goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

🎓 生物としての寿命は55歳 長寿になりすぎたヒトを襲うリスクとは  210511

2021-05-11 21:32:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

生物としての寿命は55歳!長寿になりすぎたヒトを襲うリスクとは 私達が老化しなければならない深い理由
  現代ビジネス より 210511  小林 武彦

 多くの現代人は老化によって死を迎える。なぜ、どのようして私たちの体は老いていくのだろうか。
 老化は避けられないものだが、戦後、日本人の寿命は延び続け、現在は80歳を超えている。これは生物学的には「想定外」のことなのだという。一体、どういうことか。
生物学の視点から「私たちが死ななければならない理由」を解説し、新しい死生観を提示する、生物学者・小林武彦氏による現代新書の最新刊『生物はなぜ死ぬのか』から、その一部をお届けする。

⚫︎「死」は進化によって獲得された
 現代人の死に方は、アクシデントで死ぬ、あるいは昆虫や魚のようにプログラムされた寿命できっちり死ぬのとは違い、「老化」の過程で死にます。

 老化は細胞レベルで起こる不可逆的、つまり後戻りできない「生理現象」で、細胞の機能が徐々に低下し、分裂しなくなり、やがて死に至ります。細胞の機能の低下や異常は、がんをはじめさまざまな病気を引き起こし、表面上はこれらの病気により死ぬ場合が多いのですが、大元の原因は免疫細胞の老化による免疫力の低下や、組織の細胞の機能不全によるものです。

 それでは、ヒトの寿命を決める「老化」とは一体なんなのでしょうか。この本でこれまでお話ししてきたように、「進化が生き物を作った」という視点に立つと、「死」も進化によって選択されてきたものなのでしょう。

 それであれば、死に至る過程である老化にも意味があるのではないでしょうか。そもそも、なぜ老化があるのでしょうか?

⚫︎細胞は約50回分裂すると死ぬ
 多細胞生物であるヒトを例に、生まれるところから老化して亡くなるまでを見てみましょう。
 多細胞生物も元は1つの細胞(受精卵)から始まります。これが何度も分裂して、細胞の数を増やしていきます。細胞分裂でもっとも重要なイベントは、DNAの複製です。

 DNAは生物の遺伝情報である遺伝子の本体、つまり設計図の描かれている「紙」に相当します。そして生き物1つ分の全遺伝情報を「ゲノム」と言います。特に発生の初期段階では、これから体の全てを作っていくわけですから、設計図を正確にコピーしていかないといけません。

 細胞分裂を重ねて細胞の数が増えてくると、それぞれの細胞が違う役割を持つようになり、体を形作っていきます。これが細胞の「分化」です。組織そして器官が形成されていく過程で、ざっくり3種類の細胞に分かれます。

 1つ目は、組織や器官を構成する細胞(体細胞)です。これが数としては一番多いですが、細胞が分裂するたびに老化して、やがて失われていきます。ヒトの体細胞は約50回分裂すると分裂をやめてしまい、やがて死んでいきます。

 そのままだと細胞の数が減ってしまい組織が維持できないので、それらの失われた細胞を供給する「幹細胞」があります。これが2つ目の種類の細胞です。例えば皮膚の幹細胞は表皮の下の真皮に存在し、新しい皮膚の細胞を供給し続けます。
そのため、毎日お風呂に入って体をゴシゴシ洗って垢として古い細胞を取り除いても、腕が細くなったりはしないのです。このような細胞の老化、そして新しい細胞との入れ替えは、赤ちゃんでも起こっています。

 最後、3つ目の細胞は、卵や精子を作る生殖系列の細胞です。幹細胞と生殖細胞は生涯生き続けますが、ゆっくりと老化します。
 生殖細胞の老化は、受精効率、発生確率を低下させます。幹細胞の老化は新しい細胞の供給が悪くなるので、全身の機能に影響が出ます。歳をとるとケガが治りにくくなったり、感染症にかかりやすくなったり、腎臓、肝臓などの内臓の機能が低下する一因となっています。つまり幹細胞の老化が、個体の老化の主な原因の一つとなっています。

