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旧精神科医療は思想警察なのか?

マズローの欲求階層を採用している時代遅れの看護学について

2019年02月11日 | IM理論

前回は、看護学で採用されている「発達段階」について、アイデンティティ、発達段階という言葉の生みの親、「エリクソン」がどれだけインチキ臭い人物であるか、また、それを「さも人間が辿る人生だ」と考え採用している看護過程の脆弱性について説明しました。

人間は、エリクソンが語るような発達段階は辿りませんし、「結婚をしたから」「子供を育てから」「孫がいるから」というだけで、人間性は成長しませんし、人生の課題が達成されることはありません。

臨床で高齢者を見ていますが、一言でいえば、「年を経るということは人生の墓場である」としか感じることができないのです。

それは何故か?というと、「人はどうやって成長していくのか?どこを目的として目標を立てて頑張るのか?」という正しいゴールを誰も知らないからです。

ですから、多くの人は、「テレビや社会が、親や友達が認めてくれる、称賛してくれる状態をゴールと設定して闇雲に頑張っている」だけなのです。

私たち人間がそれぞれ個性を与えられてこの世に産まれてきた理由をご存知でしょうか?

(知らない方はこちらをどうぞ)

親や学校教育は、個性を潰す教育しかしません。

そして、「個別性を生かした看護」と言われても「個別性とは何か?」が分からないため展開できません。

現代社会では「個性を生かす」=「好き勝手に生きる」、「個性的=わがまま」などと混同しています。

前置きが長くなりましたが、今回は、「自己実現論」そして、「人間の欲求段階、階層」を提唱して、看護学に採用されている、これまた心理学の大家「アブラハムマズロー」について見ていきたいと思います。

まずは、マズローが提唱した「自己実現論」について見ていきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・(自己実現理論(じこじつげんりろん、英: Maslow's hierarchy of needs)

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。

自己実現論、(マズローの)欲求段階説、欲求5段階説、など、別の異なる呼称がある。

ピラミッド状の階層を成し、マズローが提唱した人間の基本的欲求を、高次の欲求(上)から並べる。

⑤自己実現の欲求 (Self-actualization)
④承認(尊重)の欲求 (Esteem)
③社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
②安全の欲求 (Safety needs)
①生理的欲求 (Physiological needs)

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

どこかで聞いたような内容ですね。

この「自己実現論」の恐ろしいところは、

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」

と仮定しているところです。

現実社会を見渡してみて、本当にそうでしょうか?

世の中の人達に「自己実現」などあるのでしょうか?

身体が動き、仕事ができお金が稼げる年代なら問題ないかもしれませんね。

ですから、老後の不安について調査アンケート結果を見ていきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・(リビングひろしま セカンドライフ・アンケート結果  2016/12/17~2017/1/9 )

 定年退職後に不安を持っている人は65%。

不安に感じること1位は「日常の生活費(老後の資金・年金)」、

2位は「日常の健康や体力維持のこと」(上)でした。

一方、充実させたいものは「趣味や好きなことをする」が1位、

「家族や夫婦の時間を大切にする」が2位となっています。

セカンドライフの準備として始めていること、

始めたこと1位は「貯蓄(資産運用・貯金)」、

2位は「健康な体づくり」と、

不安に感じていることとリンクする結果となりました。

皆さんはセカンドライフについて、どのように考えていますか

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

いかがでしょうか?

マズローは自己実現論で

⑤自己実現の欲求 (Self-actualization)
④承認(尊重)の欲求 (Esteem)
③社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
②安全の欲求 (Safety needs)
①生理的欲求 (Physiological needs)

「人間は①⇒⑤へ成長していく」と仮定しています。

しかし、リビングひろしまの高齢者アンケート調査では、

定年退職後に不安を持っている人は65%も存在し、その内容が

1位は「日常の生活費(老後の資金・年金)」

2位は「日常の健康や体力維持のこと」

という、「食っていけるかどうか?」を悩んでいるのです。

60歳、定年過ぎの人達が「食べていけるかどうか?」を悩む社会が現代日本なのです。

動物並み、いえ動物以下の悩みを、半数以上の日本人は抱えているということがお判りでしょうか?

つまり、「単に歳を経ることによって、人間は成長するものではない」ということがこれでお判りになったと思います。

「年金生活だけで働かずに食べていけるだろうか?」

「病気などで苦しまずに生きていけるだろうか?」
どれだけ低次元な悩みを抱えているのでしょうか?
本来、この年齢に達した時には、
「人生にやり残しがない」「悔いがない」
と思えていなくてはいけません。
そして、「若い人達、後世を生きる人達のために、奉仕したい」と考えるものです。
つまり、『世の中に、のちの世代に尽くすこと』

が喜びになるはずです。

しかし現実的に、高齢者が世の中に尽くそうとしても、「頭が固く、プライドばかりで時代遅れの存在」であるため煙たがられるのがオチではないでしょうか?

