はいくでハイク

個人的な俳句日記です。

彼岸花

2007-10-17 20:27:07 | Weblog


 鉄塔に燃へ移りたり曼殊沙華  稲葉朱灯

今年もみごとな彼岸花が咲いた。古代からそういわれるように
それは炎のようで一面が火の海になったかのようである。
それほど情熱的な花であり色である。

そんな花があまり人間に好かれないのはなぜだろう。好んで
栽培する人は少ないし、せいぜい堤防か墓場のあたりである。
ずいぶん損をする気の毒な、ある意味で不気味な花である。

そんな一群落のまん中に鉄塔が立っていた。その根元にいま
燃え移るのではないかと思うほどに競い咲いていた。
作者はそれをすでに燃えていると見たのである。

07/10/10  Vol. 89

三国 雄島

2007-10-02 17:28:10 | Weblog

 秋風の秋風色に神の島   稲葉朱灯

案外近いところにありながら近年訪れていなかった三国の
雄島へ句友と吟行に行きました。前日の雨も上がって青空
となり、いわし雲が島を覆っていました。

東京から見えられた先生を囲み大湊神社を参拝、島を一周
してきました。ほどよく手入れされた遊歩道には水引や野菊
など、句の材料にはことかきませんでした。

空には鳶が舞っていたり、樹林の中では松虫の声にも出会っ
たりして神の島らしい雰囲気を味わいました。ホテルに戻って
二回目の句会を開き、大いに勉強になりました。

07/10/1  Vol. 88