1年間の無病息災を願おう! 京都三奇祭のひとつ「やすらい祭」【京都市北区】
きょうとくらす より 240330
古都として知られ、長い歴史と文化的な重要性を持つ、京都。長きにわたって日本の文化の中心地として栄えた京都にはたくさんの風物詩があります。
京都の風物詩をご紹介する『きょうとの風物詩とくらす』。
今回は、毎年4月第2日曜日に行われる『やすらい祭』をご紹介します。
⚫︎国の重要無形民俗文化財「やすらい祭」とは?:今宮神社
『やすらい祭』とは『鞍馬の火祭』『太秦の牛祭』と並ぶ京都三奇祭のひとつ。
国の重要無形民俗文化財に指定されている民俗行事で、“やすらい花”とも呼ばれ、桜の散る頃に疫病を鎮め平安を願う花鎮め(はなしずめ)の祭礼です。
『練り衆』と呼ばれる行列が地域を練り歩きながら、桜や椿などで飾った花傘に疫神を集めて周り、摂社疫社に封じ込めるのだそう。その起源は平安時代とも伝えられています。
京都では数カ所の神社で実施されていますが、中でも陽春開花絢爛の4月第2日曜日に行われる今宮神社が有名。
祭礼日には、練り衆と呼ばれる20名ほどの行列が街を練り歩きながら今宮神社に向かいます。
⚫︎今宮神社の「やすらい祭」
今宮神社の『やすらい祭』は現在、2つの地区から行列がやってきて、やすらい踊りが奉納されます。
11時過ぎに『光念寺』を出発する『上野やすらい』と、『川上大神宮社』を出発する『川上やすらい』です。
いずれも赤い衣装をまとった鬼たちが赤や黒の長い髪を激しく振り回しながら、町を練り歩きます。
春の陽気にあおられ飛散するといわれる疫神を、“やすらい花や”の声に合わせた囃子や太鼓、歌舞によって追い立てて花傘へと誘いつつ、今宮神社を目指します。
祭の中心である180cmほどの“花傘”は“風流傘(ふりゅうがさ)”とも言い、この傘の中に入ると厄を逃れて1年間健康に過ごせると伝わります。このため、参拝者が傘の下に入って無病息災を願おうと大いに盛り上がります。
子鬼や大鬼たちが今宮神社に到着するのは14時頃。
奉幣神事を斎行し、境内にてやすらい踊りを奉納します。大鬼たちが大きな輪になり“やすらい花や”の声に合わせ安寧の願いを込めて踊ります。
地区ごとにやすらい踊りが異なるため、2つのやすらい踊りを見比べてみるのも楽しみのひとつですよ。
長い髪で顔が隠れた大鬼もいて、激しく飛び跳ね踊る姿に思わず泣きだす子どもも。京都でしか見られない『やすらい祭』に足を運んで、1年間の無病息災を願ってみてはいかがでしょうか?
【詳細情報】
今宮神社「やすらい祭」
開催期間:2024年4月14日(日)
開催場所:京都府京都市北区紫野今宮町21
電話番号:075-491-0082(9:00~17:00)
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文/きょうとくらす編集部