ですから、マズローが提唱する「自己実現論」自体がインチキであることがお判りだと思います。

続いて、その自己実現論を提唱したマズローという人物について見ていきましょう。

<アブラハムマズロー>

・・・・・・・・・・・・・・・(アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 - 1970年6月8日)

アメリカ合衆国の心理学者。

ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれる。

彼は人間性心理学の最も重要な生みの親とされている。

これは精神病理の理解を目的とする精神分析と、人間と動物を区別しない行動主義心理学の間の、いわゆる「第三の勢力」として、心の健康についての心理学を目指すもので、人間の自己実現を研究するものである。

彼は特に人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)を主張した事でよく知られている。

マズローは人間についての学問に新しい方向付けを与えようとしたが、彼の著作はそれ以上に内容豊かなものになっている。

著書、雑誌論文は100編以上におよび、アカデミックな心理学のみならず、教育や経営学のような隣接領域にまで彼の思索は及んでいる。

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

マズローは「人間性心理学」なるものの生みの親ということになっています。

人間性心理学とは一体どのようなものなのか詳しく見ていきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・(人間性心理学(にんげんせいしんりがく、英語:humanistic psychology)

主体性・創造性・自己実現といった人間の肯定的側面を強調した心理学の潮流である。

ヒューマニスティック心理学とも呼ばれる。それまで支配的であった精神分析や行動主義との間に1960年代に生まれた第三の心理学とされる。

提唱者であるアブラハム・マズローは、精神分析を第一勢力、行動主義を第二勢力、人間性心理学を第三勢力と位置づけた。

人間性心理学は人間性回復運動の支柱ともなった。また後に、人間性心理学に続きトランスパーソナル心理学が登場する。

代表的な人間性心理学者には、前述のマズローの他、カール・ロジャーズ、ゲシュタルト療法家のフレデリック・パールズなどがおり、また、ロロ・メイや個人心理学の創始者アルフレッド・アドラーをこれに加える向きもある。

人間性心理学に属する理論・療法には、実存分析、現存在分析、マズローの自己実現理論、来談者中心療法、ゲシュタルト療法、交流分析、エンカウンターグループ、フォーカシングなどがある。

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

心理学は何を言いたいのかわかりませんね!(笑)

要約していくと、このマズローは

「衣食住が満たされてから、人間は自己実現欲求が生まれてくる」

ということを提唱しただけです。

それだけのことですよ。

この考え方が間違っていることは、前述の高齢者の定年後の老後不安で説明しましたので割愛します。

そして人間性心理学の生みの親マズローはどうなっていくのか見ていきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・(人間性心理学(にんげんせいしんりがく、英語:humanistic psychology)

1961年にはマズローらは『ヒューマニスティック心理学雑誌』を創刊し、ロジャースも寄稿した。

そして、1963年にはマズローの助力を得たロジャースはヒューマニスティック心理学会を創設する。

後にマズローは、自己実現した後に超個の欲求があると述べるようになったが、1969年には、スタニスラフ・グロフと共にトランスパーソナル心理学会を設立した。

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

「1969年には、スタニスラフ・グロフと共にトランスパーソナル心理学会を設立した。」とあります。

この「トランスパーソナル心理学」これが「トンデモ学会」なのです。

「トランスパーソナル心理学」について見ていきましょう。

まずは、「スタニスラフ・グロフ」について見ていきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・(スタニスラフ・グロフ(Stanislav Grof)

トランスパーソナル心理学におけるLSDを用いたサイケデリック・セラピーを研究し、後に呼吸法を用いたホロトロピック・ブレスワークを開発した。またアブラハム・マズローと並び、トランスパーソナル心理学会の創始者の一人である。

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

普通の人なら、グロフという人物が「危ない人だな」と直感的に理解できると思います。

彼の生い立ちについて見ていきましょう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・(スタニスラフ・グロフ(Stanislav Grof)略歴)

1931年チェコの首都プラハ郊外に生まれる。

1940年代後半、アニメーション製作会社に就職。

そこでジークムント・フロイトの『精神分析入門』に出会う。

フロイト派の精神科医を夢見て医学校に進学。

チャールズ大学医学部を卒業。 チェコ精神分析協会の会長のもとで7年間の精神分析を実施する。

しかし、当時は生化学の理論が既にフロイトに挑戦しており、LSDが登場した。

1956年、卒業直後のグロフは幻覚剤は脳波に与える影響の研究の一環として、LSDにより神秘体験を経験し、意識が体から飛び出し、自分に境界がなく宇宙になるという体験をし、LSDを用いたセラピーの研究を開始する。

