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それでもトヨタは庶民にとって雲の上の超一流企業…(溜息 トヨタ関連ニュース5本

2009-03-14 21:26:07 | Weblog
トヨタ、7100円定昇実施へ 春季交渉、実質賃下げ行わず 2009年3月10日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090310AT1D090BI09032009.html
 トヨタ自動車は定期昇給分にあたる賃金制度維持分について満額(7100円、組合員平均)を支払う公算が大きくなった。経営側はすでに賃金改善要求(4000円)に対しゼロ回答する意向だが、実質的な賃下げになる初の定昇カットは見送る見通し。交渉の焦点は年間一時金(ボーナス)に移るが、業績が悪化する中で労使の隔たりは依然として大きい。
 トヨタ労組は今春の労使交渉で賃金改善として、昨年要求の月額1500円(組合員平均)を大きく上回る同4000円を求めた。これまでの交渉で経営側は「現在の会社の置かれた状況から、かけ離れた水準」として4年ぶりに賃金改善を見送る姿勢を示している。一方の賃金制度維持分については「生産性向上など責務を果たしている」という組合側の主張を受け入れるもようだ。

トヨタ:「ベアゼロ」決着へ 一時金は「5カ月」軸に 2009年3月10日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090311k0000m020157000c.html
 トヨタ自動車の09年春闘の賃上げ交渉が4年ぶりにベースアップゼロで決着する見通しとなった。経営側は組合員平均7100円の定期昇給については満額回答する方針で、事実上の賃下げは回避される。今後は回答日の18日に向け、年間一時金(ボーナス)について「基準内賃金5カ月+20万円」を求める組合側と、夏冬合わせた年間支給額を決める年間協定に難色を示す経営側との間で「5カ月」を軸に攻防が繰り広げられる。
 トヨタ労組は連合など上部団体の「物価上昇に見合った賃上げ要求」に同調し、組合員平均4000円のベアを要求。経営側は08年度業績の赤字転落を受け、当初は定期昇給の減額も辞さない姿勢を示した。
 その後の2回の交渉で経営側は「短期的な物価上昇を直ちに賃金に反映するべきではない」とベアゼロ方針を固持。一方で、組合員の生活の安定や業績回復への意欲を維持するためには定期昇給の維持が不可欠と判断した。
 組合側は業績悪化を踏まえ、ボーナスの要求額を前年妥結額の約2割にあたる55万円減額した。しかし経営側は、年間協定は困難との姿勢を崩さず「組合の要求は基準内賃金5・6カ月分にあたるが、赤字企業の相場は4カ月」(幹部)とけん制している。

トヨタ、一時金「満額」見送り 初の夏のみ回答へ 2009年3月12日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090312AT1D120CJ12032009.html
 トヨタ自動車は12日、今春の労使交渉で、労働組合による年間一時金の要求に対し満額回答を見送る方針を明らかにした。年間協定を結んで夏季・冬季の支給分を春に一括して決める交渉方式も見直し、今春は夏季分に限って回答する。年間協定を結ばないのは初めて。業績が急激に悪化するなか、満額回答を10年ぶりに見送ると同時に異例の措置をとる。
 トヨタの労組は昨年要求を55万円下回る基準内賃金5カ月プラス20万円(組合員平均198万円)の年間一時金を要求。会社側は「到底応じられない水準」(渡辺捷昭社長)と一貫して厳しい姿勢で、「先行きを見通せないなか、冬季分まで春に決めるのは困難」と交渉方式の見直しも主張してきた。

トヨタ管理職ボーナス半減、業績悪化に「全社で痛み共有」 2009年3月14日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090314-OYT1T00089.htm
 トヨタ自動車は13日、2009年度に支給する課長級以上の管理職の年間賞与(ボーナス)を前年度より5割程度減らす方針を固めた。
 トヨタは09年3月期の連結営業利益が4500億円の大幅な赤字に転落する見通し。09年度も業績の急激な回復は見込めないと判断し、管理職の人件費を大幅カットする。春闘交渉での組合の要求に対して回答する18日にも正式発表する。
 今回の春闘で、トヨタの労働組合は組合員平均で198万円の年間一時金(賞与)を要求している。組合側の要求額は前年より2割以上少ないが、経営側は業績悪化を理由に満額支給しない方針だ。09年度は取締役に対する賞与も支給しないことを決めており、管理職に対する賞与の大幅カットは、「全社で痛みを共有する」(幹部)狙いがある。
 トヨタの管理職は約9000人。08年度の冬は管理職の賞与を1割カットしていた。

トヨタの2次下請け、初の経営破綻 受注急減 2009年3月5日 
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0305/NGY200903050011.html
中日 http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2009030502000261.html
 トヨタ自動車の2次下請け内装品メーカー、日本高周波(愛知県豊田市)が事業を停止し、近く名古屋地裁岡崎支部に自己破産を申し立てる方針であることが5日わかった。帝国データバンク名古屋支店によると、負債額は約26億円。米国発の金融危機が深刻化した昨年秋以降、トヨタの2次下請けメーカーが経営破綻するのは初めて。
 同支店によると、日本高周波は50年の創業で、従業員は約90人。トヨタの高級車ブランドレクサスなどの、ドアの内側や座席頭部の内装品をつくっていた。トヨタ自動車の増産に伴い、04年度に37億円だった売上高は、07年度には113億円と3倍に拡大。07年には新車種向けの工場を豊田市内に新設したという。
 だが、世界的な不況で08年秋以降、受注が大幅に減り、資金繰りが悪化。製品の9割近くを買い取っているトヨタグループの主要部品メーカー、トヨタ紡織が設備を買い取るなどして再建を支援していたが、事業停止を余儀なくされた。



 う~ん。終戦直後以来の巨額の赤字を計上したといっても、さすがはトヨタ自動車。この不況下でも平均7100円の定期昇給(ベースアップ=ベア)を行なうなんて、なんて羨ましい…(溜息
 トヨタと言えば、労組幹部が昨年要求の1500円を上回る4000円の賃金改善を要求するなど、どうも世間の感覚とのずれを感じていたのですが、さすがにこちらは問題外としてでも、並の企業ならば、営業赤字を4500億円を出せば定昇(ベア)も含めて賃上げそのものをストップして賞与も若手社員のレベルまで大幅削減する方が普通。このあたりは、やはり超大企業なんでしょうね…(溜息

 ちなみに、トヨタといえば、2時下請けとはいえ、内装品メーカーの日本高周波(東京本社の日本高周波鋼業や浜松本社の日本高周波技研工業とは全くの別会社)がグループ企業としては初の経営破綻。
 まあ、トヨタグループと言ってもデンソーのような基幹技術をもったグループにとって必要不可欠なメーカーというわけではなく、一内装品メーカーに過ぎませんし、これまでもトヨタ紡績主導で再建支援してきたものの、再建できなかったことから、こちらの法的整理は時間の問題だったのかな…とも思わなくもありませんが、この発表から日を置かずに、トヨタ本社は従来通り定期昇給を行なうと発表したことは、グループ会社に少なからず動揺と心理的反発を招くことになったのではないでしょうか…。

 これまでトヨタが過去最高の利益を上げ続けてきたのも、元はといえばグループ企業が頑張ってきたからこそできたことでしょうし、本社の定昇分の財源を回したところでどうこうなるというものでもないとは思いますが、もう少しグループ企業に対する配慮というものがあっても良かったと思うんですけどね…。


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