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トヨタの10年3月期、需要減と円高で営業赤字拡大へ

2009-05-10 11:09:47 | Weblog
トヨタの10年3月期、需要減と円高で営業赤字拡大へ 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJAPAN-37898320090508
 トヨタ自動車は8日、2010年3月期の連結業績(米国会計基準)は8500億円の営業赤字になる見通しと発表した。トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト20人の予測平均値は3873億円の赤字。
 会見した渡辺捷昭社長は「中国やインドなど一部地域では回復がみられるが、欧米を中心に景気回復にはしばらく時間がかかる。足元の市場環境が当面続くと覚悟しなくてはならない」と述べた。
 売上高は前年比19.6%減の16兆5000億円、税引き前当期損益は8500億円の赤字、当期損益は5500億円の赤字を見込む。
 日野自動車とダイハツ工業を含めた2010年3月期のグループ世界販売は650万台を計画(09年3月期実績は756万7000台)。このうち北米は186万台(09年3月期実績は221万2000台)、日本国内は192万台(同194万5000台)、欧州は92万台(同106万2000台)、日本と中国を除くアジアは76万台(同90万5000台)を見込む。
 10年3月期業績見通しの前提となる為替レートはドル/円95円、ユーロ/円125円で設定。設備投資額は8300億円(09年3月期実績は1兆3025億円)、研究開発費は8200億円(同9040億円)、減価償却費は1兆円(同1兆0721億円)を計画している。 
 併せて発表した09年3月期の連結業績は4610億円の営業赤字だった。トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト20人の予測平均値は4690億円の赤字だった。年間配当は1株100円(前年は140円)。決算期を変更した1995年3月期以降、初の減配となる。
 渡辺社長は「全地域で収益が悪化した。地域分散という当社の強みが生かせなかった」と述べた。

トヨタの格付けをAAに引き下げ、見通しはネガティブ 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK027689620090508
 スタンダード&プアーズ(S&P)は8日、トヨタ自動車の長期会社格付けと長期優先債券格付けをAA+からAAに引き下げた。長期会社格付けのアウトルック(見通し)はネガティブとしている。
 S&Pによると、格下げはトヨタが2010年3月期も大幅赤字になるとの見通しを発表したことによる措置。世界的な自動車市場の低迷によってトヨタの収益とキャッシュフローへの下方圧力が、少なくとも2010年3月期中は継続し、業績回復を遅らせる可能性があるとのS&Pの見方も反映している。

明暗分かれるトヨタとホンダ、過剰生産能力が重荷に 2009年05月9日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJAPAN-37903820090508
 トヨタ自動車の2010年3月期は営業赤字幅がさらに拡大する見込みで、大幅減益ながら100億円の黒字確保を計画するライバルのホンダと対照的な内容になった。
 トヨタはホンダに比べて過剰な生産能力を抱えており、需要の回復が見込めない中で重荷になっている。固定費負担を減らすため、いずれ生産設備の統廃合に踏み切らざるをえなくなる可能性もあるが、トヨタは将来的な需要の拡大に備え、生産能力の削減には否定的だ。

<象徴的な米国とロシアでの決断>
 トヨタの渡辺捷昭社長は8日の決算会見で「(社長に就任してからの)この4年間、世界市場の急拡大に対応してきたが、昨年中盤から急激に世界経済が変化した。問題や課題を解決する決定度とスピードが十分ではなかったと率直に反省している」と語った。
 トヨタの生産能力は現在約1000万台。10年3月期は650万台の販売を計画しており、350万台前後の生産能力が余る計算になる。売上高が半分のホンダの生産能力は400万台強で、10年3月期は100万台前後の能力が余剰となる見通し。トヨタは世界的な自動車需要の拡大に合わせ、北米をはじめ各地で工場を建設するなど生産能力の増強を急いだ。設備投資額は1兆円を超える年が続き、それに伴い減価償却費も1兆円に膨らんだ。
 バークレイズ・キャピタル証券アナリストの持丸強志氏は「トヨタはこの2、3年、多くの設備投資をして生産能力を増強し、重い固定費が残った」と指摘する。大和住銀投信投資顧問上席参事の小川耕一氏も「ホンダに比べてトヨタは世界中で生産能力が過剰になっている」と語る。
 象徴的なのが、トヨタが建設した米国の大型車工場とロシア工場。いずれの市場も急激に拡大していたために建設を決断し、とりわけ米国の大型車工場はトヨタの成長に大きく貢献した。一方のホンダは、大型車の車台がなかったことから同市場には参入せず、ロシア工場も「いろいろとリスクがある」(ホンダ首脳)として建設に踏み切らなかった。しかし昨年秋からの世界同時不況で両市場が落ち込むと、結果的にホンダに吉と出た。

<当面はラインの速度を落とすなどで対応>
 余剰生産能力がトヨタに比べて小さいホンダは、自動車レースのF1撤退や新工場の建設先送りなど合理化を進めた結果、今上半期で現在の需要に合った「構えが整う。これが下半期から効いてくる」(近藤広一副社長)という。上半期は1100億円の営業赤字を見込むが、下半期は1200億円に黒字に転じる計画だ。一方のトヨタは上半期が6000億円の営業赤字、下半期も2500億円の赤字が残るとみている。通期で8000億円のコスト削減を計画しているものの、販売減と円高による減益分をカバーするには至らない。
 固定費を減らす手段の1つが、工場を統廃合するなどして損益分岐点を下げる生産体制の効率化。しかしトヨタの渡辺社長は、生産設備に手をつけることには否定的で、過剰な生産能力に対してはラインの速度を落としたり、休業日を設けるなどして対応していくという。渡辺社長は「過剰能力が重荷になっていることは事実だが、もっと良い車を作ることにコストをかけるなど変動費も効率化できる。このまま市場が縮小し続けることはないだろう。今すぐに工場を閉鎖するよりも、もう少し時間を見ながら考えていきたい」と語る。




 トヨタ自動車と言えば、昨年の12月22日に2009年3月期決算の営業損益が1500億円の赤字になるという衝撃の発表が、皆様の記憶にもまだ新しいのではないかと思いますが、結局 連結の営業赤字は4610億円に達し、2010年3月の連結業績はその赤字幅が更に膨らみ8500億円の営業赤字になる見通しのようです。
 この発表を受けて大手格付け機関のS&Pはトヨタの格付けを即座に引き下げたようですが、設備投資を絞り販売台数も減るということは、トヨタ本体だけでなく、トヨタに部品などを納品している子会社・孫会社や下請け企業、取引先企業への業績にも影響するということ。自動車産業はなまじ裾野が広いだけに、他の産業に与える影響も非常に心配です。

 それにしても、トヨタとホンダとでは、生産台数もさながら、ホンダがアメリカに頼りきっている収益構造だけに、てっきりトヨタの方が不況に強いとばかり思っていたのですが、あの用心深いトヨタのどこに死角があったのか…(惑
 このままトヨタがずるずると落ちていくとは思えませんが、このトヨタの連続大幅赤字の影響は自動車業界だけでなく日本経済そのものにも大きな影響が出そうな嫌な予感がしてなりません。


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