秋の京都は「紅葉×世界遺産」がいい!「ライトアップ」を制するための5つのポイントとは?
AERA.dot より 240823
日没を迎えて明かりが灯されると、闇夜に浮かび上がる紅葉。それは昼間とはひと味違う雅やかな京都の紅葉美だ。
日没を迎えて明かりが灯されると、闇夜に浮かび上がる紅葉。それは昼間とはひと味違う雅やかな京都の紅葉美だ。
8月6日に発売されたばかりのASAHI ORIGINAL 紅葉ガイド特別保存版「秋の京都2024」は、ライトアップが生み出す紅葉と光の世界を堪能できる王道名所や穴場を特集している。本の発売を記念して、世界遺産にも登録されている王道名所4カ所と、夜の紅葉を制するためのポイントをオンラインでも配信したい。
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■平等院
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■平等院
宇治は平安貴族たちがこぞって別邸を建てた景勝地。平等院はその宇治の地に1052(永承7)年、関白・藤原頼通が父・藤原道長の別荘だった宇治殿を寺に改めたのが始まりとされる。極楽浄土を思わせる鳳凰堂と阿字池の、錦秋の美は格別だ。
夜間特別拝観では、鳳凰堂を中心に庭園がライトアップされ、境内の約200本もの紅葉が明るく輝く。阿字池の水面に鳳凰堂と紅葉が映り込み、風がない日は鏡のように完璧なリフレクションが見られることもある。
Best View Timeは午後7時から8時。以前は午後6時の開門に合わせて多くの人が詰めかけ混雑していたが、ここ数年は事前申込制になり、比較的ゆっくりと拝観できる。
■東寺(教王護国寺)
【東寺(教王護国寺)】秋の夜間特別拝観は10月26日から12月8日。受け付け開始は午後6時、受け付け終了は午後9時。完全入替制で、料金は1000円/
東寺(教王護国寺)は、平安京造営の際、羅城門の東に建立された国家鎮護の寺院。嵯峨天皇に託され、弘法大師・空海が指揮を執り造営されたこの寺は、唯一残る平安京の遺構。国宝・五重塔は1644(寛永21)年の再建だが、現存する木造建築で日本一の高さを誇る。密教の教えを空海が表した講堂の立体曼荼羅(まんだら)も壮観だ。
秋には200本もの紅葉と境内がライトアップされ、国宝の五重塔や金堂、講堂がまばゆく照らされる。瓢箪(ひょうたん)池の水面に浮かぶ紅葉と五重塔の美しさは必見だ。
Best View Timeは、午後8時半から9時。開門前から行列ができる人気スポット。京都駅から徒歩圏内なので、受け付け終了間際にさっと立ち寄るのがいい。
■清水寺
【清水寺】秋の夜間特別拝観は11月18日から30日。受け付け開始は午後5時30分、受け付け終了は午後9時。料金は500円
奈良時代後期、延鎮上人が夢のお告げに導かれて草庵を結んだのが始まりと伝わる古寺。観音霊場として栄え、枕草子や源氏物語にもその名が記されている。本尊の十一面千手観音立像を祀る国宝の本堂と、下に広がる渓谷・錦雲渓に突き出すように立つ舞台は、2020年冬、檜皮(ひわだ)屋根の葺き替えと床板の張り替え工事が終了。新しい檜(ひのき)の舞台と寝殿造り風の優美な本堂が映える。
錦雲渓に雲海のように広がる紅葉が、光に照らされる光景は圧巻。本堂のほか、三重塔や開山堂もライトアップされる。舞台からは京都市街も見え、青い光が彩る夜景は京都の新たな風物詩となっている。拝観順路の最奥にあたる奥の院まで足を延ばせば、赤く色づくモミジと名建築の取り合わせの全貌が堪能できる。
Best View Timeは午後8時から9時。例年、大混雑の人気スポットだが、受け付け終了間際を狙って訪れ閉門まで見学すると、比較的人が少なく、見やすいことが多い。
■元離宮二条城
【元離宮二条城】秋の夜間特別拝観は10月下旬から12月下旬。受け付け開始は午後6時、受け付け終了は午後10時の予定
京都で唯一の世界遺産の城。1603(慶長8)年に徳川家康が築城し、後水尾天皇行幸や大政奉還などの舞台となった。国宝建築や華麗な障壁画のほか、小堀遠州改修の二の丸庭園、明治天皇の命で洋風に再生した本丸庭園などが見どころだ。
紅葉の時期は、重文の唐門、国宝の二の丸御殿などがライトアップされ、プロジェクションマッピングが色彩鮮やかな世界観を形作る。清流園の紅葉も美しい。
Best View Timeは午後7時半から8時半。開場直後は混雑するので、少し後に行くのがおすすめ。最終入場間際の21時前も狙い目だ。
■夜の紅葉を制するための5つのポイント
【昼夜入れ替えに注意】夕方に一度閉門し、ライトアップに合わせて改めて開門するところが多い。夜は別途拝観料が必要。
【混雑回避には遅めが◎】 混雑を避けて紅葉を楽しむには、ピークを避け、閉門時間前など遅めの時間帯に訪れるのがよい。
【きれいに撮るなら夕方】 美しい紅葉をさらにきれいに撮れる時間帯は夕方。夕日に染まり雰囲気の増したところが狙い目。
【寒さ対策は万全に】 三方を山に囲まれた京都は寒暖差が激しく、夜は冷え込むこともある。快適な拝観のためには、上着の準備も必要だ。
【予約の事前確認を】 夜間拝観やライトアップは人気があるだけに、予約制のスポットも増加中。「事前の確認」は快適に紅葉を楽しむために必須の準備だ。
(構成 生活・文化編集部)