石橋みちひろのブログ

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細川厚生労働大臣に申し入れを行いました

2011-06-10 23:59:05 | 活動レポート

本日(6月10日)午後4時半より、厚生労働省大臣室で、細川厚生労働大臣に対する申し入れを行いました。

(左から吉田衆議院議員、細川厚生労働大臣、私、初鹿衆議院議員)

 

少々長いですが、以下、申し入れ書の全文をご紹介します。来週、統合対策本部の細野事務局長にも申し入れを行う予定です。今後も引き続き、作業員の皆さんの命と健康を守るための取り組み、そして原発事故が一日も早く収束するための取り組みに打ち込んで行きます。

 

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厚生労働大臣 細川律夫 殿

福島原発事故収束に向けた緊急作業に従事する全ての作業員の
安全・安心、健康・衛生、雇用と生活の確保に関する申し入れ書

 

福島原発事故収束に向けた緊急作業に従事する全ての作業員の
安全・安心、健康・衛生の確保に取り組む民主党議員有志

 

 私ども民主党議員有志グループは、3月11日の福島原発事故発生以降、事故収束のための緊急作業に従事する作業員の安全・健康管理問題への取り組みを行ってきました。

 とりわけ、問題が顕在化した4月以降、政策調査会・厚生労働部門『雇用対策ワーキングチーム(以下、WT)』の場で関係省庁や東京電力労使、有識者等からの情報収集を行いつつ、5月6日には有志によるJビレッジの視察訪問を実施。5月17日にはWT内に専任の『作業班』を設置し、作業員の安全・安心と健康・衛生確保に向けた具体的施策について、提言や進捗状況の確認作業を続けています。

 今回の福島原発事故は、私たちがかつて経験したことのない未曾有の原発災害であり、緊急時の年間被ばく線量限度の上限値も、もともと定められていた100ミリシーベルトから250ミリシーベルトへと引き上げられました。これは国家的非常時の特別措置ではありますが、作業の長期化が余儀なくされている中、作業員の安全と健康を守るための対策は、法令順守は当然のこととして、取り得べき最大限の取り組みが確保されなければなりません。

 政府もこれまで、作業員の安全・健康管理問題を優先課題の一つに据えて東京電力への指導を行い、また厚生労働省内に対策推進室を設置するなど、対応を進めてきています。しかしながら、作業員2名の被ばく線量が上限の250ミリシーベルトを超えていたことが判明したこと、しかもその判定に2ヶ月もの時間を要していたこと、未だに多くの作業員の累積被ばく線量が確定していないことなど、作業員の安全と安心を確保するための対策は今なお十分とは言えません。

 以上の観点から、私たち有志一同は、WTおよび作業班におけるこれまでの調査結果と議論を踏まえ、下記の通り、政府が採るべき具体的施策および対策について申し入れます。東京電力や協力会社との全面的な協力・連携の下、政府の責任において即時かつ確実な実施を確保していただきますようお願い申し上げます。

 

1.作業人員計画表(人員工程表)の策定と公表

 政府は東京電力に対し、政府および東京電力の「福島原発事故収束に向けた工程表」に合わせ、全ての工程に必要な作業人員、想定される被ばく線量、人員確保のメドなどを示した作業人員計画表(人員工程表)の速やかな策定と公表を求めること。なお、その策定にあたっては、作業員の休憩・休息時間、休日・休暇、健康診断に要する時間等を組み入れると共に、必要な作業員、とりわけ特殊・高度技能を必要とする作業員の確保のための育成・養成計画も含めるよう要求すること。

2.被ばく線量測定および管理の徹底

 政府は東京電力に対し、期限を切って、全ての作業員について累積外部被ばく線量と内部被ばく線量の確定を行い、即時、実効被ばく線量データを政府に報告するよう命じること。

3.線量計不保持者の被ばく線量計算の徹底

 3月中、線量計を保持せずに作業に従事した全ての作業員について、作業時間と場所を特定し、可能な限り正確な被ばく線量計算および積算が行われるよう、政府は東京電力に厳しく指導し、その結果の政府への報告を期限を区切って求めるこ

4.健康管理データベースの構築について

 政府が計画している作業員の健康管理を目的としたデータベースの構築を確実に実施し、3月11日以降、福島第一原発で緊急作業に従事した全ての作業員等について、一切の漏れなく、生涯にわたる健康管理に必要な個人データおよび作業・被ばく・健康診断記録などを管理すること。またこれに併せて、すでに離職した(解除された)者を含む全ての作業員について、研修・教育の受講歴、作業記録、累積被ばく線量、健康診断の結果等を証明出来る「被ばく線量管理手帳(仮称)」またはそれに準ずるものを交付すること。

5.事前研修、安全衛生教育、および健康診断実施の徹底

 政府は東京電力をはじめとした事業者に対し、雇い入れ時および作業開始前の事前研修・訓練および安全衛生教育の確実な実施を命じること。また、血液検査を含む健康診断の定期的な実施を徹底するとともに、本人の意志に反して緊急作業に従事することがないよう就労意思の最終確認についても適切に実施されるよう強く指導すること。

6.作業環境の改善

 政府は東京電力に対し、作業員の実効被ばく線量を最小限に留めるとともに、不測の事態を防止するための最大限の対策を講じるよう厳しく指導すること。また、作業時間や休憩・休息時間管理を徹底し、過重労働を回避するための万全の措置を確保すること。

7.万が一の事態に備えた安全・健康管理施策の早急な検討

 政府は事故収束に向けた取り組みの長期化が避けられない中で、万が一の事態を想定した事前の取り組みを最大限確保する観点から、すでに専門家によって提案されている①末梢造血幹細胞の事前採取・凍結・移植、②白内障診断システムなどの諸施策について、その有効性および妥当性を早急に検討するとともに、広く国民および現場作業員に判断材料を提供すること。

8.今後の健康管理・健康被害補償策の検討

 今回、福島原発で作業に従事した全ての作業員が離職(解除)後も安心した生活が送れるよう、定期健康診断や健康被害の際の補償措置などを含む健康管理スキームのあり方について国の責任において検討し、提案すること。

9.今後の対策の進め方

 政府は、全ての作業員が安全に、かつ安心して作業に従事できる環境を確保することに責任を持ち、万が一、東京電力が当事者として適切な対策・対応を講じない場合には作業停止命令を出すことも視野に入れつつ、厳しく指導すること。また、上記対策・施策の実施状況の進捗状況および確認結果について、継続的な情報提供を行うこと。

以 上

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2 コメント

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頼りにしています。 (y浦野)
2011-06-12 22:59:24
有難うございます。

現場におけるリクレーション等はどうでしょうか? 深刻な状況において不謹慎と考える人もいるかもしれませんが、かかるストレスの強い環境だけにこの点についてどの様な工夫がされているのか知りたい次第です。ストレスによる健康被害と言うのは侮れないものですので。
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Re: 頼りにしています。 (y浦野) (石橋通宏)
2011-06-13 09:14:22
y浦野さん

コメントありがとうございます。今回の大臣への要望には入れませんでしたが、厚労省の担当や東電への要望事項の中には「作業員の休憩・娯楽施設の充実」というのを含めています。

現場(福島第一)でのレクレーションは線量の関係もあって難しいですが、屋内(免震棟や現在建設中の休憩室)に何らかの娯楽施設・設備を設けることは可能だと思っています。
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