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三笠フーズ 汚染米販売問題 ニュース6本

2008-09-09 20:36:24 | Weblog
三笠フーズ、汚染米700トンを正規米に混ぜて販売 2008年9月8日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080907-OYT1T00702.htm
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080908k0000e040047000c.html
 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が工業用の「事故米」を食用に転売していた問題で、同社が過去5年間に、カビが生えるなどした工業用のうるち米約700トンを、外国産の正規の食品加工用米に混ぜて販売していたことがわかった。
 混入率は1割程度といい、同社幹部は「仕入れ値の安い事故米を混ぜることで原価を下げ、価格競争に勝つためだった」としている。
 同社によると、2003~07年度の間、カビや汚損による異臭を理由に用途を工業用に限定された、うるち米計約980トンを購入。このうち、少なくとも約700トンについて、カビを除去したり洗浄したりした後、米菓や焼酎などに使われる食品加工用米に混ぜて、熊本、鹿児島県の焼酎メーカーや大阪市内の米穀店などに販売したという。
 同社は正規の食品加工用米を年間約4000トン販売しているが、取引先との価格交渉で値引きを迫られた時や在庫が足りなくなった時に少量を混ぜていた。
 洗浄しても正規米とは色合いが異なるため、メーカーの抜き取り検査などで発覚しないよう、混入は1割程度に抑えていた。多額の値引きが必要な場合には混入量を増やすなど調整。取引先には「企業努力で値を下げた」と説明していたという。同社は事故米を混入した食用米の販売総量は不明としているが、ほとんどがすでに消費されたとみられる。
 コメの販売価格は正規の食品加工用で1キロ当たり50~70円、工業用のりで30円。同社は事故米を1キロ当たり十数円で仕入れ、本来の工業用でなく、食品加工用として売ることで多額の利ざやを得ていたとみられる。


三笠フーズ、大手商社2社からも汚染米740トン購入 2008年9月8日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080908-OYT1T00392.htm
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080908AT1G0801E08092008.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/0908/TKY200809080189.html
 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が、発がん性のあるカビ毒や残留農薬に汚染された工業用の「事故米」を食用と偽り転売していた問題で、同社が過去5年間に国から直接購入した汚染米1779トンとは別に、商社2社から約740トンの汚染米を買い取っていたことが8日、農林水産省の調べでわかった。
 同省は、汚染米の流通量がさらに膨らむとみて実態解明を急いでいる。
 新たに判明したうち約600トンは、ネオニコチノイド系の殺虫剤「アセタミプリド」が基準値を超えて残留していたベトナム産米で、「双日」(東京都港区)が輸入し、九州の米穀卸会社を通じて三笠フーズに売却された。約140トンは、2005年度に輸入されたタイ米にカビが発生したため、住友商事(中央区)が国から買い戻し、三笠フーズに売却された。
 これらの一部は、福岡、鹿児島、熊本県の焼酎メーカーに販売されたとみられる。
 一方、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が検出された中国産モチ米の転売先となっている福岡県の仲介業者などが、不正を認識しながら取引していた疑いがあることが、同省の調べでわかった。
 福岡県の仲介業者は、三笠フーズから佐賀県の仲介業者を通じて事故米を購入し、福岡県と熊本県の米穀店に転売した。福岡県の仲介業者は三笠フーズの非常勤顧問を務めていた。
 同省は8日以降、政府から事故米を購入している三笠フーズ以外の16社に対し順次、聞き取り調査を始める。