⚫︎体の細胞は4ヵ月で入れ替わる
 受精卵が分裂し分化して器官の形成が進んでいき、体が完成すると、後はひたすら古い細胞と新しい細胞の入れ替えを繰り返します。入れ替えの周期は、組織によって異なります。一番短いのは腸管内部の表面のヒダヒダにある上皮細胞で、数日で入れ替わります。皮膚が4週間、血液が4ヵ月、一番長いのは骨の細胞で4年で全てが入れ替わります。
 ですので、ヒトの体の細胞は4年でほとんど新しいものと入れ替わり「別人」となってしまうわけです――というのは言い過ぎで、徐々に老化した細胞から順番に入れ替わるので、姿形が変化することはありません。
 加えて、体細胞でも例外的に入れ替えをしない組織もあります。それは心筋と神経細胞です。心臓を動かす心筋細胞は、生まれてから太く大きくなることはあっても数が増えることはありません。脳や脊髄を中枢とし全身に信号を送る神経細胞は幼少期が一番多く、その後は基本的に減っていくばかりです。もし脳の神経細胞が入れ替わったら、記憶が維持できなくなり、おおごとですね。心(心臓と脳)は生涯ずっと変わらないのです!
 心筋細胞は入れ替わらない
 心臓と脳は傷ついたらそれきりですが、他の組織は幹細胞が新しい細胞を作るので、いつも若々しく維持できます。しかし実際には、加齢に伴い機能が徐々に低下していきます。

 その理由の一つは幹細胞の老化です。新しい細胞を供給するとき、幹細胞は、2つに分裂して一つは幹細胞、もう一つが皮膚の細胞を作ります。皮膚の細胞はまた2つに分裂して今度は2つの皮膚の細胞を作りますが、幹細胞に戻ることはありません。幹細胞は基本的にはいつも一定量維持されています。
 しかし、加齢とともに幹細胞も老化します。老化した幹細胞は、分裂能力が低下して十分な細胞を供給できなくなります。一番影響が出るのは、新しい細胞を大量に必要とする血液や免疫細胞を作る造血幹細胞などです。免疫に関わる細胞の生産が低下すると、感染した細胞や異常細胞の除去ができにくくなります。

⚫︎老化細胞は”毒”をばらまく
 もう一つ、加齢による組織の機能低下の原因は、老化した体細胞がばらまく“毒”です。
組織の細胞の入れ替えのためには、新しい細胞の供給に加えて、老化した古い細胞の除去が必要です。老化細胞の除去には、

(1)細胞自身が「アポトーシス」という細胞死を起こして内部から分解して壊れる (2)免疫細胞によって食べられて除去されるの2通りありますが、加齢した個体の老化細胞はこのような除去が起こりにくく、そのまま組織にとどまる傾向があります。

 この老化した残留細胞が厄介で、周りにサイトカインという物質を撒き散らします。本来サイトカインは、傷ついたり、細菌に感染された細胞が、それらを排除するために炎症反応を誘導し免疫機構を活性化させる働きがあります。

 しかし、組織の老化細胞から放出された場合には、炎症反応を持続的に引き起こし、その結果臓器の機能を低下させ、糖尿病、動脈硬化、がんなどの原因となることが知られています。

⚫︎55歳からがんのリスクが急増するワケ
 さて、老化した細胞が組織で悪さをすることはわかりました。それでは、そもそもなぜ加齢に伴って細胞老化が起こるのでしょうか?
 ここで、この本の重要な視点となる「進化が生き物を作った」に立ち返ってみましょう。老化という性質を持った個体が選択されて生き残ってきた、と考えると、この細胞を捨てるような無駄な行為にも意味があるはずです。

