はいくでハイク

個人的な俳句日記です。

チューリップ

2006-05-28 11:02:20 | Weblog
 06/05/28  No.47

 吾に似ていびつは哀し牡丹百合   朱灯

まずしい我が家の花壇に遅咲きのチューリップが
咲いた。それがいかにも貧しげな花で、まるで自
分の姿を見ているようで情けないことこの上ない。

それもその筈球根を植え替えるでもなし、肥料を
やるでもなし、ほったらかしではこんなものだろう
と、チューリップさんには申し訳ない気持ちだ。

それでも渾身をこめて咲いてくれたのだから精一杯
大切にしてあげよう・・花がすんだら肥料もあげよ
う。今はそんな気持ちで眺めている。






御饌田(みけた)植え

2006-05-19 18:07:00 | Weblog
 06/05/19  No.46

 奉耕者名を奏上御饌田植ふ   稲葉朱灯

皇室の重要な行事のひとつに新嘗祭がある。その行事に
献上する五穀を、全国各県でそれぞれ奉耕者を選び米や
粟を神道にのっとり耕作をさせる。

選ばれた奉耕者は日取りをきめて、関係役人や親族を
招き、古式にのっとり厳かなお田植式を行う。
その田圃のことを 御饌田(みけた)という。

今年はこの地区からその名誉ある献上田の奉耕者が選ば
れ、5月18日皐月晴れの好日に約300名を超える人たちが
見守る中、荘厳な儀式を行った。





道の駅

2006-05-13 20:15:44 | Weblog
No.45 06.05.13




 生産者名大書きに初わらび   朱灯


思いがけない豪雪の後遺症で今春は野山の芽吹きや
さくらの開花などが例年より2週間ほど遅れた。
したがって独活や蕨などの山菜や筍などもやや遅れ
ぎみに出揃って来た。

ときどき覗くのだが三国の道の駅で旬の野菜を眺め
ていたら、太った蕨が出ていた。どの商品にも生産
者の名前を付けてあるのだが、この蕨には特に大き
な文字で採った人の名前が書いてあった。

さすがに見事なわらびだけに、険しい山を渡り歩いて
収穫した人の思い入れがそうさせたのかも知れない。
またそれを買い求める人にも満足と親しみが伝わって
くる。






卯の花腐し

2006-05-06 21:45:45 | Weblog
No44 06.05.06


 卯の花に雨の催ひの雲早し   朱灯

ふと気がつくと窓の外は蛙の声がしきりである。いつの
間にかそんな季節になっていたのに驚かされる。異常に
暖かい日が続いたから急に浮かれ出したのかもしれない。

好天気にめぐまれた連休もいよいよ終盤、さすがに明日
は雨になりそうだ。「北陸に晴れの三日なし」と言われる
から、しかたのないことだ。

今日谷あいに見た卯の花はもうかなり花を重ねていた。
あまりみごたえのある花ではないが、うすいピンクの花弁
が明日は雨にうたれるのだろう。この時期の雨を卯の花
腐(くだ)し、というのだが長雨になることが多い。