ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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自動車取得税の廃止時期示さず 税制改正大綱で政権方針

2013-01-22 17:13:47 | Weblog
自動車取得税の廃止時期示さず 税制改正大綱で政権方針 2013年1月22日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0122/TKY201301220100.html
 安倍政権は22日、自動車を買う時にかかる自動車取得税について、24日に決める税制改正大綱で将来的な廃止を明記する一方、廃止時期の判断は先送りする方針を固めた。消費税率を8%に引き上げる2014年4月から廃止するかどうかについて、年末の税制改正で改めて議論する。
 自動車取得税は、エコカー減税を含まない場合、車体価格の5%、軽自動車は3%かかる。円高で輸出が減っている自動車業界は取得税を消費税との「二重課税」として批判。消費増税で車の購入費が高くなると販売台数がさらに落ち込むとして廃止を求めていた。
 しかし、廃止により約2千億円の財源を失う地方自治体への代替措置をめぐり、政権内の調整が難航。「地方税で対応できる仕組みができないと、いつから廃止すると言い切れない」(党税調幹部)として、今回は廃止時期の明記は見送ることにした。



 で、結局こうなるんだね…などと言ったら身も蓋もありませんが、1日経ったら自動車取得税の廃止時期は示さないことにしたようです。
 まあ、地方の財源確保の問題もさながら、軽自動車が本則税率の3%のみなのに普通自動車は2%の特例税率が上乗せされて5%分を徴収されている車種間の格差の是正を先に行わなくてもよいのか? という公平性の問題も改めて蒸し返されそうですし、車にかかる消費税が5%から8%になったら途端に車に乗る人が激減するか? と聞かれれば、駐車場代が高く公共交通網の発達している都心部では(子育て世代を別にすれば)そもそも積極的に保有する動機が薄く、逆に地方では車がないと身動きできない現実があるわけで、販売会社の利益が薄くなることはあっても、直ちに販売台数大幅減につながるとも思えず、少なくとも8%への引き上げの時点で強引にねじ込むメリットも薄いと思います。
 効果的なカード程、切るタイミングを誤ればそれこそ本当に無駄になりかねませんし、もし行うなら(消費)税率引き上げと同時に(本体ではなく)特例税率廃止。次の税率引き上げで自動車取得税本体の廃止。更に次の引き上げで自動車重量税の廃止にも踏み込むなど、小出しにやっていく方が税収確保という意味では効率的ではないでしょうか…。

麻生副総理「さっさと死ねるように」 高齢者高額医療で発言

2013-01-22 06:59:07 | Weblog
麻生副総理「さっさと死ねるように」 高齢者高額医療で発言 2013年1月21日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130121/trd13012113100011-n1.htm
 麻生太郎副総理兼財務相は21日開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、余命わずかな高齢者など終末期の高額医療費に関連し、「死にたいと思っても生きられる。政府の金で(高額医療を)やっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」と持論を展開した。
 また、「月に一千数百万円かかるという現実を厚生労働省は一番よく知っている」とも述べ、財政負担が重い現実を指摘した。

麻生副総理が終末期医療めぐる発言撤回、一般論ではなく私見 2013年01月21日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK059510920130121
 麻生太郎副総理兼財務相は21日午後、この日の社会保障制度改革国民会議での自身の発言に関してコメントを発表し「私個人の人生観を述べたものだが、公の場で発言したことは適当でない面もあった」として発言を撤回し、議事録から削除するよう申し入れる考えを明らかにした。
 報道によると、副総理は午前に開かれた国民会議で、医療費問題に関連して、患者を「チューブの人間」と表現したうえ「私は遺書を書いて『そういうことはしてもらう必要はない、さっさと死ぬんだから』と渡してあるが、そういうことができないと、なかなか死ねない」などと発言した。続けて副総理は「(私は)死にたい時に死なせてもらわないと困る」とも述べ、「しかも(医療費負担を)政府のお金でやってもらうというのは、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと、総合的なことを考えないと、この種の話は解決がないと思う」などと話した。
 コメント発表前に財務省内で記者会見した副総理は「終末医療のあるべき姿について意見を言ったものではない。発言の内容からはっきりしている」と釈明。自身の発言が「一般論としてではないのは、文章を読み返してもはっきりしている。私見を求められたので、私見を申し上げた」と説明した。



 あ~。麻生ちゃんがまた問題発言をやらかしてくれたなぁ…という感じですが、麻生さんは期間が限定される終末期医療の問題と、一部の難病患者にかかる高額医療費の金額の大きさの問題とを混同している節もありそうですね。
 終末期医療を別にすれば、医療費が多くかかっている人ときいて連想するのは人工透析患者の方がイメージとして浮かびやすいかと思いますが、実は大企業の会社員やその家族が入る健康保険組合で(高齢者とは限らずむしろ難病患者の可能性が濃厚ですが)1カ月の医療費が1000万円以上かかったというケースが、2011年度に179件、同500万円以上かかったケースも4457件と過去最高を更新し続けていて、当然ながらほぼ全ての方が高額療養費制度のお世話になっていることが予想されることから、高額医療費に上限を設けなくてもよいのか…という議論も一部で出ているというのが、現実問題としてあるんですよね

 参考までに一番医療費がかかったケースは、血友病患者の事例で1カ月で1億1550万4840円もかかっている(2位後天性血友病患者6692万2240円、3位血友病患者4720万2850円、4位血友病患者4249万7420円 と4人が月4000万円以上の医療費がかかっています。昨年は最高額が血友病患者の事例で1カ月4639万2680円でした)など、医療技術の向上に伴い毎年最高額が加速度的に上昇しているというのがまぎれもない事実。
 さすがに週3日人工透析に通うレベル(多少不便を被っていても日常生活が送れる方)の患者の方まで切り捨てるのは大反対ですが、このまま本格的な高齢社会になると一部負担率を引き上げたりあるいは現役の働き手の健康保険料率を引きあげ続けられるのか…という問題も大きくなってきて、医療保険財政にもどこかで冷徹にボーダーラインを引かざるを得ない時期がそう遠くない日に来ることになると思いますが、はたしてその決断を誰がするのか…。
 命の問題だけに、誰が猫の首に鈴をつけるか この問題に踏み込む人も大変だろうなと推察されるだけに、ただ発言そのものを感情的に批判して終わるのではなく、私達庶民の側も、一部の患者さんにかかる医療費が加速度的に膨らんでいる厳しい現実を直視する必要があると思います。

参考 けんぽれん 平成22年度高額レセプト上位の概要を発表 平成23年9月8日 はこちら
http://www.kenporen.com/press/2011-09-08-12-10.html