 実はこの「老化の意味」はいくつか考えられます。ここでは一般的な説から紹介いたしましょう。
 もし細胞が老化して死なないとどうなるか、想像してみます。細胞の入れ替わりが起こらないので、どんどん古い細胞が溜まっていくことになります。そして時間とともに細胞の中身の構成成分は劣化していきます。
 例えば、細胞が生きていく上ではエネルギーを作らないといけません。具体的には細胞内でミトコンドリアが酸素呼吸を行い、糖を「燃やして」エネルギーを作り出す作業です。

 このときに副産物として必ず酸化力の強い「活性酸素」が生じます。リンパ球が細菌などの侵入者を殺菌、分解する際に、活性酸素を利用するなど、有効な使われ方もしますが、活性酸素には、細胞の構成成分(タンパク質、核酸、脂質)を酸化、つまり錆びさせてダメにする副作用もあります。
 もちろんこのような錆を取り除く機能も細胞にはありますが、その機能自身も徐々に錆び付いてくるので、細胞の機能は時間とともに少しずつ低下してきます。
 ここで厄介なのは、機能が低下した細胞がそのまま静かに停止したまま死んでくれればいいのですが、中には異常になってしまうものも現れます。

 一番困るのはがん化です。ヒトの体には約37兆個の細胞があり、そのうち一つでもがん細胞が生き残り、そのまま増殖を続けると、その個体が死んでしまう――つまり他の全ての細胞が死んでしまうことがあるのはご存じの通りです。

 このがん化は、多細胞生物の持つ最大のリスクであり、宿命と言ってもいいかもしれません。ちなみに単細胞生物では、異常になってもその細胞1つだけが死んでおしまいです。

 がんはゲノムの変異で起こります。ゲノムの変異は、DNA合成酵素のミスなどによって分裂のたびに蓄積していきます。そのうちに細胞増殖のコントロールに関わる遺伝子が壊れると、制御不能になってどんどん細胞が増殖し、がん化することは容易に想像できます。

 これは確率の問題で、変異が溜まれば溜まるほど、がん化の確率は確実に上がってきます。本書でも述べたように、ヒトの場合には55歳くらいから、がんによる死亡率が急激に上昇するのはそのためです。

⚫︎がん化のリスクを避ける2つの機能
 生物は多細胞化の進化の過程で、がん化のリスクを最小限にすべく全細胞のクオリティコントロール(品質管理)の機能を獲得しました。つまり、そういう機能を持った生物が選択されて生き残りました。その機能は2つのメカニズムに支えられています。一つが免疫機構で、もう一つが細胞老化機構です。

 免疫機構は外部からの細菌やウイルスなどの侵入者のみならず、老化した細胞やがん細胞など異常細胞も攻撃し、排除する働きがあります。これらの異常細胞が放出するシグナル因子は、マクロファージやT細胞などの免疫細胞を活性化させて、自分を攻撃して食べてくれるように促し、やがてそれらによって排除されます。これは正常な生理作用であり、私たちの体の中で常に起こっている反応です。

 ただ免疫細胞が全ての異常細胞を綺麗に取り除いてくれるわけではなく、厄介なのはがん細胞です。がん細胞には変異によって正常な細胞のふりをして、免疫細胞を抑える働き(免疫チェックポイント)を持ち、攻撃を回避するものがいます。

 免疫チェックポイントとして有名なのはがん細胞の表面に存在するPD‒L1というタンパク質です。PD‒L1を持つがん細胞に免疫細胞(T細胞)がくっつくと、がん細胞と認識されず、攻撃を受けません。そのためがん細胞はどんどん増殖します。

 そこでこの性質を逆に利用して開発された抗がん剤が、「免疫チェックポイント阻害剤」という新しい薬です。具体的には、PD‒L1やそれと結合する免疫細胞(T細胞)のPD‒1を認識する抗体です。

 これらの抗体は免疫チェックポイントを阻害し、T細胞を活性化することでがん細胞を攻撃します。PD‒L1を発現しているがんには有効です。京都大学の本庶佑博士は免疫チェックポイント阻害剤を利用した「がん免疫療法」の開発によって2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

