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「ルーフォック・オルメスの冒険」 SFか童話か、やたら殺人事件は起こるが

2017年08月29日 | もう一冊読んでみた
ルーフォック・オルメスの冒険/カミ  2017.8.29

ミステリ国の人々』(有栖川有栖)紹介の古典、その5は 『ルーフォック・オルメスの冒険』 です。

『ミステリ国の人々』の紹介文。

 ミステリの形や手法をとった効果で読者の心に食い込む小説はたくさんある。また、精緻な作り物以上のものでなかったとしてもそれを生み出したのは人間だから、優れたミステリの中には<人間という存在の面白さ>がみっしり詰まっていると考えている。
 「ミステリなんか読んでもためにならない。何も身につかない。知見も教養も」という人は、よく言えば生真面目すぎるのではないか。悪く言えば、読書に関していささか貧乏性。
 ためにならない本には独特の清々しさがあるし、意外なものを発見してしまうこともある、と前置きした上でオルメスの話に移ろう。この奇天烈な探偵が大活躍をするのが『ルーフォック・オルメスの冒険』。
 あらかじめお断わりしておくと、この本を読んでもためになりませんよ。ためになるどころか駄目になる。いやいや、そんなことはない。楽しさが刺激となって、身体にも頭脳にも明日への活力がみなぎってくる----かもしれない。
 ひと言で表すとナンセンス小説あるいはコントである。ルーフォック・オルメスという名はシヤーロツク・ホームズのもじりで、変種ながらホームズのパロディであり、ミステリを出汁にした冗談小説でもある。


「訳者あとがき」で、もう少し補足すると。

名探偵オルメスの翻訳小史

 本書はかのイギリスの名探偵シャーロック・ホームズの名前をもじったルーフォック・オルメスという探偵が、さまざまな珍事件、怪事件を見事に(?)解決していく、その活躍ぶりを芝居のコント風に描いた、ハチャメチ・ドタバタ・ユーモア・ミステリである。オルメスというのは、Holmes(ホームズ)のフランス語読みで、Loufock(ルーフォック)は、Shelock(シャーロック)をもじったものであるが、フランス語の俗語で、「頭のおかしな」とか「話が突飛な」という意味のloufoqueにかけている。
 作品が書かれたのは、一九二〇年。最初に刊行されたのは一九二六年でパリのフラマリオン社から出ている。日本で最初に紹介されたのは一九二七年、雑誌「新青年」の新春増刊号......


本書は、『このミステリーがすごい! 2017年版』 海外編 第12位 に入りました。

戯曲です。
全訳版は、74年ぶり。
奇想天外、抱腹絶倒の34編をお楽しみ下さい。

 『 ルーフォック・オルメスの冒険/カミ/高野優訳/創元推理文庫 』


コメント
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