白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

9月の情報会員向け解説

2016年09月05日 23時13分44秒 | 日本棋院情報会員のススメ
皆様こんばんは。
本日は毎月恒例となった日本棋院情報会員のPRを行いたいと思います。
なお過去の記事はこちらです→第1回 第2回 第3回 第4回
棋譜再生ソフトの使い方は第4回で詳しく解説しています。

本日ご紹介するのは趙治勲名誉名人金秀俊八段の対局です。
師弟対局は序盤から終局まで戦いが続く物凄い碁でした。
あまりに濃い内容に解説の分量は5割増し、労力は2倍
ぜひ1局丸ごとご覧頂きたいですね。
当ブログではその中の一部をご紹介します。



今回はいきなりな場面から始めてみます(笑)
左上に激戦の跡が残っていますね。
もちろんその部分も詳しく解説しています。





(参考図)「白1と受けさせれば黒2と止めてしまう狙いです。
黒△が働いています。」





(実戦)
「白としては当然の反撃です。
黒は予定通りの進行のはずですが、しかしどうするのでしょうか?」
ここで参考図が2つ入りますが、スペースの都合上省略します。





(実戦)「黒はこの返し技を用意していました。
AとBを見合いにしています。」
ここで白Aと白Bそれぞれについて参考図で解説していますが、省略します。
どちらもダメという事です。




(実戦)「白もまた凄い手を返しました。
まるで自殺手ですが、どういう意図なのでしょうか?」
ここで参考図が2つ入ります。





(参考図1)「黒1、3と打たれると3子を取られてしまいます。
しかし実はこれが白の注文です。」
参考図2に続きます。





(参考図2)「前図の後白1と繋ぐ手が成立します。
黒2と打つと白5が両当たりになります。
これが白の狙いでした。」





(実戦)白の狙いを察知して先にハネ出しを決行しました。
虚々実々の駆け引きです。





(実戦)
白1「出る一手です。」
黒2「切って行きました。
白を取れるわけではありませんが、どういう狙いでしょうか?」ここで参考図が2つ入りますが省略します。
白3「1子を逃げずに切りました。
正着です。」
黒4「この一手です。」ここで参考図が入りますが省略します。
白5「当然繋ぐ一手です。
次に白Aがありますが・・・」
黒6「構わず押さえが好手です。」
白7「白は当然2子を取りますが・・・」
黒8「2子を捨て石に渡る作戦でした。」





(実戦)
白1「取るしかありません。」
黒2「こういう所を放り込んでおくのは大事です。」参考図で放り込む理由を解説していますが省略します。





(実戦)
白1「欠け目になりました。」
黒2「それから渡ります。」





(実戦)「白も守りました。
これで右辺一帯の戦いは一段落です。
黒は隅の石を救出し、白は上下を繋がりました。」
最後にここでの参考図を載せます。





参考図「繋がったと言うのは、黒1から無理やり切断しても良い事が無いからです。
下辺の黒模様が消えてしまいます。」

この後白が下辺に突入して、さらに100手近く戦いが続きます。
最初から最後まで目が離せない1局でした。

もう1局の解説は彦坂直人九段佐々木毅六段戦です。
当ブログでも一部をご紹介しましたが、両者の軽やかなサバキが印象的な1局でした。

来月は山田規三生九段村松大樹六段王景怡会津中央病院杯(当時)対稲葉かりん初段の2局を解説する予定です。
ご興味をお持ちになった方は、ぜひ日本棋院情報会員にご入会ください!
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