寄り添ひて故郷の山眠りけり 稲葉朱灯
四方を山に囲まれた住民3000人ほどの田舎の町に住んでいるのだが,何か不自由があるかといえばなにもない。生まれてこのかた80年暮らしているが、おおむね満足している。
というのも距離的には県庁所在地の市街地へ車で10分というところなので、何もこれといって困ったことがないからである。
降雪の意外に多い地域でもあるのだが、除雪対策がととのっていて 早朝7時ころにはメインの県道は除雪されていて、めったに日常生活に困ることがない。むしろ市街地のほうが混乱していることが多い。
今年は記録的な暖冬で、1月の20日ころまで全く雪の気配がなかった。むしろスキー場の困惑を思って同情的な気持ちでいたものだ。
ところが、20日すぎになって全国的に大寒波がきて、九州や沖縄まで雪の被害がでてしまった。
いま周りの山々はすっかり寄り添って深い眠りにはいっている。
1016/1/27 vol、250