/0.8MW。前回70位)

が、それぞれ100位以内に入っている。


◉◉◉◉◉◉ARM採用の富岳が世界一を取った日、AppleがARM移行を発表した
Ubergizmo US(翻訳 Ubergizmo JP) より  200626

Intelのx86プロセッサを長年使用してきたAppleですが、ARMベースのチップセットに移行することに疑問を感じている人も少なくないはずです。その理由の一つとして、IntelのCPUは長らくサーバーやデスクトップ、ラップトップPCをはじめとしたコンピュータに重用されてきましたが、ARMはモバイル機器をメインに多く使われてきました。しかし、Appleと同様に新たな局面に差し掛かった幕開けともいえる存在が「富岳」です。

富岳は、理研と富士通が開発したスーパーコンピューターです。富士通製ARMチップセットを搭載、年2回公表されるスーパーコンピュータ速度ランキングTop500で1位を獲得しています。Top500 HPLベンチマークによると、富嶽は415.5ペタフロップスで、IBMのSummitの約2.8倍の速さを実現しています。

現在は主にCOVID-19、新型コロナウイルスの分析等の処理に使用されており、各種研究やウイルスのシミュレーション、追跡アプリの有効性の確認などに役立てている状況。本格的な稼働は来年からと見込まれています。

AppleはMacをARMベースに変更することで、それほど高い性能ではなくとも、SoC(System on Chip)をPCにも使用することで、熱設計に限界があるx86系CPUベースのPC設計に一石を投じる可能性があります。もちろん今回の富岳が高い性能を発揮したように、ARMが信じられないほど強力な性能を発揮する可能性を秘めていることにも疑いの余地はありません。

一方、コンシューマベースの企業であるAppleは、ユーザーにARMの価値を認識してもらうには、ユーザーが使い慣れたアプリのほとんどを、ARMベースでも高い互換性があることを担保しなければならず、ユーザーが走らせるプログラムをシステムに寄せるスパコンと違い、ちょっとした課題もあることでしょう。とはいえ、日本勢のARMスパコンが世界一を取った日に、期しくもAppleがARMアーキテクチャへの移行を発表。新しい時代の幕開けの日として記憶されるかもしれません。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。


💋パワーPcチップのMacPCを思い出す Risc Sisc チップの話や…
でもパソコンは性能でなく個人利用主で低コスト性がいつも最有力で…セキュリティさえも…結果が未だにウイルス蔓延、ハッカー天国と…商売上手なマイクロソフト…
 WinPC面倒で月一利用でiPad中心やし又、MacPCしようかな…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー追補1

理化学研究所は23日、同研究所計算科学研究センター(神戸市)で整備を進めているスーパーコンピューター「富岳」が、世界のスパコンランキングの4部門で1位になったと発表した。
 そのうち演算速度▽実用時の性能▽ビッグデータを扱う性能――の3部門で同時に1位となるのは世界初。
 日本のスパコンが主要部門の演算速度で世界一になるのは、2011年11月に富岳の先代機「京」(19年運転終了)が獲得して以来となる。

 ランキングはオンラインで開催中のコンピューターの性能に関する国際会議「ISC2020」で発表。
 理研によると、
⚫︎単純な演算速度を競う部門「TOP500」で415・53ペタフロップス(ペタは10の15乗、フロップスは性能を示す値)、
⚫︎実際のアプリケーション上での性能を競う部門「HPCG」では1万3400テラフロップス(テラは10の12乗)を記録。2位の米スパコンの約2・8~4・6倍の値で、大差をつけた。
⚫︎ビッグデータを扱う性能を競う「グラフ500」や、人工知能(AI)を扱う新設の「HPL―AI」の2部門でも首位を獲得した。

 富岳は21年度に本格稼働の予定で、一部が20年4月から新型コロナウイルスに関する研究などに使われている。今回のランキングでの性能は8〜9割の計算機を使った結果で、今後さらに性能が上がる可能性もある。

 松岡聡センター長は「国民の関心の高いアプリケーションで高性能が出るように開発した結果、全ての主要な諸元で突出して世界最高であることを示せた。今後、富岳のITテクノロジーが、新型コロナに代表される多くの社会問題を解決していくだろう」とコメントした。 
       【松本光樹】毎日新聞より抜粋編集控え

