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⚠️ 「日本企業に半導体を売りたいか」“買い負け”真の敗因を関係者がこっそり吐露 202301

2023-01-27 03:09:00 | 気になる モノ・コト

「日本企業に半導体を売りたいか」“買い負け”真の敗因を関係者がこっそり吐露
   ダイヤモンドonline  230127 より  坂口孝則


 日本企業の半導体不足はいったい何が原因なのか。半導体関係者の数十人に、日本が「買い負け」した理由について質問してきた。
 話を聞けば聞くほど、単純な理由に集約できた。かつその理由は、日本企業が抱える慢性的な課題というか、克服し難い理由のように思われた。(未来調達研究所 経営コンサルタント 坂口孝則)

⚫︎自動車各社の半導体不足問題が続く
  日本の半導体不足、真の原因は?
 トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」が、半導体不足の影響で受注を制限せざるを得ない状況が続いているそうだ。また、ホンダは埼玉県の寄居工場で減産し、ダイハツ工業は滋賀工場の稼働を一時停止するという。どちらも半導体不足が理由だ。

「半導体不足」という言葉を見聞きするようになって久しいが、2023年に入ってもなお、日本の製造業が半導体不足に苦労していることは、ある種のショックである。
 パソコンや携帯電話への半導体供給は緩和したといわれている一方、複数の自動車メーカーが生産を減少させるなど、いまだ影響は甚大だ。

 もっと不幸なのは、中小・零細企業だ。大企業ではないため、ほとんど報じられていないが、中小・零細企業もまた、半導体入手困難が長く続いている。自動車関連をはじめ、その他の産業もまだ慢性的な不足といえる。

 筆者はサプライチェーンの現場でコンサルティングに従業しており、肌感覚でいえば、供給は改善してきている。しかし、それは例えればマイナス100がマイナス60くらいに向上しただけであって、平時に比べるとまだまだ悪い。この1年ほど、日本企業の半導体不足はいったい何が原因なのか、ずっと考えてきた。

 もっとも、世界中の企業が半導体不足だったわけで、日本「だけ」の問題ではない。ただ、日本以外の国の企業は、日本よりもまだマシだと感じるのだ。

 この疑問を解消しようと、半導体関係者の数十人にヒアリングを重ねた。製造業の調達・サプライチェーン担当者や統括役員だけではなく、半導体商社や半導体メーカーなどに、日本が「買い負け」した理由について質問してきた。

 調達できなかった側は、「半導体商社が悪かった」と語る。「動きが遅かったので半導体を供給してくれなかった」と。それも一理あるだろう。しかし、半導体商社側からすると、違った事実が見えるという。

 本来であれば、経済安全保障や地政学といった高尚な理由をここに書きたかった。ところが、半導体関係者から話を聞けば聞くほど、単純な理由に集約できた。かつその理由は、日本企業が抱える慢性的な課題というか、克服し難い理由のように思われた。

⚫︎日本が半導体を「買い負け」した理由
  もはや日本企業病とでもいうべき3つの課題
 関係者のコメントを総合すると、原因は次の通りだ。

▶︎理由その1 決断がとにかく遅い
 半導体が逼迫(ひっぱく)しようとしていた時、「2カ月以内に1年分の確定発注をお願いします」と半導体各社は(場合によって商社を通じて)客先に依頼した。

 しかし、日本の客の反応は鈍かった。「なぜ1年分の発注を確定しなければならないのか」「数カ月先の数量もわからないのに、1年先なんて予想できない……」。これらが日本の客の素直な反応だ。しかし、世界中で半導体の“奪い合い”が起きている状態においては、決定的に遅かった。

「2カ月以内」といっても、半導体各社には世界中から早々にオーダーが入っていた。その間に日本企業内では、担当者が稟議書を書き、中間管理職、部長、役員……と無数の承認を得ていた。そして、それぞれのプロセスでは誰も責任を取らないで済むように、細かな質問が相次いでいた。担当者がそれに対応するために、半導体各社(か半導体商社)に質問を送って、その返答を待つ間も、時間は刻々と過ぎていった。

