中国語学習者のブログ

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詞の分類から見る中国語文法(3):虚詞の分類と特徴

2010年09月12日 | 中国語
 前回まで、二回に分けて、詞の文法上の機能分類の中で、単独で構文成分に当てることのできる、実詞について見てきました。今回は、単独で構文成分に当てることのできない、虚詞について、その機能と、種類について見ていきたいと思います。

                    虚詞の機能と類別

 中国語の詞は欧米言語のような形態変化が無く、多くの文法上の意味は、虚詞により表現される。虚詞は詞の形態変化に比べ、その用法はそれほど固定されていない。“工人和農民”は、“工人農民”と言うこともでき、ここでの“和”はあっても無くてもよいかのようである。“我們已経発表了意見了”の一番目の“了”を削除しても、意味は変わらない。これを見ると、人々は、中国語の虚詞の使用は弾力性があり、使うかどうかは文法構造上の必要から決められているのではなく、修辞上の選択に基づくのだと思いがちである。しかし実際は、中国語の虚詞の用法は、弾力性のある面もあるが、固定的な面もある。文法面から、主に後者の状況について説明したい。例えば、“工廠、商店和農場、牧場”と言う時の“和”にはグループを分ける機能があり、決して有っても無くてもよいのではない。また、“吃了飯開会”と言う時の“了”は省略することができない。“了”を省くと、文の構造が変わってしまい、別の意味になってしまう。

 虚詞の数量はあまり多くないが、使われる頻度はたいへん多い。虚詞を掌握し使用するには、各種の虚詞の文法上の特徴を理解しなければならない。それらとどの実詞(詞組を含む)につながりが発生し、どのようなつながりが発生したのか。この他、虚詞一つ一つの具体的な用法を理解しなければならない。

 虚詞の基本的な機能は接続と付着であり、接続されたり付着されるのは各種の実詞や詞組である。虚詞と実詞の間の関係の違いにより、下記のような区分ができる。

(一)接続詞(連詞)
 接続詞(連詞)の機能は接続である。接続する成分から見ると、あるものは詞や詞組、あるものは文(分句:クローズ)である。接続の方式から見ると、あるものは連合関係(結合関係)、あるものは偏正関係(修飾関係)にある。どの連詞も必ず一定の成分と接続し、一定の関係を表す。下記は、通常見かけるものを表にしたものである。

 A:和、跟、同、与、及、    詞、或いは詞組の接続     B:而 ①
   而、并、或、或者   ―――――――――――――― 
            
      連合関係                                 偏正関係
      を表す                                    を表す 

 C:不但……而且                                     D:因為……所以
   或者……或者     ――――――――――――――     雖然……但是
   与其……不如               文の接続         如果、即使、除非

  注①:ここの“而”は“而且”の意味ではなく、A組の“而”とは異なる。またいくつかの“而”は文(分句)を接続するが、それは“反而”(C組に属す)、或いは“然而”(D組に属す)の簡略形式である。

 上の表から次のことがわかる:A組とC組は異なり、B組とD組は異なる。これらの接続の成分は異なる。A組とB組は異なり、C組とD組は異なる。これらの表す関係は異なるものとして区別される。例えば、A組の“和”は、“李白和杜甫”というように使い、接続するのは二つの名詞である。また、“目前的形勢和我們的任務”というように使え、接続するのは二つの詞組である。表しているのは結合関係(連合関係)である。D組の“因為……所以”は、“因為天気冷,所以河水結了冰”のように使い、接続する二つの文の間には、修飾関係(偏正関係)がある。同じ接続詞でも、複数のグループに属するものがある。例えば、“聡明而勇敢”の“而”はA組に属し、“為推広普通話而努力”の“而”はB組に属す。

 同じグループの接続詞でも、用法上の違いがある。A組を例に取ると、“和”、“跟”、“同”、“与”、“及”は一般に名詞を接続し、“并”、“并且”は一般に動詞を接続し、“而”、“而且”は一般に形容詞か動詞を接続する。“或”、“或者”は各種の詞を接続することができ、結合する成分の間に選択関係があることを表す。

 “和”、“跟”、“同”は、口語の色彩が濃く、“与”は、多少文言の色彩を帯び、通常、比較的鄭重な場面で使われる。“及”が接続する成分は並列関係であるが、表現する意味の上には軽重の区分がある。したがって、“××及其他”では“及”を用い、“和”は使わない。

 “而”は形容詞を接続する時は単純な結合を表す。例えば、“簡単而朴素”のように使う。動詞を接続する時は、前後の意味を含むことができる。例えば、“分而食之”、“一哄而散”のように使う。時には正反両面の意味を接続することがあり、“公而忘私”というように使う。“而”の動詞を接続する用法は、文言の様式のなごりである。

(二)介詞
 通常、見られる介詞には、次のようなものがある。
1.対象、範囲を表す。
   例:対、対于、関于、譲、教、比、同、給、為

2.根拠、よりどころを表す。
   例:在、根据、依照、凭、遵照

3.目的、手段、方式を表す。
   例:為、為了、為着、按照、以、通過

4.時間、場所を表す。
   例:自、自従、当、往、朝、沿、在、向、于、順着、沿着、由

 介詞には、以下の文法上の特徴がある。

1.単独で述語にならない。たとえ名詞を伴っても述語にならない。これは介詞の動詞と異なるところである。例えば、“去”は動詞であり、“我去北京”で文になる。“従”は介詞であり、“我従北京”では文にならない。必ず“我従北京来”などと言ってはじめて、文として完全になる。現代漢語の介詞は、大部分が古代の動詞が変化したもので、いくつかの詞は動詞と介詞の両方の機能を併せ持っている。例えば:

          動詞               介詞

  在:   他今天不在家。       我在黒板上写了几個字。
  為:   我為誰?為大家。      大家為此表示高興。
  比:   我們比比看。         你比我高。
  到:   火車到站了。         他到半夜才睡覚。

2.介詞は通常、名詞、代詞、動詞(主に名詞)の前に付き、介詞構造を形成する。 介詞構造の用途は、動詞或いは形容詞の修飾語を作ることである。例えば、“為人民服務”の中の“為人民”は介詞構造で、“服務”を修飾する。“通過鍛煉有了進歩”の中の“通過鍛煉”は介詞構造であり、“有了進歩”を修飾する。
 介詞構造が直接名詞を修飾することは比較的少ない。名詞を修飾する介詞構造の後ろには、助詞“的”を用いなければならない。例えば、“対于天体的認識”のように使う。

3.“在”、“向”、“于”、“到”、給、“自”等は直接、動詞或いはその他の詞語の後ろに付着し、この構造全体で、一つの動詞に相当する。
 例えば、“落在我們的肩上”、“好在大家都知道”、“走向勝利”、“習慣于這様做”、“勇于実践”、“走到目的地”、“献給人民”、“来自五大洲”がそうである。

(三)助詞
 助詞の共通の特徴は、詞や詞組に付着し、一定の付加的な意味を表す。助詞はたいてい軽声で発音する。

 “的”、“地”、“得”は構造助詞で、口語では“de”と発音する。
 “的”は詞や詞組の後ろに付着し、その前の詞や詞組が定語(限定語、連体修飾語)であることを表す。例えば、“人民的中国”、“推広普通話的経験”のように使う。
 “地”は詞や詞組の後ろに付着し、その前の詞や詞組が状語(状況語。連用修飾語)であることを表す。例えば、“迅速地前進”、“仔仔細細地調査”、“異乎尋常地熱烈”のように使う。
  “得”は動詞や形容詞の後ろに付着し、その後ろの詞や詞組が補語であることを表す。例えば、“干得起勁”、“説得清清楚楚”、“紅得十分可愛”のように使う。

 助詞の“的”は、また詞や詞組の後ろに付着し、それらと合わせて「“的”字構造」の名詞句を形成する。例えば:
   (1)岸上的田里,烏油油的便都是結実的羅漢豆。
   (2)触目的是一張旧照片,很不調和地和這些精致東西放在一起。

 “的”は結合詞句(“連合詞組”)の後ろに付着し、“等等”の意味を表す。例えば、“弄点糖儿豆儿的”、“買些文具什麼的”がそうである。

  “着”、“了”、“過”は時態助詞で、これらの主な機能は動詞の後ろに付着し、時態を表すことである。

 “着”は進行態を表し、動作が進行していることを指す。例えば、“他大声地説着話”。或いは、動作の結果が持続していることを指す。例えば、“屋里点着灯”。
  “了”は完成態を表し、動作が既に完了していることを指す。例えば、“他到了北京”。
  “過”は経験態を表す。例えば、“他到過北京”。

 この他にもいくつか助詞があり、例えば、“們”、“所”、“似的”、“来”、“把”、“初”、“第”などがある。

  “們”は通常、人を指す名詞(一般に二音節の名詞)の後ろに付着し、“群”の意味を表す。“群”は数量を計算できない、或いははっきりしない多数のことで、これと相対するのは、数量を数え、明確にした多数である。例えば、“同志們”と“×位同志”は相対する。したがって、“們”を使う時は、その前に定数を表す数詞や量詞を使うことができない。“全体同学們”と言うことはできるが、“三個学生們”と言うことはできない。“們”が人称代詞の後ろに付く時も、“群”の意味を表す。

  “所”は通常、動詞の前に付着し、「“所”字構造」を形成し、「“所”+動詞」で一つの名詞に相当する。例えば、“所見”、“所聞”。いくつかの「“所”字構造」は別の名詞の修飾にだけ用いられ、この名詞は意味の上では前の動詞の支配する対象である。例えば、“所読的書”、“所提的意見”がそうである。

  “似的”は通常、詞や詞組の後ろに付着し、この詞や詞組に描写させる作用を持つ。例えば、“花園似的城市”、“石頭似的站在那儿”、“那小孩象野馬似的”のように使う。

 助詞の“来”、“把”は通常、数詞や量詞の後ろに付着し、概数を表す。例えば、五里来路、二十来人、百来斤米、斤把米、千把人のように使う。“把”の前には、百、千などの数詞しか現れない。“十多個人”の“多”も助詞である。

 助詞の “第”は数詞、或いは数詞句(数詞詞組)の前に付着し、“初”は一から十までの数詞の前に付着し、それぞれ順番を表す。

(四)語気詞
   例: 的  了  嗎  呢  吧  啊
 語気詞の機能は、文全体の末尾に付着し、語気を表すことである。

(五)嘆詞(感嘆詞)
 嘆詞、つまり感嘆詞は、感嘆や応答を表す詞である。例えば、“唉”、“呀”、“喲”、“哎喲”、“喂”、“嗯”、“唔”がそうである。これらの詞の文の中での位置は、比較的融通が利くが、通常は他の実詞と特定のつながりが発生することはなく、一般の構文上の成分にもならないが、これらは単独で文になることもできるので、虚詞ではあるが、特殊な詞に分類される。

(六)象声詞(擬声語。擬音語)
 声や音に似せた詞である。例えば、“乒乓”(ping1pang1:爆竹を鳴らしたり、銃弾を発射する「パンパン」という音)、“嘩啦”(hua1la1:物が落ちる、「がらっ」という音。水が流れ落ちる、「ざあっ」という音。)、“叮当”(ding1dang1:金属や磁器がぶつかり合う、「ちりんちりん」という音)がそうである。

【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社1995年

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