三笠フーズ「汚染米」転売、10年前から…元責任者認める 2008年9月7日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080906-OYT1T00812.htm
 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が、発がん性のあるカビ毒や残留農薬に汚染された工業用の「事故米」を食用と偽り転売していた問題で、同社の非常勤顧問(76)が6日、読売新聞の取材に応じ、同社が約10年前から不正転売をしていたことを明らかにした。
 さらに「事故米転売は他の複数の業者も行っていた」と話し、業界で不正が横行していた疑いも指摘した。一方、農林水産省が、事故米の加工・流通状況を確認する検査に際し、日程を業者に事前連絡していたこともわかった。同社は、事前に用意した「裏帳簿」を見せるなどして不正発覚を免れており、農水省は「チェック体制が甘かった」と不備を認めた。
 この顧問は、福岡県で米穀飼料を製造販売する個人商店を経営していた。1997年に三笠フーズに買収され、顧問は98年ごろから2006、07年ごろまで三笠フーズ九州工場の責任者を務めた。冬木三男社長が6日の記者会見で、不正転売の提案者と指摘した人物の一人。冬木社長は会見で、不正が始まった時期を「5~6年前から」と説明。顧問の証言とは食い違っており、事故米の取り扱いを始めた当初から、転売が行われていた疑いが強まった。
 顧問は「(個人商店を経営していた)1985年ごろから、カビの生えたコメの中からきれいなコメだけを選び、食用に転売していた。他の複数の業者も行っていた」と、業界で不正が横行していたとした。
 さらに、約2年前には、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が残留するコメについて、「冬木社長から『どうにか、食用で販売したい』と持ちかけられた」と証言。検査機関で残留農薬を測定したところ、国の基準値を下回っていたため、1年半前から販売を始めたという。顧問は「農薬の残留状況を確認しており、健康に問題はなかったはず。購入業者も薄々気づきながら、値段の安さを優先して買ったのではないか」と話している。

農水省、検査日程を事前連絡
 この問題では、事故米に関する農水省の流通経路調査の甘さも露呈した。
 農水省によると、事故米は、政府が毎年、輸入するよう義務付けられた「ミニマム・アクセス米」と呼ばれる外国産米と備蓄用などに買い上げた国産米のうち、基準値を超える残留農薬が検出されたり、保管中にカビが生えたりしたコメを指す。このうち、食用に適さなくなったものは工業用のりの原料や家畜飼料などとして、国から業者に売却されている。
 工業・飼料用は、焼酎やせんべいへの加工用のコメよりも安価なため、農水省は、用途通り使われているかどうか検査することを内規で義務付けている。
 各地の農政事務所は、管轄地域の購入業者から加工計画書の提出を受け、加工作業に立ち会って点検するほか、在庫量と加工数量、販売状況などを帳簿で確認する。しかし、抜き打ち検査や販売先の調査は規定になく、検査は事前に連絡された後行われていた。
 農水省は「抜き打ち検査をするなど厳しくしたい」と検査方法の見直しに着手した。


【事故米不正転売】焼酎メーカー自主回収や販売自粛相次ぐ 2008年9月8日
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080908/crm0809081355018-n1.htm
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/0908/SEB200809080009.html
 米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市)によるコメ不正転売問題で、鹿児島県日置市の焼酎メーカー「西酒造」(西陽一郎社長)がカビ毒などで汚染された事故米を購入していたことが判明し、焼酎の自主回収を始めたことが8日、分かった。
 また、熊本県内のメーカーの「六調子酒造」と「抜群酒造」の2社も事故米を原料の一部に使用した可能性のある焼酎について、安全が確認されるまで販売自粛を決めた。同県の調査で残留農薬などは検出されなかったという。このほか、事故米が納入された可能性のある熊本県内の複数の製粉業者も商品の販売を自粛する方針。
 西酒造によると、事故米が混入したとみられる焼酎は「薩摩宝山」。卸売業者などに自主回収を伝えており、回収後はすべて廃棄する方針。被害額は約4億円に上る見込み。


