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名張市社協:51人分の失業保険加入手続き、怠る 担当職員を懲戒処分 /三重

2006-10-12 01:19:15 | Weblog
名張市社協:51人分の失業保険加入手続き、怠る 担当職員を懲戒処分 /三重 
2006年10月6日 毎日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061006-00000260-mailo-l24
 名張市の外郭団体「市社会福祉協議会」(西博美会長)の50歳代の女性職員が、新規採用職員51人の失業保険の加入手続きを怠っていたとして、昨年10月に女性職員を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にしていたことが明らかになった。5日開かれた市議会決算特別委員会で、田合豪議員(沖津藻(おきつも))の質問に亀井利克市長が答えた。加入手続きの遅れは最大で3年3カ月になり、昨年3月に退職した職員は勤続年数が実際よりも短く計算されたため、失業給付金が本来受け取る額よりも約15万円少なかったという。今後、職員が退職し、失業給付金が本来受け取る額よりも少ない場合、女性職員と幹部職員が私費で弁済する方針。
 社協によると、雇用保険法に基づき、新規採用職員は採用の翌月までに公共職業安定所に失業保険の加入手続きをしなければならなかったが、女性職員は78~96年に採用された職員51人の加入手続きが遅れた。2年間の加入猶予期間も設けられているため、37人は加入できたが、残る14人は実際よりも加入期間が最大で1年3カ月短くなった。 また、加入手続きをしなくても、保険料は給料から天引きされたため、職員と社協が折半して負担する14人分の保険料約16万円が無駄になった。
 失業保険は ▽勤続6カ月以上10年未満 ▽同10年以上20年未満 ▽同20年以上――の3段階で、それぞれ給料の90~150日分が給付される。だが、14人中、既に退職するなどした職員らを除く11人は退職した場合、社協の試算では、失業給付金が最大で計約200万円少なくなるという。
 女性職員はこれまで手続きの遅れを上司に報告していなかったが、昨年3月末に退職した職員が、本来受け取る額よりも少ない失業給付金を受け取ったため、社協に問い合わせ、問題が発覚した。社協の調査に対し、女性職員は「うっかり忘れていた」と話しているが、ミスが何度も繰り返されていたため、社協は職務怠慢だったとみている。
 女性職員は勤続32年で長年、総務課で会計部門を1人で担当していた。社協は再発防止策として、人事異動を頻繁にすることや、業務のチェック体制を強化することを決めている。西会長は「極めてずさんな事務処理で損害を与え、申し訳ない」と話している。


 失業保険金は、求職活動中の生活を維持するための貴重な生活費ですし、一般的に年齢が上がり給付日数が多くなる年代ほど、再就職には苦労するもの。それなのに職員のミスで給付額が少なくなってしまうのでは、勤めている職員はたまったものではありませんね。
 さすがに、この社協では、失業給付金が本来受け取る額よりも少ない場合、女性職員と幹部職員が私費で弁済する方針としているようですが、紙面では触れられていませんが、厚生年金の加入手続きの方はきちんとしていたのか、そちらの方がむしろ気がかりです。(老齢厚生年金は終身年金ですので、いくら実害が出るか予測できないという意味ではこちらの方がより深刻です)

 実際、このケースはまだマシな方で、中には同様のケースで実際に退職者が出て失業保険金が少ないことに気がついて、事業主に文句をいったところ、『徴収した社会保険料は返すからそれで勘弁してくれ』といけいけしゃあしゃあなことを平気で言う、モラルの低い経営者もいるようです。(この場合は雇用保険料ではなく年金保険料の方も未納だったので、問題はより深刻だったとか)

 ちなみに、もしどうしても自分の加入履歴を調べたいとなれば、雇用保険の場合は、ハローワークに出向いて、「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」に記入して提出して「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書」をもらうという面倒な手続を踏まなければなりませんが(http://www.miyarou.go.jp/new/news_03_1003_32.html 電話ではトラブルの元になるので照会には応じていません)、そこまでするのも面倒ですし、余程労使関係が悪くなければ疑わないのが現実なんでしょうね。
 もう少し加入の確認が楽に出来るなら、労働者側からのチェックも出来るんですけど、このあたりもう少し何とかならないでしょうか。


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