白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

一力遼碁聖について

2020年08月16日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)

皆様こんばんは。
本日は初めて七大タイトルを獲得した、一力遼碁聖(23)について書きたいと思います。

一力碁聖は河北新報社社長の息子として生まれました。
河北新報は宮城県で圧倒的なシェアを誇る地方紙で、売上高は約200億円です。
凄い出自ですが、囲碁はあくまで個人競技ですから、本来はそれほど注目されることはありません。
しかし、一力碁聖はプロ入り前から河北新報の後継者と目されていたこと。
そして、河北新報はプロ棋戦である碁聖戦のスポンサーであること。
この2点により、一力碁聖は特異な道を歩んできました。

そもそも、囲碁棋士は専門性の高い職業です。
トーナメントプロとして活躍するためには実力が全てですから、囲碁の世界が全てという人がほとんどでした。
多くの棋士が10代で入段争いをするため、高校に行かないということも当たり前の選択でした。
中国ではさらに極端で、年端もいかない子供を一族総出で応援し、プロ修行させることも珍しくないと聞きます。

こんな世界ですから、棋士になった後も当然ながら囲碁一筋になります。
トーナメントプロとして成功する棋士は一握りですが、ほとんどの棋士は囲碁だけで生計を立てています。
囲碁以外の副業を持つ棋士が全くいないわけではありませんが、数少ない例外と言えます。

しかし、一力碁聖は普通の棋士とは違いました。
高校、大学と進学し、新卒で河北新報に入社したのです。
このことは、囲碁の世界で暮らす人々に大きな衝撃を与えました。
なにしろ、一力碁聖は十代後半の頃から一流棋士であり、若手棋戦や早碁棋戦で数多くのタイトルを獲得していたからです。
囲碁界では名家に生まれた人も囲碁の天才も珍しくありませんが、二足の草鞋を履くとは・・・。

一力碁聖の歩みは、必ずしも生まれや才能だけによるものではないと思います。
世の中の変化によるところも大きいのではないでしょうか。
近年は棋士を目指しながら、あるいは棋士になった後に高校や大学に行くケースが急増しています。
将来の可能性を広げたいということでしょうね。
そうなると、囲碁界全体の空気も変わってきます。
もし一力碁聖の生まれが10年か15年早かったら、同じ道は歩まなかったのではないでしょうか?

囲碁の競技寿命は長いです。
羽根直樹元碁聖は44歳ですし、50代や60代でタイトルを獲得した棋士もいます。
しかし、特殊な環境により、一力碁聖の棋士としての活躍期間は本来より短くなるかもしれません。
それでも、一力碁聖は囲碁界にとって非常に大きな存在になっていくと考えています。
囲碁界の大きな弱点として、外の世界で情報を発信できる人が少ないということがありました。
一力碁聖にはそれができると思います。

ともあれ、当面は囲碁界での活躍に期待したいですね。
安定感が非常に高くなっているので、世界戦でも結果を出せるのではないかと思っています。
これからが棋士としての本領発揮の時期ではないでしょうか。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後の担当日は8/12(水)、8/26(水)、9/11(金)です。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。今後の活動拠点となります。

白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。現在は永代塾囲碁サロンでの指導碁情報をお知らせするページになっています。

上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。五反田会場は閉鎖しました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2年目のジンクス(後)

2020年01月04日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)

<本日の一言>
レバノンの動向に注目していたら、イランやイラクの情勢が緊迫してきましたね。
戦争は無いだろうと思いますが、世の中は誰も予想しないことが起こりますからね・・・。
果たしてどうなるでしょうか。



皆様こんばんは。
本日は昨日の続きとして、実際のトーナメント表を見ながらお話ししたいと思います。
例として、昨年17勝7敗の好成績を上げた仲邑菫初段(10)に注目してみましょう。

<棋聖戦>

こちらは昨年10月から始まった第45期棋聖戦予選のトーナメント表です。
棋聖戦予選はどこで負けても、次期は一番下からのスタートです(抽選次第では2回戦からですが)。
しかし、仲邑初段は高木淳平二段、馬場滋九段、髙津昌昭初段に勝っており、今年はその続きで準決勝から打つことになります。
その相手は岩丸平六段です。
もしその対局に勝つと、決勝では広江博之九段と佐田篤史四段の勝者と対局します。
準決勝も決勝にしろ、仲邑初段にとって格上と言って良い相手と当たることになるでしょう。