◉◉ 産経新聞より ◉◉

 理化学研究所と富士通は22日、共同開発した新型スーパーコンピューター「富岳」(神戸市)がスパコンの計算速度の世界ランキング「TOP500」で1位になったと発表。日本勢がトップに立つのは約9年ぶりの快挙で、技術力の高さを再び世界に示した形だ。

 スパコンは半導体など多くの先端技術が開発に必要で、自然科学や産業分野で研究開発の原動力となる。その国の科学技術の水準を示す象徴的な存在だ。

 世界ランクは国際会議で約半年ごとに発表。日本は富岳の前身で,昨年廃止された「京」が2011年6月と同11月に連覇したが,その後は米国や中国に首位の座を奪われていた。

 富岳の計算速度は1秒間に41京5530兆回(京は1兆の1万倍)で、前回首位だった2位の米オークリッジ国立研究所の「サミット」に約2・8倍の大差をつけた。中国勢は約8年ぶりに4位以下に後退した。

 富岳は来年度の本格稼働を目指しており、今回の計算速度は完成時の8割程度。より実用的な計算や人工知能(AI)、大規模データの計算性能を競う分野でも首位となり、世界初の4冠を達成した。

 理研は「全ての主要な性能で突出して世界最高を示せた。富岳の技術が世界をリードする形で広く普及するだろう」としている。
 ただ、米国や中国は1秒間に100京回の計算速度を持つスパコンを来年にも完成させるとみられており、開発競争は今後も熾烈(しれつ)さを増しそうだ。

 ■富岳 理化学研究所の計算科学研究センター(神戸市)に設置されたスーパーコンピューター。先月中旬に搬入が完了した。スパコン「京」の後継機で、約100倍の計算性能を持つ。政府による開発費は1100億円。シミュレーション(模擬実験)や人工知能(AI)の研究開発で使う計算に向いており、防災や創薬など幅広い分野で活用を目指す。

◇主なスパコンの順位と計算速度(1秒当たりの計算回数)は以下の通り(※は初めてランキングに登場した機種)。

(1)理化学研究所「富岳」 41京5530兆回 ※

(2)米国・オークリッジ国立研究所「サミット」 14京8600兆回

(3)米国・ローレンスリバモア国立研究所「シエラ」 9京4640兆回

(4)中国・無錫スパコンセンター「神威太湖之光」 9京3014兆回

(5)中国・広州スパコンセンター「天河2A」 6京1444兆回

(6)イタリア・エネルギー大手エニ「HPC5」 3京5450兆回 ※

(7)米国・半導体大手エヌビディア「セレネ」 2京7580兆回 ※

(8)米国・テキサス大「フロンテラ」 2京3516兆回

(9)イタリア・大学と研究機関の共同体シニカ「マルコーニ-100」2京1640兆回 ※

(10)スイス・国立スパコンセンター「ピッツ・ダイント」 2京1230兆回


(12)産業技術総合研究所「AI橋渡しクラウド(ABCI)」 1京9880兆回

(19)東京大・筑波大「オークフォレスト・パックス」 1京3554兆回

「2位じゃ駄目か」の蓮舫氏、富岳世界トップで「努力に敬意」💋不勉強



◉◉◉ スパコン「富岳」がライバル圧倒で4部門首位達成。まだ100%の性能は発揮せず ◉◉◉ 
PCWatch より 大河原 克行

富岳
 理化学研究所(理研)のスーパーコンピュータ「富岳」が、世界ランキングで首位になったことを受けて、理研および開発、製造を行なった富士通が23日、オンラインで会見を行なった。

 富岳は「International Supercomputing Conference (ISC 2020)」で発表されたスーパーコンピュータの世界ランキングにおいて、LINPACKの実行性能を指標とした「TOP500」のほか、実際のアプリでよく使われるCG法のプログラムで性能を評価する「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」、低精度演算での演算能力を評価し、AI処理能力評価を行なう「HPL-AI」、超大規模グラフの探索能力で計算機を評価し、ビッグデータ分析などでの性能を示す「Graph500」の4部門において、いずれも2位に大差をつけて、世界1位を獲得した。

 4部門で同時に1位を獲得したのは、富岳がはじめてとなる。また、理化学研究所 計算科学研究センターの松岡聡センター長は、「富岳が世界のトップレベルでいる期間は相当長いと考えている」と、長期的に1位に君臨することにも自信を見せた。

