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はいくでハイク

個人的な俳句日記です。

二月尽

2006-02-24 15:25:45 | Weblog
  

 母方に不幸続きて二月尽   朱灯

このところ亡母の実家に不幸が二度続いた。
未曾有の大雪に見舞われた上に・・である。
幸も不幸も人の世のならいなのだ。

何や彼やと続くともううんざりして、早く
月日の変わるのを待ちたい気持ちになる。
その二月がようやく終わったというのである。

まもなく弥生、草木も芽吹く季節である。
なにもかも忘れて新しい季節に夢を求めよう。
トリノで金もとれたことだし・・・。



日脚延ぶ

2006-02-19 14:18:34 | Weblog
   

 たどたどと老の読経に日脚延ぶ  朱灯

今日は雨水、めっきり日が長くなってきたのに
気づく。そしてかなり暖かくなってきた。たしか
な春がもう来ている・・という実感がある。

ひと昔前にはどこの家からも朝晩にはお勤め
の声が聞こえたものだが、今はもうほとんど聞
かれなくなってきた。

隣家からなにやらボソボソとお経らしき声が聞
こえてきた、というのだがそれがなにやらたど
たどしく、愚直な老人のイメージと重なる。




四温晴れ

2006-02-14 21:52:49 | Weblog
  
 
 詣でたる神の名忘る四温晴   朱灯

トリノ五輪もたけなわの12日の日曜、お天気が
よかったので三国の方へでかけた。
実は趣味の仲間とカニを食べにいったのだが・・

そこで久しぶり三国の町を廻ってきた。
三寒四温とはよく言ったもので、きのうの寒さ
がまるでうそのような陽気であった。

滝谷寺など何箇所か回ったが、きのうの今日な
のに三国神社の祭神の名を思い出せない。
記憶力の衰えが情けなくなる。




冬灯 (ふゆともし)

2006-02-10 17:36:45 | Weblog
  

 読み切るといふ気力失せ冬灯  朱灯

若いとき定年になったら、うんと読書をしようと
せっせと買い溜めた本がかなりあるのだが、殆ど
手付かずのままだ。

忙しいから後で・・とか、老後のひまつぶしになど
と考えていたが、大変な思い違いをしていた事に
つくづく気がついた。

定年になったら暇ができるどころかますます忙しく
なってきたのである。その上目が衰えてきて活字が
とても怖いものに思えてきた。

読書でもなんでも忙しい若いときに楽しんでおか
ないと駄目だったんだと、悔やまれてならない。
ともかく小説を一つ読み切れる根気はもう無い。


日脚伸ぶ

2006-02-06 21:54:01 | Weblog
    

 鶏のしきりに鳴きて日脚延ぶ   朱灯

昔はどこにでも居た鶏だが最近は養鶏場は別として
普通の家庭では田舎でもほとんど見られなくなった。

たまたま近くに物好きなおじさんが居て、烏骨鶏を
飼っている。ところがふつうの鶏は朝早く鳴くもの
らしいが、夕方になってもよく鳴いている。

まだ残雪の嵩がかなりある鶏舎から、しきりに声が
聞こえてくる。ふと気がつくとずいぶん日脚が伸び
たことにびっくりする。

こうして一日一日春に近づいているのが、西の空に
傾いた太陽から、たしかに感じられる。


立春

2006-02-03 21:09:11 | Weblog
 

春立つ日待ちしがごとく雪降れり  朱灯

明日は立春、ここ2.3日穏やかな陽気が続いて
いたのだが節分の今夜を境にしてまた寒波が来
たようである。

昔ならいまがちょうど正月、松の内で寒いのはあ
たりまえである。なのに暦のうえでは寒があけて
春なのである。

その立春が明日だと言うのに急に雪になるのだか
ら皮肉なものである。
それも待っていたかのように・・・

 地吹雪となりてとどこる追難寺  朱灯