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大阪・松原市長に新人の澤井氏当選

2009-06-01 13:05:30 | Weblog
大阪・松原市長に新人の澤井氏当選 2009年6月1日 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090531/lcl0905312235003-n1.htm
 任期満了に伴う大阪府松原市長選は31日、投開票され、前市議の澤井宏文氏(38)が、市民団体代表の梅木佳章氏(58)を破り初当選した。投票率は41・98%。


 大阪府松原市は、大阪市と堺市の中間にある人口12.4万人の市ですが、市長選は現職の中野孝則氏が出馬を見送ったため、自民・公明・民主が相乗りした38歳とまだ若い沢井宏文氏に、共産党が推薦する梅木佳章氏の2新人の争いとなったのですが、『「必ず、1年で松原市の地域医療の水準が少しはマシになったなと言ってもらえるよう、第一に取り組む」と宣言し、就任直後に市長直轄チームを設けて地域医療の再生を目指すと約束そ。一方で「財政問題の解決なくしてまちづくりは語れない」』とも述べ、歳出削減や税収確保などへの積極姿勢も強調した澤井宏文候補が23066票を獲得し、
 市立松原病院について「復活再建に全力を尽くすことを約束する」と訴え今回の選挙戦を「市民の命、健康を守り、福祉を進める市民の市長を選ぶのか、医療、福祉を破壊する市長を選ぶのかが問われる」と位置づけ、国民健康保険料や介護保険料の減免、乳幼児医療費の助成、妊産婦検診の無料化など「福祉最優先」の公約メニューを掲げ、中小企業支援なども打ち出して18277票を獲得した梅木佳章氏を破り初当選しました。
 とはいえ、いくら京都同様共産党の勢力が相対的に強い大阪の自治体とはいえ、自民と民主の双方が推薦するオール与党VS共産党単独体制で、しかも沢井氏は梅木氏よりも20歳も若いという圧倒的に有利な立場でありながら、票差は4789票差で梅木氏の得票率も44.2%を占めるなど、予想外?に梅木候補が善戦したといった印象がありますし、3月末をもって突然閉院された市立松原病院(病床数162)問題という特殊要因があったとはいえ、新市長となる沢井氏にとっては予想以上の逆風となりそう…。

 全国的に医師不足問題が深刻化する中、いくら至便な立地にあるとはいえ、昭和37年に建てられた建物は老朽化が進み、しかも平成19年度決算で約39.7億円の累積赤字(直近5年間で26.7億円増加、昨年は7.98億円の赤字)を抱えていた市立松原病院を一般会計から支え続けることは現実的にはかなり厳しいものがあったのでしょうし、自治体財政を考慮するとやむを得ない決断だったのかな…と思いますが、松原市内の他の大きな病院は、病床数235の阪南中央病院(最寄り駅は布忍(ぬのせ)駅でほとんど堺市寄り)と療養病棟が中心の明治橋病院、河内天美駅近くに病床数70の私立の病院(松原徳洲会病院)など。
 産婦人科や小児科といった救急診療を要するような分野の駆け込み先の1つがなくなり、もう1つの総合病院(阪南中央病院)に負担が集中するようなことになれば、今度は阪南中央病院の機能がパンクしかねませんし、新市長としては、いかに病院閉鎖による影響を最小限に収めると共に、市民の不安を解消していくかが強く求められているように思います。


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