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日系ブラジル人:就学期の子供700人が学校行けず 他ニュース1本

2007-07-05 13:32:11 | Weblog
日系ブラジル人:就学期の子供700人が学校行けず 浜松 2007年7月1日 毎日
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070701k0000m040140000c.html
 出稼ぎの日系ブラジル人が全国で最多の浜松市で、約700人もの外国人児童・生徒(6~15歳)が学校に通わず生活実態も不明なことが分かった。地元の日系ブラジル人の中には「『短期なので』と思い子供を(工場などで)働かせてしまう家もある」と話す人もいる。市内では6月に15歳未満の子供の年齢を偽り工場で働かせていたとみられる市内の企業を静岡県警が摘発しており、実態解明を求める声が上がっている。
 市国際課が05年に外国人家庭を戸別訪問して調べたデータと、今年春の外国人登録証で判明した就学年齢の子供の人数から分かった。同課によると当時、416人が未就学で、戸別訪問などで129人は帰国を確認できたが、239人は所在すら不明だった。
 一方、市教委によると、今年4月末で外国人登録していた同年代の子供2923人のうち、市内の小中学校に通っていることを確認できたのは1558人だけだった。残りの約1400人については外国人学校に通うケースもあることから、05年の調査の割合から類推し、約700人が未就学と判断した。
 日本では90年に日系人の在留資格が緩和され、来日日系人が急増。製造業が多い浜松市ではブラジル人を中心に、5月末現在で3万2668人が暮らす。市は外国人が多く住む地域で学校に通訳を配置しているが、住居や賃金で劣悪な労働環境にあるため、子供の教育まで余裕がない家庭が多いのが実態という。
 県警浜松中央署は6月25日、無許可で人材派遣業を営んだとして、市内の通訳・翻訳会社の日系ブラジル人社長(54)を、労働者派遣法違反容疑で逮捕。労働基準法で雇用が禁じられている中学生以下の日系ブラジル人を工場に派遣した疑いでも追及するが、県警が外国人の子供の不法労働を摘発した例はこれまでほとんどなかった。
 日系ブラジル人で、浜松市内のブラジル人学校の校長(53)は「子供が工場で働いていると聞くととても悲しい。子供に教育を受けさせるには、まず親の教育が必要」と指摘。日系ブラジル人2世で、浜松市東区のコンサルタント業の吉村州二(しゅうじ)さん(49)は「自分は17年前に来日し、息子と娘は公立中学に通わせたが、同郷の親の中には『言葉が通じないから』と言われてそのまま学校に行かなくても容認している人も多い」と話している。

◇まず親の雇用安定 日系ブラジル人のイシカワ・エウニセ・アケミ静岡文化芸術大准教授(社会学)の話 私も就学年齢なのに工場で働いている日系ブラジル人の子供を何人か知っている。外国人労働者を「短期労働者」としか見ない今の国の政策を変えるなど、彼らの雇用安定を図ることを真剣に考えなければ問題は解決しないだろう。


日本の外国人研修、「強制労働につながる」と米が廃止提案 2007年7月4日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070703i215.htm
 米国務省のマーク・レーゴン人身売買監視対策室長は3日、東京の米国大使館で記者会見し、日本政府に対し、不当な低賃金労働などが社会問題化している「外国人研修・技能実習制度」の廃止を提案したことを明らかにした。
 レーゴン室長は外務省で同日、法務省、警察庁、厚生労働省、内閣府の担当者を交えて開かれた会議の席上、「研修制度に参加した研修生が、強制労働や性的な労働に引き込まれるような可能性を秘めている」と述べ、制度の廃止を提案。同制度については、国務省が6月12日に発表した「人身売買年次報告書」の中で初めて触れ、「制度の名のもとで、強制労働の状態にある者がいる」と言及していた。
 日本側は、これに対し、制度の改正を含めた人身取引撲滅への近年の取り組みを紹介し、米側に理解を求めた。



 世間では、中々人手が確保できない製造現場の経営者を中心に『外国人移民の受け入れの拡大』を望む声もあるようですが、合法的な日系移民でさえこの状態では、移民の拡大なんて夢のまた夢(仮に受け入れても移民排斥運動が起こりかねません)でしょうね。
 まあ、働き手の賃金格差や労働条件の問題はこのスレッドでは割愛するとしても、もっと深刻なのは、働く労働者の子供達が学校に通わずに、時には工場で働いていることさえあるという深刻な現実。
 子供に教育を与えずに、早期に労働の現場に放り込むと、その子供が将来就くことができるお仕事の幅を狭めてしまいかねないと思いますし、大体、労働力だけ提供させて子供の教育は自治体に任せっぱなしというのは、いささかムシが良すぎる要求ではないかと思います。どうも日本人は『移民を受け入れることは、その家族も受け入れる』という、ごくごく当たり前のことが見えていない方が多いように思いますね。

 一方、アメリカは改めて、この人身売買状態を批判。勿論、この発言の裏には、国際間で奪い合いをしている、移民という名の割安な労働力を、不当に日本に奪われることを懸念した牽制の意味合いもあるのではないかと思いますが、確かにフェアではありませんし、この制度の抜本的な見直しは不可欠ではないかと思います。
 もうそろそろ 『外国人=安く使える便利な労働力』という意識を取り除かないと、冗談抜きに日本という社会が世界から見捨てられそうな危惧を感じているのは私だけでしょうか…。


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