ゆめ未来     

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昭和12年の探偵小説 深夜の博覧会

2021年08月09日 | もう一冊読んでみた
深夜の博覧会/辻真先  2021.8.9  

『 昭和12年の探偵小説 深夜の博覧会 』 を読みました。

 引き返す操の後ろ姿に、一兵は十年越しの閊えを思い出した。
 何故昌清は、修市を事故に見せて傷つけたのか、という疑問だ。事件に残された最後の謎が、その動機であった。


 「ああ、やっとこれでお礼がいえるんだ、杏の

 ああ、やっとわかった。最後の謎が今解けた!

これって、「迅速果断」 の那珂一兵君らしくないですね。
作品の最後の場面で気がつくなんて。

懐かしい女性に会うことができました。
(次作を先に読んだために、彼女の過去を知るかたちになりました。)
尾張徳川家に代々仕えた別式女(べつしきめ)の流れを汲んでいる別宮操。
次作 『たかが殺人じゃないか』 の高校教師として登場し活躍する人物。
あの愛すべき人物です。
本作では、地味な脇役でしたが。

宗像昌清に仕えていたが、その後、実家の住職になった。

 頭を青々と剃り上げた彼女は、墨染めの法衣を纏っていた。別宮操は名古屋市東郊の斜面に墓地を抱く昇竜山円正寺の住職である。

戦前から終戦に至る昭和の時代に生きた人々の人生を思う時、その過酷でめまぐるしい運命の変転に胸が痛い。


    『 昭和12年の探偵小説 深夜の博覧会/辻真先/東京創元社 』



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