時折に届く初音のありどころ 稲葉朱灯
例年より10日ほど早く桜の開花が予想されているが、このところまた異常な寒気がきて時ならぬ雪が積り、さくらの蕾もきっと戸惑っているにちがいない。
気象が変なら人の世も異常だ。世紀の不況が人間をあわてさせ、ミサイルの発射を予告してオドシをかける国まで現れて、不吉な予感が強くなってきた。
特にこの国の政治はどこかおかしい。世界中が大きな転換期に突入しているという現実を実感していない。それにくらべると自然界はまだマシのほうかも知れない。ウグイスの笹鳴きが遠くに聞こえてほほえましい。
09/03/28 Vol. 129