麦刈られ雲雀の空の虚ろなる 稲葉 朱灯
昨日まで見事な黄金色であった田んぼの麦が、いっせいに刈り取られてしまった。
あの広い麦畑が大型コンバインで 2~3日のうちになくなってしまうということに時代の流れを感じる。
人間様の都合で農作業にかぎらず、どんどん自然が変わっていく。さぞかし今まで自分の世界であった雲雀にしてみれば、晴天の霹靂だろう。
隠れ場所を失った雲雀は明日からどこへ行けばいいのだろう。自然を大切に・・生き物を守ろう・・と掛け声だけは立派だが、雲雀のためだけでは農業もなりたたない。
地震や津波で住処を失った人間が大変な以上に、雲雀にはさぞかし大変な一大事にちがいない。
11/06/29 Vol. 171