長崎県大村市長選は現職松本氏が子弟対決を振り切って再選

　長崎県大村市は、県のほぼ中央に位置し長崎空港もある人口9万人程の長崎市や佐世保市のベッドタウン的性格も合わせ持つ市で、市長選は2002年9月から2期8年＆通算4期現職を務めた松本崇氏に対して、前市議会議長の里脇清隆氏、社会福祉法人理事の北村貴寿氏の両新人が挑戦しましたが、
　国道３４号拡幅や、赤字体質だった競艇事業を黒字に転換させ、市民病院の民営化などで行財政改革に成功した点について、「対話と決断力で実現した」とアピールすると共に、「行財政改革をやり抜く」と実績面を強調した松本崇氏が20577票を獲得し、
　現職の通算４期について多選の弊害を指摘し、議長時代に公用車を廃止したり、議会改革に取り組んだ実績をアピールするとともに、市に営業部を新設し、大村の生産品を他県に売り出すと訴え18769票を獲得した里脇清隆氏を僅差で振り切り、通算5期目の当選を決めました。
　大村を素通りの街から「人が集まる街へ」と訴え、大村湾でのマラソンなどスポーツ大会の開催や、海浜公園を整備して自然を生かした交流イベント促進も掲げると共に、市長報酬は市民の行政評価で削減検討すると訴えた37歳若手の北村貴寿氏は支持が伸びず3236票の獲得に留まりました。

　まあ、大村市の課題である九州新幹線長崎（西九州）ルートなどでは意見が分かれていないなど、元々争点が見えにくいまま、実質的には健康不安や多選批判もある現職がどう評価されるか…だったのだとは思いますが、市民は一応は現職を支持した形。
　とはいえ、獲得票数は過半数に満たない消極的支持的側面も強かっただけに、再選を果たした松本氏はおそらくは最後の任期となる次の4年間でどれだけの実績を打ち出すかが評価の分かれ目につながるかと思います。

★長崎県大村市　市長選挙結果
当　20577　松本崇（69）　無現
　　18769　里脇清隆（51）　無新
　　3236　北村貴寿（37）　無新