 もう一つの多細胞生物の細胞の品質管理機構は、「細胞の老化」です。免疫機構は異常な細胞を探し回り、見つけて排除しますが、細胞老化は、一定回数の分裂後に老化を誘導して、無制限に細胞が分裂するのを防ぐ役割があります。

 つまり細胞老化には、活性酸素や変異の蓄積により異常になりそうな細胞を異常になる前にあらかじめ排除し、新しい細胞と入れ替えるという非常に重要な働きがあるのです。これによって、がん化のリスクを抑えているのです。

⚫︎ヒトは想定を超えて長生きになってしまった
 ヒトは老化によって引き起こされる病気で死ぬようになったということをお話ししてきました。

 これまでの内容をまとめると、細胞が分裂を繰り返すとゲノムに変異が蓄積し、がん化のリスクが上がります。これを避けるため、免疫機構や老化の仕組みを獲得して、細胞の入れ替えが可能になりました。

 これで若いときのがん化はかなり抑えられますが、それでも55歳くらいが限界で、その年齢くらいからゲノムの傷の蓄積量が限界値を超え始めます。異常な細胞の発生数が急増し、それを抑える機能を超え始めるのです。そこからは病気との闘いとなります。

 別の言い方をすれば、進化で獲得した想定(55歳)をはるかに超えて、ヒトは長生きになってしまったのです。

 老化のメカニズムは全て解明されたわけではありませんが、幹細胞は、DNAに傷がつくことで老化が促され、結果として個体を死に導いているようです。ヒト早期老化症についても紹介しましたが、こうした疾患も、ヒトの多様性という意味で生き残ってきた性質と考えることも可能です。

 老化が死を引き起こすというのは、生き物の中でも特にヒトに特徴的ですが、「進化が生き物を作った」とすれば、老化もまた、ヒトが長い歴史の中で「生きるために獲得してきたもの」と言えるのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

🚶‍♀️…下居台…東山公園…太陽ヶ丘…白川地区… 210511

2021-05-11 21:05:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…右岸堤防道…宇治橋…平等院表参道…平等院沿…網代の道…宇治塔川…善法地区…下居台第3公園👀…宇治図書館前…東山公園…下居台第1公園…太陽ヶ丘🔁…白川峠…白川地区…白川浜…左岸路…網代の道…喜撰橋…塔の島:橘島…朝霧橋…朝霧通…右岸堤防道…>
🚶‍♀️16136歩37F

⛅️:風がやや強い:淀んだ空
 平等院界隈以外はほぼ無人
  図書館,資料館共に5末迄休館…

夕方)🚙〜Frマート

😊梅🧴:東山公園にて👀
  白川地区茶業研分岐でも。
💊花粉症薬:今年は今日迄。



図書館前モニュメント:窓:より👀

太陽ヶ丘から北

同:競技場


[地震]
11日午後3時8分頃、大阪府北部を震源とする地震があり、
京都府,大阪府,奈良県で最大震度2の揺れを観測。
マグニチュードは3・7
震源の深さは10キロ、


👄1万人の第九2020 抱き合おう 世界中の人々よ
 第九と言えば年末の風物詩 そして1万人の第九は37年間続くナニワの合唱コンサート
 2020年はコロナ禍で無観客!でもリモートで1万1961人の第九合唱!
  悪条件の中,指揮者佐渡裕氏とそのスタッフの方々の努力や参加者の頑張りを
   ダイジェストで見た! 涙が出てきそうなくらい感動した!
 今まで1万の第九、ただ頑張ってるイベントとして知ってはいたけど…今回だけは…
  記念保存映像! 
   
  こういうのを見てると、政府行政の怠慢が腹立たしい、
   去年一年何をした?防疫に失敗し,ワクチン開発注力せず 日本の政治は
    事勿れの無作為無責任集団化。嘆かわしい限り
   マスゴミやし、スキャンダル追求でなく、まず人命優先の施策を
     しっかりして 言葉にしたら余計腹たって… 溜息…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする