はいくでハイク

個人的な俳句日記です。

水温む

2006-03-27 12:19:08 | Weblog
  

 校舎建つ故の休耕水温む   朱灯

麦の芽の緑が際立ってきた。目を移すと早咲きの菜の花が
ちらほらと咲き出した。季節の移ろいはほんとうに早い。
今日だって燕が飛んでいるのをたしかに見た。

さくら前線はもう京都まで来たという。足羽川堤防の桜が
満開になるのももう間もなくだ。そして入学、就職と、いよ
いよ若者の季節が始まる。

一方、未曾有の老人大国となりつつある日本列島に、さまざ
まなひずみが顕著になってきた。後継者のいなくなった農村
は特に押しやられていく。至るところに休耕田が目立って来た。

                            06/03/27




春田打つ

2006-03-21 21:04:23 | Weblog
  

 長男は医学博士や春田打つ   朱灯

春分の日の今日はやや寒くて列島はちじみ上がって
いた感じだったが、靖国神社の桜が開花したという
ニュースが流れていた。

また今日はWBCでオール日本がキューバに勝って
逆転優勝して世界チャンピオンになってしまったと
いうニュースが流れて、日本中に春が漲っていた。

そんなことにはまことに無関心な老人が田圃を耕して
いる姿を見た。それには哀れでもなんでもなく自分の
息子は医学博士なんだという誇りが感じられた。

                       2006/3/21



猫の恋

2006-03-17 20:10:23 | Weblog
  

 恋成就して黒猫の艶増せり   朱灯

あれほど賑やかだった猫たちの恋の季節が終わった。
あたりはばからず夜毎鳴きかわしていたのが嘘の
ようだ。

そういえばお隣の黒猫もおとなしくなり、そわそわした
行動をしなくなった。そして妙に綺麗になってきた。
きっと恋が実って子供を身篭ったに違いない。

そうして季節は移り変わっていく。今朝は春一番では
ないかと思える嵐が吹きまくった。
桜の開花情報がちらほらテレビに出るようになった。




村役

2006-03-13 21:02:19 | Weblog
  

 村役の一人決まらず炉辺更けし  朱灯

季節はづれの大雪注意報が出て今夜は冷えこんで
来た。無いことではないことなので別に驚きはしない
が、やはり気にかかる。

ここ7~8年地区公民館の運営審議委員をしてい
るが、委員長の辞任であとがまが決まらない。
とはいってもまだ表面に出た話ではないのだが・・

館長はあわてて人選に頭をいためているようだが
お鉢が自分にまわってきた。おどろいて拒否をして
いるが、火の粉がふりかかってきた。



雛飾る

2006-03-06 12:00:55 | Weblog
  

 雛飾る日取りを決めし電話かな  朱灯

外孫に贈った飾り雛もいつしか古びてきて、それなりに
自分たちも老いてきた。それでも離れた所に住む孫たち
のことはいつも気になる。

たまたま娘から妻に他の用事でかかってきた電話口で、
お雛様の話になり、そろそろ部屋を片付けなければ・・
とのことらしい。

その孫も大きくなるにつけ、いづれそういう行事から
遠ざかっていくのであろうと思うと、それもしかたの
ないことだろうと、いささか寂しい想像をしている。





探梅

2006-03-01 18:29:48 | Weblog
   

  梅探る園にて知古の声にあふ  朱灯

いよいよ弥生、3月に入った。さしもの大雪も
すっかり影をひそめ、まわりの田圃などにはほ
とんど残っていない。

雪国に住む者にとって一番うれしい季節はこの
時期ではなかろうか。梅の便りを聞くと なぜか
気持ちがわくわくしてくる。

俳句を始めてかれこれ50年になるが、楚々と
した紅白の花を見るとなんとなく詩心が湧く。
その梅園で懐かしい人の声を聞いたというのだ。