⚫︎理化学研究所 計算科学研究センター フラグシップ2020プロジェクトの石川裕プロジェクトリーダー
 理化学研究所 計算科学研究センター フラグシップ2020プロジェクトの石川裕プロジェクトリーダーは、「Graph500での計測値は、6割程度のリソースを動かした段階のものである」とし、「富士山で言えば、8合目を過ぎたところ。まだ、振り返る段階ではない。8合目以降は、道がないところを歩くこともある。厳しい登山になることを想定しながら、気を引き締めて、2021年度からの共用開始につなげたい」と、今後の性能向上に向けて取り組む姿勢を示した。

 さらに、松岡センター長は、「市販のCPUを購入し、スーパーコンピュータを作っていたら、この成果は達成できなかった。京の40倍の性能を発揮しながら、電力増加はわずか2.2倍。従来の米国製CPUの3倍の性能を発揮する。

 スマートフォンに用いられる汎用Arm CPUの上位互換CPUを、ゼロから開発したことで実現したものである。圧倒的に性能が高く、圧倒的に消費電力が低く、そして汎用性があるCPUを開発したことで、日本の技術力を示すことができた。CPU開発で後塵を拝してきた日本の半導体産業の復興と言える」と宣言した。


⚫︎理化学研究所の松本紘理事長
 会見で理化学研究所の松本紘理事長は、「四冠馬ならぬ、四冠機となった」と表現。「輝かしい成果が出たことにホッとすると同時に、うれしく思う。富岳は、名前のとおり、富士山のような高い性能と裾野の広い能力を目指したものである。言い換えれば、単にスピードが速いだけでなく、Society5.0に役立つようなインフラとして、AIやビッグデータ解析の分野でも優秀な性能を示すことを狙っている。

 速さを競う演算能力で1位になったのは、京が1位になって以来、8年半ぶりである。ビッグデータ解析に関する性能でも1位になり、また、京が1位を取り続けたGraphでも1位となり、世界でもっとも探索に優れたコンピュータとなった。さらに、AIで力を発揮する面でも、ダントツの1位になった。

 Society5.0を目指すということは、さまざまなアプリが動作することが求められる。多彩で、多種多様なアプリに対応するために、ソフトウェア開発とハードウェア開発を並行して行ない、ベストな性能を出すという努力をしてきた。これは、コデザインという手法であり、今回の栄冠を得たのはそのおかげである」とコメント。

 さらに、「新型コロナウイルスの感染拡大のなか、予定どおり、5月に搬入が完了した。富岳が最初に取り組んだテーマが、新型コロナウイルス対策であり、どうやったら感染が防げるかといったシミュレーションを行ない、その成果が出ている。まだ性能を上げる余地があり、最大限の性能を引き出すことに取り組みたい。世界のトップに立ったことに慢心することなく、富岳の力を引き出す努力をしていく」と述べた。


⚫︎富士通の時田隆仁社長
 富士通の時田隆仁社長は、「この結果をうれしく思う。富士通は、テクノロジを通じて価値を届けることを使命としてきた企業であり、富岳は自信を持って提供できる世界に誇れるスーパーコンピュータを作るという決意のもと、高性能と省電力を同時に達成し、高い信頼性と使いやすさを実現することに強いこだわりを持って、開発に取り組んできた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、部材の調達や工場の稼働への影響が危ぶまれるなかでの作業ではあったが、当初のスケジュールどおりに製造、設置することができた。今回の開発を通じて、改めて日本の技術力の強さ、モノづくりの強さを世界に示すことができた。

 富岳には社会課題の解決に貢献するという重要な使命がある。新型コロナウイルスの対策に向けた研究開発は、富岳が目指す取り組みそのものである。

 一方で、Hewlett Packard(Cray)とのパートナーシップにより、富岳に搭載しているA64FXを同社に販売している。富岳の開発目的の1つである、成果をグローバルに展開することも達成している。富士通のパーパス(存在意義)は、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことである。

 富岳で培った技術やノウハウは、富士通のパーパスを実現する重要な基盤である。富岳の1日も早い本格運用に向けた整備に全力を尽くし、世界一を記録したスーパーコンピュータによって、持続可能な世界の実現に貢献する」と語った。

 富岳は、石川県かほく市の富士通ITプロダクツで筐体の生産が行なわれ、2019年12月2日から理研の計算科学研究センターに搬入を開始。2020年5月13日に設置が完了。現在、ソフトウェアの整備や試験運用を実施しており、2021年度の共用開始を目指している。

