袴脱ぎやや疲れ見ゆつくしかな 朱灯
いつの間にか周りの土手が青み出した。すっかり春が来ていたのだ。日常のあわただしさについ気付かずにいるのだが、ちゃんと土筆も顔をそろえていた。
この歳になると、とりたてて土筆を眺めるということをしなくなったが、先日京都から従妹夫婦が子供をつれて来て近くを歩き回り、土筆をたくさん取ってきた。
それを見るとすっかり延びてしまった土筆が袴を脱ぎ捨てて、なんだかぐったりしているように見えた。つくしの坊やにはこの日差しがまぶすぎるのかもしれない。
08/03/29 Vol. 101