<名人戦>



こちらは昨年11月に始まった第46期名人戦予選のトーナメント表です。
仲邑初段は予選Cの1回戦で山田和貴雄七段に勝っただけなので、今年はその続きで2回戦を打つことになります。

ちなみに、右下に見えている長徳初段ですが、第45期では予選Cスタートながら予選Aまで進出しています。
しかし、予選Aの1回戦で岩丸平六段に敗れたため、今期は予選Bスタートというわけですね。

<本因坊戦>



昨年9月から行われている、第76期本因坊戦予選のトーナメント表です。
仲邑菫初段は山本賢太郎五段、高林正宏七段、宇谷俊太二段に勝っており、今年は予選Bの決勝から打つことになります。
ちなみに、相手の羽根泰正九段は羽根彩夏初段のおじいちゃんです。
血眼になって孫の敵を取りにくることでしょう(笑)。
このおじいちゃんは王座経験者ということで、楽しみな一局ですね。

<王座戦>
第68期王座戦は、昨年2月15日に抽選が行われました。
入段前ということで、仲邑初段は参加していません。
現在の棋戦システムになって以降、新入段者がその年のうちに昇段することは稀ですが、参加できる棋戦の数が少ないので当然ですね。
仲邑初段は第69期の予選Cからスタートすることになります。

<天元戦>
第46期天元戦も、抽選日が昨年3月13日のため参加していません。
今年は第47期の予選Cスタートです。

<碁聖戦>
第46期碁聖戦は、昨年12月6日に抽選が行われました。
まだ対局はしていませんが、予選C1回戦で梁川裕政七段と対局することが決まっています。

<十段戦>
第59期十段戦は、昨年7月15日に抽選が行われました。
仲邑初段は古田直義四段、山田至宝七段、種村小百合二段に勝って予選Bに進出しましたが、1回戦で小松大樹三段に敗れたため、第60期は予選Cスタートとなります。

<阿含・桐山杯>
第26期阿含・桐山杯は昨年1月18日抽選のため、不参加でした。
第27期は予選Cスタートです。

<新人王戦>
第45期新人王戦は、昨年10月17日に抽選が行われました。
1回戦で高雄茉莉初段に勝ちましたが、決勝で牛栄子二段に敗れています。
新人王戦は賞金ランキングによる本戦シードがありますが、そこに入っていなければ第46期はまた予選からですね。

王冠戦
中部総本部棋士のための棋戦なので、仲邑初段は対象外です。
念のため・・・。

<竜星戦>
第29期竜星戦は昨年4月1日に抽選が行われました。
例年より1ヶ月以上早いのですが、ぎりぎり新初段の名前が入るタイミングですね。
初戦となる予選Bで大森らん初段に敗れたため、第30期も予選Bスタートです。

<広島アルミ杯・若鯉戦>
第14回広島アルミ杯・若鯉戦は昨年7月18日に抽選が行われました。
1回戦で羽根彩夏初段に勝ち、準決勝で宮本千春初段に敗れています。
優勝者以外はシード権が全く無い棋戦なので、皆予選からのスタートです。

<女流本因坊戦>
第39期女流本因坊戦は、昨年9月20日に抽選が行われました。
1回戦で佃亜紀子五段に敗れています。
シード権は前期本戦ベスト4か女流タイトルホルダーとなっており、ほとんどの棋士は毎回予選からですね。

<会津中央病院・女流立葵杯>
第7期会津中央病院・女流立葵杯は、昨年9月14日に抽選が行われました。
田村千明三段と羽根彩夏初段に勝っており、今年は3回戦スタートとなります。
予選は4回戦ありますが、シード権者以外はどこで負けても次期は1回戦スタートとなります。

<女流名人戦>
第31期女流名人戦は、昨年3月20日に抽選が行われました。
よって新初段は不参加であり、仲邑初段は第32期から参加・・・と言いたいところですが、休止になってしまいましたね。

<ドコモ杯女流棋聖戦>
第23期女流棋聖戦は、昨年5月31日に抽選が行われました。
田中智恵子四段と金賢貞に勝って本戦に進出しましたが、万波奈穂三段に敗れています。
第24期は予選Aからのスタートです。