「美少年酒造」でも事故米混入の可能性…当面は出荷自粛 2008年9月9日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080909-OYT1T00407.htm
 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が工業用の「事故米」を食用に転用していた問題で、熊本県城南町の酒造会社「美少年酒造」の原料米にも事故米が混入していた可能性があることがわかった。
 同社は9日、該当する日本酒8種類の出荷を当面自粛すると発表した。
 同社によると、三笠フーズのグループ会社「辰之巳」(東京都中央区)から1~5月、6回にわたって32トンを仕入れ、日本酒を製造した。
 混入した可能性がある日本酒は、紙パックの日本酒「美少女」(1・8リットル)などで、計3万本を出荷した。自主回収を含めて対応を検討している。
 緒方伸太郎副社長は「信頼を裏切られ、非常に大きな怒りを覚える」と話していた。
 事故米が酒造会社に転売されていた問題では、農林水産省の調査で、九州の酒造会社5社にわたっていることが分かっている。


農水省、三笠フーズに違約金請求へ 入札制度見直しも 2008年9月9日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080909AT1G0901909092008.html
 米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)がカビ毒や残留農薬で汚染された「事故米」を食用に転売していた問題で、農林水産省は同社に契約違反に基づく違約金を請求する方針を固めた。9日の閣議後の記者会見で太田誠一農相が明らかにした。
 また太田農相は事故米の売却制度について「入札資格をどうするのか、また事故米の取り扱いをどうするのかなど、取引の仕方について考える必要がある」として、見直しを検討する方針を明らかにした。
 同省は事故米を売る際に「工業用ののりに使用する」という契約を結んでいたが、三笠フーズはこれに違反し、焼酎の原料などとして販売していた。



 汚染米を違法に食用として市販していた三笠フーズですが、完全に『叩けば叩くほど埃が出る』状態に陥っていますね…(絶句
 まず偽装の手口ですが、事故米をそのまま販売するのではなく、他の米とブレンドし、そのブレンド比率を1割程度に抑えることで、検査でひっかからないようにしていたことが発覚。取引先には「企業努力で値を下げた」と説明していたようですが、値段の安い事故米をブレンドしていることで、しっかり鞘を抜いていたようですし、実際の汚染米の10倍の量の米が流通することで、より沢山の方が被害を受けていることが想定されます。
 また政府が販売した事故米7400トンのうち、自社で購入した1779トンとは別に大手商社2社からもわざわざ汚染米を740トン購入して、政府が販売した事故米7400トンのうち4分の1までを三笠フーズが買い占めていたことも発覚。
 現在では工業用ノリには既に事故米は使わなくなっているそうですが、常識的に考えても、食品会社がこれだけ大量の汚染米を購入すれば不自然に思わないものなのでしょうか…???
 検査日程を事前に知らせて真実の発覚を逃れていたのは、賞味期限偽装で世間を騒がせたミートホープ事件と同じパターンです。
 そして、被害を受けているのはお米を直接購入する最終消費者だけでなく、清酒・日本酒業界でも事故米が原料に使われていたことが発覚して、焼酎・日本酒メーカーなどが自主回収の憂き目に…。
 最後に、国は違約金を請求する方針も固めたようです。

 とはいえ、それでなくとも会社の経営体質が相当杜撰で資金繰りもかなり厳しそうですが、それで国庫から違約金を取られて、メインバンクが資金を回収したら、一般の取引先は一体どの程度債権を回収することができるのでしょうか…(溜息
 会社を法的整理することを前提に、どれだけ債権の差し押さえができるかを議論するのもおかしな話ですが、国が違約金という形で優先債権を勝ち取って、次いで融資している銀行が資金を引き上げたら、会社の金庫にはいくらも残らないと思いますし、取引先から見れば、最終消費者には平謝りを余儀なくさせられ、債権の保全もロクに行うこともできずに不良債権が積み上がるなど、まさに踏んだり蹴ったり状態だと思います。


1 コメント

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お邪魔します (SAMU)
2008-09-10 14:41:00
関西や九州では、肝臓ガンの発生率が異常に高いのだそうです。
詳しくは拙ブログ内の記事をご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/samu_one
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