白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

2020年4月の情報会員解説

2020年04月29日 23時59分59秒 | 日本棋院情報会員のススメ

<本日の一言>
倍率117倍の某マスクに応募しましたが、当然外れました(笑)。
だいぶマシになってきたようですが、今年は流通の正常化は無理そうですね。



皆様こんばんは。
本日は日本棋院情報会員のPRを行いたいと思います。
明日で今月が終わりますが・・・。
具体的な解説のレベルについては、↓の過去記事を参考にしてください。
最近の記事では、対局の大雑把な流れをご紹介する形にしています。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回
第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回
第21回 第22回 第23回 第24回 第25回 第26回 第27回 第28回 第29回

今月は、
棋聖戦予選決勝の栗田佳樹アマ(21)ー外柳是聞三段(25)
王座戦予選の三浦太郎初段(15)-林海峰名誉天元(77)
の2局を解説しました。
ここでは、印象的だった場面をご紹介していきましょう。

1図(栗田-外柳1)
栗田アマの黒番です。
本因坊秀策の1、3、5の布石は有名ですが、こちら

も昭和の1、3、5と呼んで良いぐらいのオーソドックスな布石ですね。
AIはあまり評価しませんが、栗田アマはこの布石を愛用しているようです。
得意の型を持っていることは強みですね。
それ自体で有利になるというより、自信になるのではないでしょうか。



2図(栗田-外柳2)
白×を取る手を放棄し、上辺白を攻めました。
このあたりの打ち方を見る限り、地にカラいというよりも、バランス派とみるべきなのでしょう。
栗田アマの特徴が表れた場面でした。



3図(栗田-外柳3)
上辺白大石が心配ですが、白1、3を打っただけで白5の大場に先行しました。
このあたりの怪しげな誤魔化し方は、いかにもプロらしいですね(笑)。



4図(栗田-外柳4)
色々あって形勢は白が良くなっていますが、黒1(Aの所)~7とは必死の勝負手ですね。
1目ポン抜かせたうえに、黒5、7とダメをつなぐ打ち方は普通なら考えにくいです。
しかし、こうやるしかチャンスがこないとみたのでしょう。
いざとなればどんな手を使ってでも勝ちにいく根性も、プロと変わりませんね。
実戦はポン抜きの白を猛然と取りにいき、再逆転に成功しました。



5図(三浦-林1)
三浦初段の黒番です。
黒△と滑り、下辺白一団をイジメにかかりましたが・・・。



6図(三浦-林2)
いつの間にか白△まで、スルスルと逃げ出しています。
いかにも林名誉天元らしい粘り腰ですね。



7図(三浦-林3)
右上隅の白が攻められ、コウになりましたが・・・。



8図(三浦-林4)
コウはそのままに、外側の黒を逆に包囲しています。
その代わり、下辺白一団も生きているのか死んでいるのかよく分かりませんが・・・。
わけの分からない乱戦に持ち込む勝負術も、林名誉天元ならではですね。
本局は三浦初段が林名誉天元の再三の「揺らし」に耐え、しっかり勝ちきりました。


ちなみに、私の解説は「ためになる棋譜解説」というタイトルですが、鶴山淳志八段も「初段をめざす方のための棋譜解説」というタイトルで2局を解説しています。
また、平本弥星六段は「一日一題」というタイトルで、問題形式での棋譜解説を行っています。
ご興味をお持ちになった方は、ぜひ日本棋院情報会員にご入会ください!



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は5月20日(水)、6月12日(金)、6月30日(火)に指導碁を行います。

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