ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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50代に賃上げの恩恵及ばず? 世帯貯蓄、5年ぶり減少

2018-05-20 10:11:27 | Weblog
50代に賃上げの恩恵及ばず? 世帯貯蓄、5年ぶり減少 2018年05月19日
記事リンク先 朝日 https://www.asahi.com/articles/ASL5L56F9L5LULFA01Q.html?iref=comtop_8_04

 記事にあるような諸手当原資の振り分けの変更の影響(配偶者手当から子供手当などへの配分見直しといった福利厚生制度の微調整)もさながら、
リーマンショックの後の不況期で賃上げができず、やっと昇給原資が確保できたとあれば、若手に多めに分配するのはむしろ合理的な考え方だと思うんですけどね…。
 日本の場合、一度基本給を引き上げてしまうと引き下げるのは非常に困難ですし、中途採用の場合は元々割高なケースが多く、新卒でもベアや定期昇給の影響で結果的に払い過ぎになりうるケースもある反面、若手社員は経営の苦しさを理由に昇給を抑え込まれ、その一方でここ数年は最低賃金の上昇ピッチが比較的大きかったことから、非正規労働者や新入社員と入社数年目の若手社員との賃金格差も縮小しているわけで、お給料が安いことを理由に会社にとって必要な人材が離職するのは避けたいはず。
 労働力不足から他社にヘッドハンティングされる可能性もある優秀な若手程逃げられないように処遇する(離職対策を徹底する)反面、おそらくは定年まで、その後も継続雇用を続ける方に対してはモチベーションを下げない程度に賃上げを行おうとするのも妥当な判断だと思います。
 企業が同業他社と差別化する意味でも、今後もこの流れは続いていくと思いますね。