 ものづくり、ゲノム医療、創薬、災害予測、気象・環境、新エネルギー、エネルギーの創出・貯蔵、宇宙科学、新素材の9つの分野を重点領域として、コンピュータシミュレーションなどに活用されるほか、ビッグデータ解析やAIの領域でも積極的な活用が期待される。

 今回の4分野における世界1位の獲得は、コンピュータシミュレーションだけでなく、ビッグデータ解析やAIにおいても、世界最高性能であることを示したものになる。


⚫︎理化学研究所 計算科学研究センターの松岡聡センター長
 理化学研究所 計算科学研究センターの松岡聡センター長は、「国民が高い関心を持つさまざまな社会問題を解決していくことを目的に開発されたものである。そこで利用されるアプリは多岐多様にわたる。

 Society5.0時代には、単なるシミュレーションだけでなく、ビッグデータ、AI、エッジコンピューティングなどもカバーしてなくてはならない。富岳はそれに応えるために、あらゆるアプリで最高の性能を発揮することを目的に開発したマシンである。

 実質的にすべてのベンチマークで世界一になれたが、これはアプリで最高性能を出すために開発した結果であって、ベンチマークでトップを取るために作ったマシンではない」と富岳の基本方針について説明。

 「2位に比べて、2.58倍から4.57倍の差をつけて圧倒的な性能を記録。しかも、現時点では、100%の性能をまだ発揮していない。富岳全体で15万8,976ノードの計算機が集約されているが、これはスマートフォン換算で2,000万台分に匹敵する。日本で年間に出荷されるスマートフォンの台数に匹敵する。また、サーバー換算では30万台に匹敵し、これもサーバーの年間出荷台数に匹敵する。富岳が2~3台あれば、日本のITをすべてカバーできる計算パワーを持っている」とした。


⚫︎富士通の新庄直樹理事
 富士通の新庄直樹理事は、「4分野のベンチマークで圧倒的な差をつけて1位になったのは、富岳の高い性能を実証したものだと言える。最先端技術の採用により、アプリの高速化を実現したほか、ハードウェアからソフトウェアまでを自社開発することで省電力性と高信頼性を実現した。

 また、ガラパゴス化しないためにスマートフォンやIoT機器で広く使われている業界標準のArmアーキテクチャを採用し、OSにはサーバーなどで広く利用されているRedhat Enterprise Linux 8.1を利用している。ここに富岳の特徴がある。

 シミュレーションとデータ解析の両輪で社会課題の解決や、デジタルトランスフォーメーションを支えるインフラとしても利用できる。デジタル時代を迎えて、高いシミュレーション・AI処理能力を有する富岳は、さまざまな分野での活用ができる。

 富岳は、搬入・設置にあたっては新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。世界各地でのロックダウンの影響もあり、サプライチェーンの見直しや、代替品の国内製造などを検討した一方、設置時には、ハードウェア保守を除いて、リモート作業を行ない、複数の班に分けたり、動線を分けたりといったことも行ない、感染予防や影響の最小化を図った。通常、短期間でベンチマークを行なうためには、缶詰になって一カ所で作業するが、今回はすべてリモートで密接な連携を行なった」とした。

 一方で、2019年11月の発表では、富岳のプロトタイプが、消費電力性能を実証するGreen500でトップとなったが、今回の発表では4位となった。

 それに関して、理研の松岡センター長は、「汎用性を高めるほど、消費電力では不利になる。マシンが大きいほど不利になる。クルマにたとえれば、ピュアなレーシングカーは装備を省けるが、高級車は安全装置や快適装置がついて重くなり、燃費が悪くなるのと同じだ。


 だが、性能ランキングでは2位以下に数倍の差をつけているが、Green500では、上位の特殊なマシンと比べても同じ水準にある。2割ぐらいの差しかない。実質的な運用面では差がない。富岳は、もっとも汎用性が高いものであり、そこで世界最高クラスの消費電力性能を持ったものを作れたと自負している。われわれの設計は正しかった」とした。

 まだ本格稼働をしていない富岳だが、新型コロナウイルス対策の研究などに、すでに利用されている。4月から全体の6分の1の計算リソースを使って、先行的に利用できるようにし、その後、少しずつ利用できる性能を拡張しているという。