<扇興杯女流最強戦>
第5回扇興杯女流最強戦は、昨年10月29日に抽選が行われました。
1回戦で多冨佳絵三段に勝ち、2回戦では小野綾子初段と対局します。
予選は全3回戦であり、シード権者以外はどこで負けても予選1回戦からとなります。

第1回博多・カマチ杯
できたばかりの棋戦なので、今後方式が変わる可能性があるかもしれませんが、少なくとも今回の予選は3回戦で行われます。
1回戦の相手は宮本千春初段に決まっています。

<グロービス杯世界囲碁U-20>
第6期グロービス杯予選は、2018年12月18日抽選のため不参加です。
今年行われる第7期では、1回戦で大須賀聖良初段と対局します。
予選は3回戦行われ、優勝者以外シードはありません。

<夢百合杯>
第4回夢百合杯本戦に招待されて出場しましたが、これは今年のみのイレギュラーでしょう。
来年以降は予選を勝ち抜く必要がありますが、予選は非公式戦扱いなので年間成績には算入されません。

以上が、仲邑初段に関わると思われる公式戦です。
女流棋士ということもあって、なかなか数が多いですね。
まとめますと、今年の棋戦は

棋聖戦・・・予選準決勝進出中
名人戦・・・予選C1回戦に勝ち、次は2回戦
本因坊戦・・・予選B進出中
王座戦・・・初参加
天元戦・・・初参加
碁聖戦・・・初参加
十段戦・・・昨年予選Bで負け、今年は予選Cから
阿含・桐山杯・・・初参加
新人王戦・・・昨年予選決勝で負け、今年は予選から
竜星戦・・・昨年予選Bで負け、今年も予選Bから
広島アルミ杯・若鯉戦・・・昨年予選準決勝で負け、今年も予選から
女流本因坊戦・・・昨年予選で負け、今年も予選から
会津中央病院・女流立葵杯・・・予選3回戦進出中
ドコモ杯女流棋聖戦・・・昨年本戦進出、今年は予選Aから
扇興杯女流最強戦・・・予選2回戦進出中
第1回博多・カマチ杯・・・初参加
グロービス杯世界囲碁U-20・・・初参加

こんな状況ですね。
仲邑初段の場合、スタート地点が上がったというよりも勝ち残っている棋戦が多いですね。
いずれにしても相手が強くなるので、昨年と同じ力では同レベルの勝率を上げることは難しいでしょう。
仲邑初段、今年はどれだけ成長できるでしょうか?

今年は参加棋戦が5つも増えますし、非公式戦も含めればその数はもっと多くなります。
昨年にも増して楽しみな1年になりますね。
もちろん、それは他の新初段にも言えることであり、2年目にどれだけ飛躍できるかに注目しています。
どんどん2年目のジンクスを破っていって欲しいですね。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は1月28日(火)、2月12日(水)、2月28日(金)、3月27日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日(今月は第3土曜日)に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2年目のジンクス(前)

2020年01月03日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)

<本日の一言>
箱根駅伝、中央大学は12位でした。
なかなかシード権が取れませんね。
来年も頑張って箱根に戻ってきて欲しいと思います。



皆様こんばんは。
本日は2年目のジンクスについてお話ししたいと思います。

この言葉はあらゆる業界で使われますね。
スポーツ、芸能、ビジネス・・・。
そして、囲碁界にも当然それがあります。
むしろジンクスですらなく、システムとして存在していると言って良いでしょう。
活躍した年の2年目は成績が悪くなって当然なのです。

棋戦のシステムについては、以前ご紹介したことがありますね。
前の年のトーナメントの成績によって、翌年のスタート地点が変わってきます。
スタート地点が上になればなるほど、強い相手と当たりやすくなるのです。

もちろん、運もありますから、必ずしも予選の段階と相手の強さが一致するとは限りません。
時折、自分の枠の下の方に明らかに格上の相手がいることがあり、嫌がらせかと思いますね(笑)。
とは言え、やはり平均的にははっきり差が出るでしょう。

私自身も、星取りの悪い翌年には大きく勝ち越し、その翌年にはまた成績を落とすようなことが多いです(その割に昨年は・・・)。
また、もっと高いレベルではタイトルを取った、あるいは増やした翌年に成績が落ちるというものもあります。
これは棋戦のシード権やタイトルの防衛戦を行う関係で、やはり相手の平均レベルが上がるということによります。

