
9月の連休も終り、すっかり
落ち着きを取り戻した
京都の保津川下り。
からっと晴れ渡った秋空は
透き通る様に青く、谷間に
吹く風も心地よい最高の天気です。
そんな気持ちいい気分を味わいながら
下っている最中、その出来事は起こりました。
船が急流箇所に差し掛かるカーブ。
遠くに人影のようなものが視界に
飛び込んできました。
船が近づくにつれ、それが2隻前の船
を操縦していた船頭の姿だと判りました。
よく見ると遠くから、私達の船になに
やら叫んでします。
「船が停まっている!」
微かに声を聞き取ることが出来ました。
カーブを曲がると左岸側の岩場べりに
お客さんを乗せたまま、船が停まっているのが
視界に入ってきました。
場所は川幅狭く、流れの急な瀬。
「これは何かあったな!」容易に理解しました。
するとその横にハイカーのような姿をした
60代くらいの男女が3名、岩を登って
いるのが見えました。
「船が停まっているのはこの人達に
何か関係があるのか?」
そんな事を考えている間にも私達の船は、
停めてある船に段々近づいて行きます。
状況は判らないが、とりあえず船を
停める方が安全と判断。
私は棹を進行方向の逆に差し替え、
急停船を試みます。
場所は川幅狭い急流箇所。
停めるのも容易ではありません。
棹を前方遠くに差し込み、握る手に渾身の
力を込めます。地面と船の押し返しで
棹を差している体が浮き上がるほどです。
何度も棹を差し込むうちに、船は徐々に
スピードを緩めていき、ゆっくりと停船
している船まで近づくことが出来ました。
船が近づくとハイカーと一緒に歩いていた
船頭が川縁から話し掛けてきました。
「この人が崖から落ちはったんや!」
「怪我をされているようなので、船で
乗せて行ってあげる!」
「停めてある船で運ぶから、先行ってくれ」
とのこと。
その事を聞き、事の次第を理解した私達は
停船している船の横すれすれをゆっくり
通り過ぎることに。
とはいえ、先に行く訳にもいかず、
流れのない安全な所で待機することに。
先ほど停船していた船が、怪我をされた方
を乗せて下って来ました。
怪我をされたのは女性の様で、左目から
上の額までタオルで覆ってられました。
右手でタオルを当てられているところを
見ると、左手も負傷されているのでしょう。
ぐったりされていました。
峡谷の中は携帯電話は通じません。
私の船に無線機が装備されていたので
怪我人を救助した事と救急車の手配を
本部に報告します。
トロッコ保津峡駅までなら救急車が入れると
いう事を聞き、その怪我人をその下の
川縁でおろすことになりました。

後で聞いた話では、山道を進んでいると、途中で
道がなくなり断崖絶壁となり、渡ろうとして足を
滑らせたそうです。約10mの崖を何回も回転しながら
転落したそうです。命に別状がなくて不幸中の幸いでした。
最近、従来のような整備された山道では
面白くないのか、保津川峡谷の中をハイキング
するグループが多くなっているようです。
しかし、川のゴミ掃除の時にも申したとおり
この川沿いの峡谷は素人が容易に
歩ける山ではありません。
獣みちのような細い道がついている
だけで、途中、傾斜がきつく崖になったり
道がなくなっていたりします。
しかも今の季節、マムシやスズメ蜂の巣も
多く作られているから、危険がいっぱいです。
都会の方が自然にあこがれて、美しい保津峡に
来られる気持ちもよく判りますが、現地を
よく熟知した案内人を付けるなり、下準備を
しっかりしてから、楽しまれることをオススメ
します。
自然は原風景だから魅力があるのですが、
そこは有史以来人が住めない危険な場所で
あることも、しっかり認識しておいて頂きたいのです。
*このハイカーを救助した船頭は、
保津川下りの船頭さんが人命救助!(7月21日付)の同じメンバーです。
落ち着きを取り戻した
京都の保津川下り。