 2カ月ギリギリのうちに返答した日本企業もあったが、それでも、アロケーション(配分比率)が決まった後だった。つまり、トップダウンで半導体の確保に動いた他国企業が確保した後だった。

▶︎理由その2 日本は「客」としての魅力が下がっていることを理解していない
 これは半導体メーカーや半導体商社からは言いにくいことだが、日本の売り先としての魅力が劇的に下がっている。つまり、彼らからすると、日本企業に売りたいインセンティブが働きにくい。

 かつて日本は製造大国で、半導体購入量は世界随一であり、経済成長は右肩上がりだった。しかし今では中国をはじめとするアジア各国が力をつけている。必然的に日本の相対的なシェアは下がる。外資系半導体メーカーの日本支社もあるが、本国への発言力は極めて小さくなっている。さらに日本は少子高齢化と経済成長の停滞で、今後の購入量が増えるとは考えにくい。

 そこで複数の関係者から出てきたのが、「相見積もりが日本を弱くしているのではないか」という懸念だった。複数の企業から価格を調査し、最も価格競争力のある企業に発注することは日本に限らず、どの国でもやっている。しかし、日本では相見積もりを徹底するあまり、弊害が出ているという。

 相見積もりとは、言葉を換えれば、他社と他社を比較することで自らは責任を負わない仕組みでもある。見積書を比べて、A社100円、B社90円、C社80円だったので、80円の企業に発注を決める。本当はA社に価格以外の価値や重要なポイントがあるかもしれないが、少なくとも価格で決めれば責任は負わずに済む。

 もちろん、A社・B社・C社のどこでも品質や付加価値が変わらない場合は相見積もりで決めていい。しかし、日本企業はもっと、価格以外の価値を自ら見極める必要があるのではないか。なぜなら全体の購入量が減っている日本は、モノを“売ってもらう”立場である。相見積もりで取引先の機嫌を損ねることなく、まっすぐに交渉したほうがいい(どうせ相見積もりする前から、希望調達先は決まっているのだから……)。

⚫︎日本企業の「何でも聞く聞く病」
  とにかく過剰なサービスを求めがち
 
理由その3 とにかく過剰なサービスを求める
 話がそれるが、23年10月からインボイス制度が開始される。これに伴って、筆者が所属する会社に、適格請求書発行事業者登録における登録番号を質問してくる人が非常に多い。筆者からすると、どうしてだろうか?と思う。

 法人番号は「法人番号公表サイト」ですぐにわかる。さらに「適格請求書発行事業者公表サイト」で検索できる。何もわざわざ質問し、回答を待つ必要はない。筆者自身も、聞かれたら上記のサイトからコピー・アンド・ペーストしている。

 何を言いたいかというと、日本企業の「何でも聞く聞く病」についてだ。半導体関係者によると、製品の仕様や使用法、データシートなどは半導体メーカーのホームページに明記されているにもかかわらず、日本の客からは個別の問い合わせが相次ぐという。
 さらに、半導体の不良時には、詳細なレポートを要求される。それが本当に半導体の不良なら仕方ないが、半導体の不良“可能性”でも、品質管理部門から次々と質問攻めにされる……。

「言いにくいんですが…」と前置きして、某メーカー関係者がこっそり話をしてくれた。「決断プロセスが遅く、購入量も減少しているのに、それに気づかない挙げ句さらに過剰なサービスを要求する日本企業があるとします。他国の企業と比べて、日本企業に『売りたい』と考える半導体メーカーがどれだけあるでしょうか…?」。

 半導体不足は、世界的な需要と供給のバランスが崩れたことに第一の理由がある。しかし、とりわけ日本企業が入手できなかった背後には、かなり根深い原因が横たわっていると思えて仕方ない。

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