では一力遼八段(22)や芝野虎丸名人(20)はどうだったかと言えば、夏季入段なので1年目はほとんど対局していないものの、以降は当たり前のように毎年何十勝もしています。
それは言うまでもなく、毎年実力を大きく向上させているからですね。
高い勝率を続けることが困難なシステムの中で、成績を維持する・・・。
これは並大抵のことではありません。

そして、2年目のジンクスが最も分かりやすいのは新初段です。
なにしろ、必ず全ての棋戦で一番下からスタートしますからね。
翌年のスタート地点は、各棋戦によって上がることもあれば同じということもありますが、下がることだけはありません。
さらに、1年目の棋戦で勝ち残っているものは、そのまま2年目に対局が持ち越されます。
つまり、2年目は高確率で相手の平均レベルが上がるのです。
今年成績が良かった棋士もそうでなかった棋士も、ある意味では2年目からが本番と言えるでしょう。

さて、ここで実際に対戦表をご覧頂きながら説明する予定でしたが、かなり遅い時間になってしまいました。
続きは明日投稿する予定です。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は1月28日(火)、2月12日(水)、2月28日(金)、3月27日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日(今月は第3土曜日)に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手合日について

2019年11月13日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)

<本日の一言>
ヤフーとLINEが経営統合へ、というニュースが出ましたね。
これもキャッシュレス戦争の一環でしょうか。
勝負手を連発している感じですが、どんな結果になるでしょうか?



皆様こんばんは。
本日は手合日についてお話ししたいと思います。
手合とはつまり対局のことなのですが、その中でも特に「棋戦」での対局を指してこう呼びます。
棋士になるということは、この手合を打つ資格を得るということなのです。

手合が行われる日はある程度決まっており、日本棋院では木曜日が公式対局日となっています。
しかし、それだけでは棋戦の進行に支障をきたすので、月曜日に行われる対局もあります。
諸々の都合でその他の日に対局が行われることもありますが、例外と言って良いでしょう。

さて、手合(持ち時間各3時間)の基本的なスケジュールは以下のようになっています。

10:00・・・対局開始
対局室に入って一番最初にするのは、電子機器をロッカーに預けることです。
それから、碁盤を拭き清めたり飲み物の準備をして対局開始を待ちます。
定刻になると、立会人の合図もしくはブザーにより握りを行い、時計を押して対局開始となります。
なお、席の上下についての規定があり、座席と時計の位置は予め決まっています。

11:45・・・昼食休憩
本格的な戦いが始まるかどうかというところで休憩に入ることが多いです。
といっても個人差は大きく、長考派同士が対局すると20手ぐらいしか進まないこともあります。
逆に、稀ですが午前中で対局が終わってしまうこともありますね。

昼休憩が近付くと、だんだん集中力が落ちてきます・・・。
ミスが出やすいので慎重に考えたり、そもそも着手しないようにしたりします。

お昼の過ごし方は様々ですが、気分転換も兼ねて外に食べにいく人が多いですね。
私は毎回同じ店に行っていましたが、飽きてきたので最近は新しいお店を開拓中です。

12:30・・・対局再開
さて、お腹も満たされて午後も頑張るぞというところですが・・・。
一度緊張が緩んでいるので、結構危ない時間帯のような気がします。
集中力が戻ってくるまで、慎重に過ごしたいところです。

14:00・・・3時間15分経過
大部屋で対局していると、このぐらいの時間に1局ぐらい終わっているイメージがあります。
早く終わる理由としては、
○序盤で形勢が傾いてしまった
○致命的なミスが出てしまった
○対局者が大竹英雄名誉碁聖
などが挙げられます。

16:00~16:30・・・5時間15分~5時間45分経過
このぐらいの時間になると、半分ぐらいの対局が終わっている気がします。
残っている対局も、どちらかが秒読みに入っていることが多いですね。

17:00・・・6時間15分経過
かなりの対局が終了して、残り少なくなっています。
確実にどちらか、もしくは両方が秒読みに入っています。

18:00・・・7時間15分経過
この時間に終わるのは大体最後の対局ですね。
そうなると周りを気にする必要が無いので、そのまま検討が始まることも多く、さらに長引くことになります。
忙しいときに限って、相手がなかなか帰してくれないことも・・・(笑)。


大体このような流れで対局が行われています。
長く集中力を保たなければならないため、対局後はかなりの疲れを感じます。
しかし、リーグ戦など持ち時間5時間の対局もあり、終了が22時や23時になることも・・・。
体力作りに励むトップ棋士が多いことも頷けますね。