からっと晴れ渡った秋空は
透き通る様に青く、谷間に
吹く風も心地よい最高の天気です。
そんな気持ちいい気分を味わいながら
下っている最中、その出来事は起こりました。
船が急流箇所に差し掛かるカーブ。
遠くに人影のようなものが視界に
飛び込んできました。
船が近づくにつれ、それが2隻前の船
を操縦していた船頭の姿だと判りました。
よく見ると遠くから、私達の船になに
やら叫んでします。
「船が停まっている!」
微かに声を聞き取ることが出来ました。
カーブを曲がると左岸側の岩場べりに
お客さんを乗せたまま、船が停まっているのが
視界に入ってきました。
場所は川幅狭く、流れの急な瀬。
「これは何かあったな!」容易に理解しました。
するとその横にハイカーのような姿をした
60代くらいの男女が3名、岩を登って
いるのが見えました。
「船が停まっているのはこの人達に
何か関係があるのか?」
そんな事を考えている間にも私達の船は、
停めてある船に段々近づいて行きます。
状況は判らないが、とりあえず船を
停める方が安全と判断。
私は棹を進行方向の逆に差し替え、
急停船を試みます。
場所は川幅狭い急流箇所。
停めるのも容易ではありません。
棹を前方遠くに差し込み、握る手に渾身の
力を込めます。地面と船の押し返しで
棹を差している体が浮き上がるほどです。
何度も棹を差し込むうちに、船は徐々に
スピードを緩めていき、ゆっくりと停船
している船まで近づくことが出来ました。
船が近づくとハイカーと一緒に歩いていた
船頭が川縁から話し掛けてきました。
「この人が崖から落ちはったんや!」
「怪我をされているようなので、船で
乗せて行ってあげる!」
「停めてある船で運ぶから、先行ってくれ」
とのこと。
その事を聞き、事の次第を理解した私達は
停船している船の横すれすれをゆっくり
通り過ぎることに。
とはいえ、先に行く訳にもいかず、
流れのない安全な所で待機することに。
先ほど停船していた船が、怪我をされた方
を乗せて下って来ました。
怪我をされたのは女性の様で、左目から
上の額までタオルで覆ってられました。
右手でタオルを当てられているところを
見ると、左手も負傷されているのでしょう。
ぐったりされていました。
峡谷の中は携帯電話は通じません。
私の船に無線機が装備されていたので
怪我人を救助した事と救急車の手配を
本部に報告します。
トロッコ保津峡駅までなら救急車が入れると
いう事を聞き、その怪我人をその下の
川縁でおろすことになりました。

後で聞いた話では、山道を進んでいると、途中で
道がなくなり断崖絶壁となり、渡ろうとして足を
滑らせたそうです。約10mの崖を何回も回転しながら
転落したそうです。命に別状がなくて不幸中の幸いでした。
最近、従来のような整備された山道では
面白くないのか、保津川峡谷の中をハイキング
するグループが多くなっているようです。
しかし、川のゴミ掃除の時にも申したとおり
この川沿いの峡谷は素人が容易に
歩ける山ではありません。
獣みちのような細い道がついている
だけで、途中、傾斜がきつく崖になったり
道がなくなっていたりします。
しかも今の季節、マムシやスズメ蜂の巣も
多く作られているから、危険がいっぱいです。
都会の方が自然にあこがれて、美しい保津峡に
来られる気持ちもよく判りますが、現地を
よく熟知した案内人を付けるなり、下準備を
しっかりしてから、楽しまれることをオススメ
します。
自然は原風景だから魅力があるのですが、
そこは有史以来人が住めない危険な場所で
あることも、しっかり認識しておいて頂きたいのです。
*このハイカーを救助した船頭は、
保津川下りの船頭さんが人命救助!(7月21日付)の同じメンバーです。
柚子のシーズンになれば、愛宕山から水尾で柚子風呂に入って・・・というコースのハイカーも多いようですね。
ほんと、何事もなくてよかったです。