 ここでは、創薬支援やウイルス解析などに利用する「医学的側面からの研究」と、電車内や室内、レストラン内での飛沫拡散のシミュレーションに使用するなど、感染拡大防止のための「社会的側面からの研究」に取り組んでいるという。

 「京に対して100倍の性能向上を果たしたことで、数週間かかった成果を数時間で導き出せたという例もある。ここにも、さまざまなアプリを利用できるという富岳の特徴が発揮されている。大切なのは、こうした機会を損失しないで利用すること。待つことなく、機敏に利用し、それが国民の利便性につながることが大切である。新型コロナウイルス感染防止に向けて、今後も活用を増やしていきたい」(松岡センター長)とした。


⚫︎ビデオメッセージを送った文部科学省の萩生田光一大臣
 ビデオメッセージを送った文部科学省の萩生田光一大臣は、「現在はまだ開発途中だが、こうした結果を獲得したことに、単純な計算性能だけでなく、多様なアプリに対応した富岳の総合力の高さが評価されたものだと考えている。全世界で新型コロナウイルス感染症への対応が迫られるなか、さまざまな苦労のなかで、開発に尽力したことに敬意を表する。

 全面的な共用開始に向けた開発を着実に進めるとともに、世界トップの性能を社会で役立つ成果に結びつけることが重要となる。一部を利用して、新型コロナウイルス感染症対策に役立つ研究課題を推進しており、飛沫飛散シミュレーションなどの成果が創出されている。Society5.0を支えるイノベーション創出の基盤として、富岳の開発、運用を進め、社会に貢献する成果の創出に努める」とした。


⚫︎ビデオメッセージを送ったArmのIP Products Group担当プレジデントのRene Haas氏
 ArmのIP Products Group担当プレジデントのRene Haas氏もビデオメッセージを送った。同氏は、「今回の世界最速のコンピュータの発表は、将来のハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)を動作させるCPUを変えることを意味する。今後、Armが培ってきた電力効率の高いマイクロプロセッサと、HPCのインフラストラクチャーに必要とされる高いコンピュート要件を組み合わせて、継続的に提供することになる。これは偉大なエンジニアリングによる成果であり、世界最速のスーパーコンピュータとなったことを祝福したい」と述べた。



RIKEN より




 /// そして更に ///
◉◉ PC PFNの国産スパコンが消費電力性能で世界一に  ◉◉
                  (中村 真司) PC Watch より
MN-3
 年2回のスパコン世界ランキングの1つとして、1Wあたりの性能を測るGreen500の2020年6月の結果が公開された。

 1位は日本のPreferred Networksによる「MN-3」となり、1.62PFLOPSの処理性能で、21.1GFLOPS/Wの消費電力性能を達成した。MN-3はディープラーニングの処理に特化するMN-CoreやXeon Platinum 8260Mを搭載する全2,080コアのスパコンであり、消費電力は77kW。TOP500では394位となっている。

 2位はNVIDIAの「Selene」で、27.5PFLOPSの処理性能で、20.5GFLOPS/Wを実現。AmpereアーキテクチャのGPUコンピューティングシステムDGX A100やAMD EPYC 7742を実装しており、全コア数は277,760基、消費電力1,344kW。TOP500において7位を獲得している。
 3位は前回(2019年11月)2位だったPEZY ComputingとExascalerによる「NA-1」で、1.33PFLOPSの処理性能で、18.4GFLOPS/W。コア数の合計は1,271,040基、消費電力80kW。TOP500でのランキングは469位。

 4位は前回1位だった富士通「A64FX(富岳)」のプロトタイプ(国産スパコン「富岳」のプロトタイプが消費電力性能ランキングで世界1位に参照)。1.99PFLOPSの処理性能で、16.8GFLOPS/W。コア数は合計36,864基、消費電力118kW、TOP500では205位となっている。




💋ひとまずめでたい(^^)
  この調子で量子コンピュータでも頑張ってほしい!
   科学はNo1に価値と意味がある!

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2 コメント

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Unknown (chiyo6213)
2020-06-23 03:45:24
凄いでーすねー〜研究がコロナに役立ち早く終息してほしいですねー〜
返信する
Unknown (inisie_chajin)
2020-06-25 11:24:35
コメント有難うございます。期待大です。スパコンが本当役に立って欲しい!折角の技術をもっと活用して災害大国日本に役立って!政治家よりスパコン⁈
返信する

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