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「紹介予定派遣」期間長く・経団連が規制緩和案

2007-04-22 16:04:00 | Weblog
「紹介予定派遣」期間長く・経団連が規制緩和案 2007年4月21日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070421AT3S2001S20042007.html
 日本経団連は労働者派遣など雇用に関する規制緩和を急ぐよう求める提言をまとめた。正社員採用を決める前に派遣社員として一定期間受け入れる「紹介予定派遣」の期間延長などが柱。産業界で人手不足感が強まる一方、1990年代後半に学校を卒業した世代は「年長フリーター」などとして働いている。派遣をテコに人手不足の緩和と潜在労働力の開発を急ぐ狙い。
 今国会ではパートタイム労働法など雇用ルール改革6法案を審議しているが、雇用法制の抜本見直しはまだ入り口段階。7月の参院選後には雇用ルール見直し論議が再浮上する公算が大きい。経団連が求めた労働者派遣の規制緩和はそのポイントの一つにになりそう。


 で、もし安倍首相が本気で美しい国(勿論ゴミが落ちていないという意味ではなく心が美しいという意味で…)作りに取り組むつもりがあるのならば、とりあえずは、経団連の紹介予定派遣の労働条件を悪化させるような発言には、突っ込みの一つくらい入れて欲しいものだと思います。
 というのも、紹介予定派遣と似たような働き方で、試用期間という考え方があり、1ヶ月~3ヶ月程度働きぶりを見て本採用するかを決めるのですが、この試用期間の場合は、病気がちで休んでばかりいるといった特別な理由がない限り、試用期間を延長することができず(試用期間中の解雇は本採用になってからの解雇よりは解雇制限が緩いため、以前はよく用いられていた手口でした)、だからこそそれに変わる形として、(クビを切りやすい)紹介予定派遣という働き方が浸透してきたのだと思います。それだけに、この規制を緩めることは不安定雇用を増やし、格差を広げ、しいては治安の悪化にもつながるリスクが高まるのではないでしょうか。
 世間的には参議院選挙にはそれ程の関心は払われていない(どうせ与党が勝つと思い込んでいる人が多い?)ようですが、予定通り?与党が圧勝した場合には、この紹介予定派遣の緩和だけでなく、ホワイトカラーイグゼンプションの議論も再燃してくるのでは…という懸念を感じずにはいられません。

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