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🧠頭が疲れた時に甘い物を食べると老化を早めてしまう…ブドウ糖より健康的な「脳のエネルギー源」がある 202304

2023-04-10 01:26:00 | 健康関連

頭が疲れた時に甘い物を食べると老化を早めてしまう…ブドウ糖より健康的な「脳のエネルギー源」がある
  プレジデント Online より 230410  マックス・ルガヴェア,ポール・グレワル


 脳のエネルギー源には、どのようなものがあるか。健康・科学専門のジャーナリストであるマックス・ルガヴェア氏と医師のポール・グレワル氏は「一般的に知られている『ブドウ糖』は活性酸素を生み、多すぎると老化や脳の疾患を引き起こす。
 エネルギー源を『ケトン』に代えるとダメージを抑えることができる」という――。
※本稿は、マックス・ルガヴェア、ポール・グレワル『脳が強くなる食事 GENIUS FOODS』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

⚫︎ブドウ糖はダメージ物質を生み出す
 脳の燃料の1つであるブドウ糖は、多くの点でガソリンに似ている。このブドウ糖は、私たちが摂取する炭水化物を介して血液中に入る。

 炭水化物を頻繁に摂っていると、ブドウ糖が脳の主要なエネルギー源となる。そしてミトコンドリアは細胞内でこのブドウ糖から、酸素を使った複雑な燃焼メカニズムによってエネルギーをつくりだす。
 このプロセスは「好気性代謝」と呼ばれ、私たちが知るとおり、それなしで生きることは不可能だ。だがガソリンと同じく、代謝は高い代償を払う。つまり排気ガスだ。

 ブドウ糖による代謝の副産物の1つは「活性酸素」、あるいはフリーラジカルと呼ばれる物質だ。こうしたダメージ物質が生まれるのは正常な作用であり、生きていく上で避けられない側面でもある。

 理想的な状態であれば、私たちにはこの有害なフリーラジカルを除去する力がある。だがフリーラジカルがどんどん増えると、それを除去しきれず、ダメージのプロセスが連鎖的に始まる。そして老化や、それに関連する症状を誘発する。
 てんかんやアルツハイマー病、パーキンソン病、MS、自閉症、そしてうつ病もまた、酸化ストレスが脳にはびこって疾患のプロセスを促進している状態なのだ。

 この、いわば生物学的な化石燃料ともいえるブドウ糖に代わるエネルギー源が、ケトンだ。より「クリーン」に、より効率よく、より長く燃焼できる。そして偶然にも、それは私たちのすぐそばにある。

⚫︎ブドウ糖に代わるクリーンなエネルギー
 ブドウ糖とは異なり,ケトンは「クリーンに燃える」燃料と考えられている。なぜなら,ブドウ糖より少ない代謝プロセスで、取り込んだ酸素からより多くのエネルギーをつくり,その結果,エネルギー変換時に生成されるゾンビ分子(フリーラジカル)が少なくなるためだ。
 また、フリーラジカルを中和する力が強いグルタチオンという天然の抗酸化物質を使える機会も大幅に増える。つまりケトンを利用することで、アンチエイジングが半額セールの状態になる。

 ケトンの恩恵は、そこで終わらない。ケトンが脳にあると、BDNFを増産する遺伝子経路が活性化されることが研究で示されている。BDNFは気分を改善したり、学習能力や可塑(かそ)性を促したり、神経細胞を日常的な損傷から守ったりといった、いわば脳の「成長ホルモン」だ。ケトンは脳への血液の供給にも一役買い、39パーセントも血流を増やすという。

 炭水化物をふんだんに摂る「普通の」西洋型の食生活において、この有益なケトンの合成は、ほぼ抑えられた状態にある。なぜなら、高炭水化物食によって膵臓(すいぞう)のインスリン分泌が刺激され、インスリンが増えるたびにケトンの合成が止まるからだ。

 一方、絶食や、炭水化物を極端に減らした食生活によってインスリンが抑えられると、ケトンの合成が誘発される。

⚫︎体内でケトンを合成する方法
 飢餓の状態で皮膚の下や胴まわりの脂肪組織が分解されると,脂肪酸が血液中に流れだし,肝臓によって「ケトン体」,もしくはシンプルに「ケトン」と呼ばれる燃料に変換される。ケトンは脳細胞に簡単に取り込まれ,必要なエネルギーを最大60パーセントまで補給できる。

 農耕生活を始める前の祖先たちは、食料供給の見通しが立たなかったため、定期的に絶食を経験していた。彼らの脳(と私たちが受け継いだ脳)は、この不確実性のなかで鍛えられ、食べる時期と絶食の時期を振り子のように繰り返す生活に見事に適応した。

 食料の摂取を周期的に制限することによって、身体は生理学的な適応を強いられ、ケトンを合成する。
 断食(ファスティング)の方法はいろいろあるので、好きなものを選ぶといいだろう。
お勧めは、最後に栄養を取り込んでから16時間、何も食べない状態を維持する方法だ。
 これは一般的に普及している「16:8」メソッドというファスティングだ(つまり16時間は何も食べないが、残りの8時間は食べてもいいというものだ)。

 このファスティングは毎日行うことができて、ファスティングの多くの恩恵が得られる。
具体的にはインスリンの分泌量が減り、蓄えられた脂肪の分解が促される(女性には16時間ではなく、12~14時間から始めることを勧めている。女性のホルモンのシステムは、食料難のシグナルに対して敏感に反応する可能性があるためだ。たとえば絶食時間が長くなると、生殖能力に悪影響がおよびかねない)。

⚫︎さまざまな断食の方法
 ルイジアナ州立大学の最近の研究では、過体重の被験者が午前8時から午後8時のあいだに、つまり大多数の人の平均的な食事の時間帯に1日のカロリーを摂取した。
 だが研究チームが、夕食を抜いて午後2時に食べるのをやめるよう被験者に指示すると、ブドウ糖ではなく、脂肪の燃焼(つまりケトン)が増加した。
 また、代謝の柔軟性の改善も見られた。要するに炭水化物と脂肪の燃焼の切り換えを行うスイッチの働きがよくなったのだ。

 このほかにも、目下研究が進んでいるファスティング法がある。1日おきのファスティング(16:8メソッドのような「時間制限による食事」の方法)や、断続的な超低カロリー食(VLCD)だ。このVLCDのもとになる理論は、炭水化物の摂取の有無にかかわらず、身体が蓄えられた燃料を放出してエネルギー不足に対応するというものだ。
 これは、「断食模倣食(FMD)」といわれ(ヴァルテル・ロンゴという研究者が提唱した食餌療法)、老化や糖尿病、ガン、神経変性疾患、心血管疾患のリスクを減らしたり、バイオマーカーの数値を下げたりといった大きな恩恵にあずかれる可能性があるという。

⚫︎ガン治療への有効性も研究されている
 ケトン食療法は、てんかんの有効な治療法として、80年にわたり臨床現場で実践されている。発作を劇的に減らし、脳の炎症を抑える効果があるのだ。この療法は、かなり効果的で安全性も高いので、現在は、ほかのたくさんの神経疾患の治療法の選択肢としても評価されている。

 片頭痛、うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)はすべて、脳の過剰な炎症と関連している。
 理論的には、こうした病気のどれもが治療だけでなく、予防効果もケトンから得られるかもしれない。ケトン食療法は、軽度認知障害──認知症の前駆状態の患者や、初期のアルツハイマー病の患者の記憶障害を改善することがわかっている。


📗マックス・ルガヴェア、ポール・グレワル『脳が強くなる食事 GENIUS FOODS』(かんき出版)

 このケトン食療法は、ある種のガンの治療にも有効かもしれないと考えられ、研究が進んでいる。そのようなガン細胞は、インスリンの濃度が高い状態で増殖し、ほかの場所のように「ハイブリッド・テクノロジー」の恩恵に与かれない。つまり、ケトン体では生き延びることができない。とはいえ、ガン細胞はかなり有害な環境でも回避したり、変異したり、適応したりするので、効果が長期的に続くかどうかはわかっていない。
 だが結局のところインスリンと、それと構造がよく似た「インスリン様ペプチド」、つまりIGF-1とIGF-2が、どんな細胞にとっても強力な成長因子となる。なぜなら正常な細胞にも、ガン細胞にも、それを取り込む受容体があるからだ。

 神経変性疾患の治療であれ、二型糖尿病の患者の代謝のリセットであれ(ケトン食療法は、平均するとわずか1日でインスリンの血中濃度を半減し、血糖のコントロールを改善する)、体脂肪を短期間でごっそり落としたい人であれ、ケトン食はかなり見込みのある療法といえるだろう。


▶︎マックス・ルガヴェア 健康・科学専門ジャーナリスト
映画製作者。「メドスケープ」「ヴァイス」「ファスト・カンパニー」「デイリー・ビースト」などのメディアに寄稿し、「NBCナイトリーニュース」や「ドクター・オズ・ショー」「ザ・ドクターズ」などのテレビ番組に出演、「ウォールストリートジャーナル」紙で紹介されるなど幅広く活動している。講演者としても人気を博し、ニューヨーク科学アカデミーや、ワイルコーネル医療センターなど権威ある学術機関に講師として招かれた。また、スウェーデンのストックホルムで開催されたバイオハッカーサミットでも講演を行った。2005年から2011年まで、アル・ゴアの「カレントTV」のジャーナリストを務める。主にニューヨークとロサンゼルスを拠点に活動を続けている。
▶︎ポール・グレワル 内科医
食生活とライフスタイルという視点から減量や代謝機能、不老長寿のための医療を実践し、講演も行っている内科医。彼自身45キロ近い減量に成功し、その体重を維持している。大きな誇りと情熱を持ちながら、患者が健康に生きるために楽しく続けられる、万人に適用できる療法を探る。ジョンズ・ホプキンズ大学で細胞・分子神経科学の学士号を取得。ラトガース大学メディカル・スクールで医学を学び、ノース・ショア・ロング・アイランド・ジューイッシュ・ホスピタルで研修課程を修了。MyMDメディカルグループを創設し、ニューヨークシティで開業、金融会社や健康管理会社のメディカルアドバイザーを務めている。

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