石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

最低賃金引き上げ・・・でも

2009-07-30 23:53:38 | 政策
すでにニュースをご覧になった皆さんも多いと思いますが、最低賃金について、厚労相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会が先日、今年度の引き上げの目安を決めました。

その中身はというと、現時点で最低賃金が生活保護水準を下回っている12都道府県に限って2~30円の引き上げ、それ以外の35県は「現行水準維持」で、全国平均では7~9円の引き上げという非常に限定的で残念なものでした。(下記の新聞記事をご参照下さい)

問題はいくつもありますが、一番の問題は、最低賃金が生活保護を下回る水準の12の都道府県でも、引き上げ幅を縮小し、逆転解消までの年数を先延ばしにしたことでしょう。これで、これらの都道府県では、向こう2年から4年、逆転現象が解消しないことになります。つまり、最低賃金で働いている皆さんは相変わらず、働けど働けど、生活保護水準以下の賃金しか得られないという状態が継続するということです。

この不況下で苦しむ中小企業のことを考えろ、という議論も確かにあるでしょう。しかし、働いても働いても、普通の暮らしをすることさえ厳しい賃金しか得られない労働者の皆さんのことこそ、もっともっと考えるべきだと思うのは、私だけではないはずです。

例えばイタリアでは、労使の代表が産業別の賃金協約を締結して、それが当該産業で事業を行うすべての事業者に適用されます。「協約を守れない中小の事業者はどうするのか?」と質問すると、「労働者に最低限の賃金や労働条件を提供できない事業者は、そもそも市場に入ってくるべきではない」という答えが返ってきます。いい考え方だと思いませんか?

テレビのインタビューに「ニュースを聞いて、ますます働く意欲がなくなりました」と答えていた若者の残念そうな顔が今でも思い出されます・・・。



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