白石勇一の囲碁日記

ほぼ毎日更新、白石勇一七段のブログです。
著書「やさしく語る」シリーズ「碁の本質」「布石の原則」「碁の大局観」発売中!

本手

2018年09月24日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
10月13日(土)に、永代塾囲碁サロンにてチャリティーイベントが行われます。
これに合わせて、私の定期的指導碁会のほうもチャリティーイベントとさせて頂くことになりました。
詳細はこちらをご覧ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日で3日間の合宿が終わりました。
今回もほとんどの参加者と対局することができました。
さて、それでは本日もその中の1局を題材にしましょう。



1図(テーマ図)
黒番です。
AとBのどちらかを考えられる方が多いでしょうが、どちらが正解でしょうか?





2図(失敗)
黒1と押し、白2には黒3、5と頑張り、白Aには黒Bと取りに行く!
こういう発想をする方は、間違いなく力自慢です(笑)。
しかし・・・。





3図(失敗)
白1、3に加え、白Aも利く形です。
外側の白がすっかり強くなり、白5に回られては巨大な白地が完成しました。
白2子は取れたものの、手がかかりすぎたのです。





4図(正解)
黒1のつなぎが本手であり、正解です。
いずれ必要になる手を、早めに打っておくという発想ですね。
白2なら黒3と進出し、黒は前図よりはるかに効率の良い形をしています。
もし白2でAに打ってくれば、今度は黒Bに回ることができます。





5図(別解)
他には、黒×は価値が低いので、守らずに捨ててしまうという打ち方もあります。
こちらはより高度な考え方になりますね。


碁は石の効率を争うゲームであり、1箇所に石を密集させると効率が悪くなってしまいます。
指導碁で、黒石が取られたわけでもないのにいつの間にか追いつかれているというケースはよくありますね。
その原因を一言で言うならば、石の効率が悪いということになります。
私は指導において様々な分野を扱いますが、全ては石の効率を良くすることにつながるのです。
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ダメ詰まり

2018年09月23日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
本日は合宿2日目です。
若いOBは元気だな~と思ったり、自分もまだ何とかなると思ったり・・・。
30代はそんな微妙な年齢なのでしょう。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日も指導碁を題材にします。



1図(実戦)
3子局、白△とコスんだ場面です。
黒はAとB、どちらが正着でしょうか?





2図(正解)
ダメを詰めない黒1が正解です。
白2ならそこで黒3と打ち、両当たりになるので大丈夫です。





3図(実戦)
ところが、実戦は黒1の当たりを先に決めてしまいました。
すると、白4と当てを打たれてダメ詰まりの問題が発生・・・。
後でも打てる手を慌てて打ってしまうことは、大いに問題があります。
この系統のミスについては、いずれNHK囲碁講座別冊付録の題材にもなる予定です。





4図(変化図)
3図の後黒1とつなぐと、白2、4の爆弾が残ってしまいます。
これは黒が生きた心地がしませんから・・・。





5図(実戦)
結局、このように後退して受けることになりました。
ダメ詰まりは恐ろしいものですね。
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手筋

2018年09月22日 23時54分09秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
日本棋院の3名の棋士が文化庁に表彰されます。
囲碁棋士の活動を評価して頂けることはありがたいですね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
現在、鬼怒川で中央大学囲碁部若手OB中心の合宿が行われています。
私も参加して指導碁を打っていますが、本日はその中の1局を題材にしましょう。



1図(テーマ図)
4子局、白△と打った場面です。
現在、左上黒と左辺黒が競り合っている状況です。
左上黒は×の所に1眼しかありません。
黒Aと打てば生きますが、それは最後の命綱です。





2図(実戦)
黒1~5と打ったのが実戦です。
こう打つ方は多いでしょう。
ただ、この打ち方は上下どちらの白にも響きません。
悠々と白6の大所に回られてしまいました。





3図(正解図1)
白の2間飛びの薄みを衝いて、黒1、3と仕掛けるのが正解です。
実戦に頻出する手筋ですが、知らないとなかなか打てないでしょう。





4図(正解図2)
白1に対して、1子を捨てて黒2、4と外回りに石を持ってくることができました。
2図と比べて、黒石がのびのびとしていることが感じられませんか?





5図(正解図3)
黒14まではその後の想定される進行の1つです。
上下の白が絡み攻めになり、明らかに黒のペースになっていますね。


手筋は時に戦況を一変させることがあります。
囲碁の上達のためには、手筋を沢山知っておくことが大切です。
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5路盤

2018年09月19日 23時47分53秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
棋聖戦挑戦者決定トーナメントの出場者は、山下敬吾九段、河野臨九段、村川大介八段、芝野虎丸七段、大西竜平三段となりました。
10代から40代までと幅広いですね。
果たして誰が挑戦権を得るのか、注目です。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
五反田の教室では、囲碁が初めての方や初級者への指導も行っています。
碁盤も5路盤、7路盤、9路盤、11路盤、13路盤と色々用意していますが、今回は5路盤についてお話ししましょう。

囲碁の入門には狭い碁盤が適しているということは、これまでにもお話ししてきましたね。
ただ、狭ければ狭いほど良いというわけではなく、やはりある程度の広さは必要です。



1図(初手天元)
なにしろ、狭すぎて黒に初手天元に打たれると、白は生きることすら困難です。
全滅してしまったら、地の数え方も何もあったものではありませんからね。
入門初期での石の取り方の練習に絞るなら、使いようはあるかもしれませんが。
というわけで、入門指導には6路盤か7路盤が使われることが多いようです。

ですが、私は初級者への指導でも時々5路盤を使っています。
メリットの1つとして、対局がそのまま死活の練習になるということです。
必ず白が生きるか死ぬかという問題になりますからね。
2眼という概念を覚えたあたりの人には、ちょうど良いでしょう。

もう1つ、指導中のちょっとした息抜きとしての役割があります。
仮に白を全滅させられなかったとしても、ほぼ毎回黒が勝ちますからね(入門したばかりの方はその限りではありません)。
これが7路盤などでは、コミ無しの黒でも100%勝つことは意外と難しいですし、9路ともなると助言無しではまず勝てません。

ところで、そんな5路盤にも、実は面白い死活問題が生じることがあります
今回はそれをご紹介しましょう。
黒の初手天元の後・・・。





2図(進行図)
白がツケたりハネたり、色々とやってみました。
白5の当てに対して、黒はつなぐのが正解ですが・・・。





3図(問題図)
黒1と抜きたくなるのが人情というものです。
白2に黒3とつないで、これでも白が困っているように見えますね。
AとBの傷があります。

でも、実は白には全滅を避ける方法があるのです。
どうすれば良いでしょうか?







4図(正解図)
白1、3の連続カケツギが好手です(順番は逆でも同じです)。
この後黒Aと置くのは、白Bで全部生きてしまうので・・・。





5図(正解図)
黒1と切るぐらいですが、白2と急所に打って2眼を作ることができました。
黒はAに打てません。

隅と隅の距離が近い盤ならではの粘りでした。
これで生きてしまうのは意地悪なので、対局ではこの手は使いませんが(笑)


張栩九段の「よんろのご」もありますし、狭い碁盤も面白いものです。
確か5路盤の問題集も出ていましたね。
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連載開始!

2018年09月17日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
世界アマ日本代表は、なんと16歳の川口飛翔さん!
日本チャンピオンの低年齢化が進んでいるとは言え、一足飛びに記録を更新した感があります。
しかし、考えてみれば井山裕太六冠が阿含桐山杯に優勝したのも16歳の時でした。
16歳のアマチュアチャンピオンが生まれても、決して不思議なことではありません。
川口さんが世界の強豪たちとどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみですね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
昨日は久しぶりにお休みしました。
ちょっとスケジュールが厳しくなってきたので、しばらく内容が軽めになるかもしれません。

さて、本日ご紹介するのはこちらです!



本日発売の週間碁で、私の連載が始まりました!
「目算ナビゲーター白石勇一 ~楽に打つ方法教えます~」

※画像はぼかしてあります。

形勢判断ができない、地が数えられないという方は非常に多いですね。
正直なところ、私も苦手なぐらいです。
それでも、要所要所では形勢判断を行うようにしていますし、それが非常に役立つこともあります。
なぜかと言えば、碁が非常に深いゲームだからです。
プロでもどう打つべきか全く分からなくなってしまうような場面が頻繁にあります。
しかし、たとえ自分の能力を超えてしまう場面でも、形勢判断をすることによって合理的な決断を下すことができるのです。

ただ、形勢判断というものは非常に多くの要素を含みます。
それらを総合的に正しく判断できるかどうかは、棋力によるとしか言いようがありません。
強い人ほど読みが深く、考え方もしっかりしているので、正しい判断ができるのです。

ですが、ご安心ください。
本講座では形勢判断の要素の中の1つである、「地の数え方」に絞ってお話しする予定です。
棋力に関わらず正しい方法を理解することができ、実戦に導入できるようになるでしょう。

連載全体の構成としては、序盤はしっかりと目算の意義や基本的な考え方についてお伝えし、その上で具体的なテクニックを学んで頂くことになるでしょう。
ですから、なるべく序盤は逃さずご覧頂きたいですね。
一応、途中でも基本的な考え方を振り返る回を入れることも考えてはいますが。

ちなみに、毎週の連載ということで、頻繁にライター、編集者の方と一緒に打ち合わせをしながら進めています。
お2人とも碁が好きすぎるようで、非常にこだわりが強いです(笑)。
良い講座にしたいですね。
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