はいくでハイク

個人的な俳句日記です。

土筆

2008-03-29 10:17:29 | Weblog

 袴脱ぎやや疲れ見ゆつくしかな   朱灯

いつの間にか周りの土手が青み出した。すっかり春が来ていたのだ。日常のあわただしさについ気付かずにいるのだが、ちゃんと土筆も顔をそろえていた。

この歳になると、とりたてて土筆を眺めるということをしなくなったが、先日京都から従妹夫婦が子供をつれて来て近くを歩き回り、土筆をたくさん取ってきた。

それを見るとすっかり延びてしまった土筆が袴を脱ぎ捨てて、なんだかぐったりしているように見えた。つくしの坊やにはこの日差しがまぶすぎるのかもしれない。


08/03/29  Vol. 101



冬すみれ

2008-03-09 20:29:14 | Weblog

 せせらぎの音にふるへて冬菫   朱灯

春先のふと暖かい陽射しにさそわれて野道をゆくと、すでに色々な草花が待ちこがれたように芽を出し、花をつけ始めている。年甲斐もなく身がうきうきするする季節である。

日当たりのよい田圃のまわりの空き地に一株の菫を見つけた。登山などすると夏でも秋でも山菫を見ることが出来るが、もともと春の季語になっている。

今年初めて見る菫なのでこれは冬菫だと思った。近くにせせらぎがあってかすかな音がしていた。そのかすかな音に心なしか震えているように感じた。


08/03/09  Vol. 100