1967年にソ連による侵攻の前に、アメリカに移住。

1969年には、アブラハム・マズローと共にトランスパーソナル心理学会を設立。

グロフがトランスパーソナル心理学の父祖と呼ぶカール・グスタフ・ユングがトランスパーソナルの言葉を生み出し、この心理学はグロフがトランスパーソナル心理学と名づけたとされる。

LSDを用いた医学実験が法律で禁止され、方向転換を余儀なくされたグロフはホロトロピック・ブレスワークと呼ばれる呼吸法を生み出しセラピーの代替手段とした。LSDセッションやブレスワークにより、膨大な臨床データを得たグロフはトランスパーソナル心理学の基礎を築くことになる。

1973年には、主流の学会に別れを告げ、エサレン研究所で教えはじめる。

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

アニメーターが医学部に入学できますか?(笑)

これまたおかしな話ですね。

さておき、彼はLSD療法をやっていたフロイトに心酔し、自身もLSDをキメてそれを治療法として研究します。

そして「トランスパーソナル」という言葉の生みの親が「ユング」という心理学の大家であるのです。

ここで出てくる幻覚剤LSDですが、アップルのCEO故スティーブジョブズも使用していたことで有名な違法薬物です。

LSDについて見ていきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・(LSD)

幻覚剤の一つ。リゼルギン酸ジエチルアミド。正式にはLSD-25という。

俗にアシッド、エルなどと呼ばれる。

1938(昭和13)年、スイスのサンドス製薬でアルベルト・ホフマン(Albert Hofmann)博士により合成された。

<アルベルト・ホフマン(Albert Hofmann)博士>

これはライ麦に寄生する麦角菌に含まれるアルカロイドのリゼルギン酸から合成される。

<麦角菌>

強力な薬物で、ごく微量で効果が現われる。

胃や腸からの吸収率が高いため、経口で用いる。市場にはあまり出まわっていない。

LSDの効果は、感情の増幅作用である。

大脳に入る情報を調整する視床を操作することにより、光、音などといった外からの情報や、普段は感じない脳の中の情報を流れ込ませる。そのため、目を閉じてもまぶしい、といった状態になる。ごく少量で半日以上のトリップをもたらす。

身体依存は確認されていないが、気分がすぐれない時に使うとバッドトリップしやすいとされる。

また、遺伝子に影響を与え、畸形児が誕生する確率を上げる、という報告もあるようだ。

1960年代に、LSD使用者が自殺したり、中毒性精神病(要するに統合失調症(精神分裂病))になったりしたため、その後LSDは厳しく規制されることとなった。

なお、この薬を実際に何度も試している開発者アルベルト・ホフマンは満102歳没で、意外に長生きをしている。

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

こんな危険なものを使って、心理療法をやろうとしていたのがユングやグロフであり、そのグロフと組んで、1969年にマズローはトランスパーソナル心理学会を設立した人物なのです。

ここまで事実を見てきて、皆さんは、「マズロー相当やばい人物だな」とご理解いただけたと思います。

ちなみに、グロフはマズローと組んでLSDを用いたサイケデリック・セラピーをしていましたが、その内容が過激すぎるため、表を転載しておきます。

<サイケデリック・セラピーのステージ>

こんなことをやって、人間が自己実現に向かうとしたら、どれだけ心理学自体が狂った思想、狂った学問なのか?お判りになると思います。

看護学生が実習中の看護過程の展開で、困るのは、そもそもの看護学における人間の自己実現の過程が、トンデモ人物の空想話を採用して教えているからにほかありません。

こんなものを学んでも、何の援助の足しにもなりませし、害でしかありません。

これが看護師国家試験に出るのだから、世も末ですね。

・・・・・・・・・・・・・・・(第93回看護師国家試験過去問題 看護ROO)

人間の特性(14問) 人間と欲求

最優先で対応する患者の欲求はどれか。

1. 帰属への欲求
2. 自己実現の欲求
3. 生理的な欲求
4. 承認の欲求

第107回
マズロー,A.H.の基本的欲求階層論で最高次の欲求はどれか。

1. 安全の欲求
2. 承認の欲求
3. 生理的欲求
4. 自己実現の欲求
5. 所属と愛の欲求

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

困ったものですね。

試験をパスするためにには必要な知識なのですが、「真っ赤な嘘」だと思って機械的に暗記してください。

人間は、LSDセラピーで自己実現ができると考えている狂った人達が定義できるほど、単純なものではありません。

人間の発達課題、人間の成長とは何なのでしょうか?

参考記事として以下の記事を一度読んでみてください。

看護過程におけるスピリチュアルペインとは?成長とは「知・情・意」を伸ばすことであり、一番大切なのものが「意」を成長させることです。

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