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これ以上看護師に負担を増やしてどうする気? 看護師2交代制検討 労組と調整、試行へ県立病院―沖縄

2006-10-19 00:28:17 | Weblog
看護師2交代制検討 労組と調整、試行へ県立病院 2006年10月18日 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-18106-storytopic-1.html
 県議会決算特別委員会(小渡亨委員長)は17日、県立病院の経営問題や医師確保対策、医師の過重労働の解消などについて審議した。病院事業局は、連休を取得しやすいなど看護師の労働条件を改善する可能性があるとして、現在の3交代制に代わり2交代制の導入を検討していることを明らかにし、「試行に向け検討会を開いている」と述べた。賛否もあることから同局は今後、組合との調整を経た上で試行する考えだ。
 委員会では与野党の議員から、不採算部門の離島医療などについて一般会計からの繰入金を増やす必要性が相次いで指摘された。県病院事業局の知念清局長は経営改善策として、業務の外部委託や安価な後発薬品の採用、医薬品の一括購入による節減をさらに進める考えを強調した。
 一般会計からの繰入金について病院事業局は、小児科や周産期、救急医療など総務省が政策医療として規定している部分は「おおむね適正に繰り入れられている」としながらも、「離島医療にかかる費用は(総務省の基準に)明記されていない。政策的な判断で繰り入れるべきだと(県の財政当局に)主張している」と述べた。
 病院事業局は、県の繰入金が2004年度は約37億円で、全国平均の約52億より低く、「47都道府県中24位」と説明した。
 産婦人科や離島など医師の偏在による医師不足を解消するための手当金の導入について當眞正和次長は「今後の検討課題」と述べた。
 県立宮古病院の改築時期については「本年度中に関係機関と調整したい」と述べた。


 2交代といっても深夜の勤務がなくなるわけでもありませんし、おそらくは準夜(15時~24時前後の勤務)と深夜勤務をくっつけようという発想なのだと思いますが、それでなくても緊張を強いられる看護師の仕事なのに、深夜の人員が増えなければ却って医療ミスが増えるリスクが高まるだけではないでしょうか。
 コンピューター機器のオペレーターなどは深夜勤務はむしろ日中より暇で、場合によっては交代で仮眠を取ることも可能ですが、看護師は最低限の人員(夜勤時は看護師1人で20人以上の患者を受け持っているのが普通。それなのにどういうわけか、看護師は夜勤は仮眠をとっているものと誤解している人が少なくないんですね……)で現場を回していますし、患者さんのナースコールを受けたり、緊急の患者さんに接したり業務密度はむしろ日中より高いはず。こういった現場にとっては当たり前な現実を無視して、こういった議論をするのは、根本的に違うのでは…という気もしますね。

 参考までに、少し古い資料ですが(80年代 新日本出版社 看護婦をふやして! より引用)、病床100床あたりの看護師の数は日本が18.3人に対し、フランス69.1人、スウェーデン61.9人、アメリカ55.1人、イギリス40.2人、西ドイツでも29.6人。日本の場合は、当時と比べても看護師の補充が飛躍的に進んだという話も聞きませんし、勤務体系を変更する以前に、看護師の量を確保して有給や生理休暇を気がねなく取得できる人員確保の方が、余程現場に喜ばれると思うんですけどね…。


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