さて、明日は私も対局があります。
難敵ですが、自分の碁を打つように心がけたいと思います。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は今後は10月11日(金)、11月15日(金)、12月13日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。
 
☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
 
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。4冊目は8月13日に発売予定です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ルールとマナーと作法

2019年09月08日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)

<本日の一言>
台風15号は「非常に強い台風」になっているそうです。
大きな被害が出ないことを祈っています。
明日のSGW杯予選も無事に行われると良いですね。



皆様こんばんは。
本日は囲碁の対局中のマナーなどについてお話ししたいと思います。

囲碁は単なる勝ち負けだけではなく、人と人とのコミュニケーションという面もありますから、マナー良く対局したいものです。
ただ、そうは言ってもなかなか完璧に振舞えるものではありませんし、お互いがマナーに気を使いすぎて対局を楽しめなくなっても困ります。
まずは優先度の高いマナーを守ることから心がけていくと良いでしょう。

ところで、マナーと関連するものとして、ルールと作法があります。
これらはしばしば混同されがちですが、基本的には別のものと考えるべきでしょう。

<ルール>
対局を成立させるため、守らなければならないことやってはいけないことです。
例えば、2手打ちしたり、取られたコウをすぐに取り返したりすることはルール違反になります。
反則負けになっても文句は言えません。
と言うより、文句を言ってしまうとトラブルに発展する可能性があります。
また、アマ同士の対局ではしばしば「待った」が横行しますが、これももちろんルール違反です。
親しい間柄で打っていると、お互い様ということになるかもしれませんが、それに慣れていると他の人と打ったときに問題が起こります。
「待った」が習慣になってしまうことは避けたいものです。

<作法>
私の定義では、美しく対局するための方法ということになります。
例えば、碁石の持ち方や姿勢が良いと美しく見えますが、できないからと言って相手に失礼ということはありません(あまりにも酷い姿勢で打つ人は、その限りではありませんが・・・)。
また、ハンデ戦での置き石の順番も作法に属すると考えられます。
一応正しい順番とされるものはありますが、違った順番で置いたところでどうということはありません。
同様に、初手を空き隅に打つ場合、右上に打つということも作法ですね。

対局姿を見せることも仕事のうちであるプロは別として、作法は自分のためにあるものだと思います。
ですから、作法と違っているからと言って、相手が文句を言う権利はありません。
時々、作法に従わないと怒り出す人もいますが、そういう人に限って対局マナーが悪かったりします(笑)。

<マナー>
それでは本題に入っていきましょう。
マナーとは、お互いが気持ち良く対局するため、守るべきことするべきではないことです。
マナーを守らなかったからと言って碁が負けになるわけではありませんが、非常に大切なことです。
場合によっては、ルールよりも優先されることもあるでしょう。
ルール違反をすれば反則負けになりますが、マナー違反が酷いと対局相手がいなくなってしまうこともあるでしょう。

さて、それでは優先度の高いマナーとは何でしょうか。
それは相手や周囲の人の思考を邪魔したり、不快にさせたりしないことです。
例を挙げると、

○碁笥に手を突っ込んで石をジャラジャラさせる
○碁石を手に持ってジャラジャラさせる
○頻繁に石を強打する
○大声でぼやく
○相手の手を批判する、馬鹿にする
○対局前、対局後に挨拶をしない

といったことがありますが、このようなことは避けたいものですね。
本人に何の得があるわけでもありませんし・・・。

囲碁は集中力が必要なゲームなので、初心者のうちはマナーに気を配る余裕が無くても仕方ない面もあります。
それでも、最低限のマナーだけは身に付けておきたいものです。
マナーの悪さが染み付いてしまうと、後で直すのは大変です。

もちろん、プロにとってもマナーは大切です。
例えば、杉内寿子八段や羽根直樹碁聖、山下敬吾九段といった人たちは対局マナーが良く、姿勢も美しいですね。
あの姿を見習わなければいけません。

では自分はどうかと言えば、完璧には程遠いですね。
悩むとついボヤキが出てしまいますし、姿勢もだんだん悪くなってきます・・・。
まずはボヤキだけでも減らせるように心がけたいと思います。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター
・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は10月11日(金)、11月15日(金)、12月13日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする