雪卸し

　　　父に似て左利きなり雪卸す　　　稲葉　朱灯

あれよあれよという間にとうとう去年に続いての大雪になって
しまった。

近年屋根雪を卸すほどには降らなかったのに、二年連続とは
恐れ入ってしまった。

父の元気なときは毎年屋根雪下しをしたような気がするが、
懐かしがっているどころではない。

雪と格闘する亡き父の齢をはるかに超えてしまったが、
どうにか屋根雪を下すことができた。

ところがその姿がすべて父にそっくり似だと妻がいうので、
苦笑したものだ。


　　　12/11　Vol.　162