

酒壷を手の仏も纏ふ春の雪 朱灯
残雪がしたたかに残る西山公園の仏の道を散策した。
記録的に多かった12月の大雪がこのところの暖かさで
かなりその嵩が低くなってきた。
地元の方たちがひとつひとつ思いをこめて奉納された
おびただしい仏像が並んでいる道をめぐると、可愛い
童佛、羅漢さまに挟まれて変わった仏像に出会った。
お酒に酔った愉快なお顔の仏さまが、左手に杯を持ち
右手に徳利をかかげてさも私にお酒をすすめているよ
うに思えたのである。
その仏さまのお顔に淡い春の新雪が積っていたのが
なぜか愉快に思えて心に残り、この句ができた。