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百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

まさに 薫風 です。 ~ 植松三十里さん作 「不抜(ぬかず)の剣」~

2016-05-28 13:39:48 | 日記
 ココロは 時として、自ら 浄化を求めてくる局面があります。灰色の雲が 溜まり過ぎたときです。そういった場合には定(き)まって、藤沢周平さん 山本周五郎さん 火坂雅志さん 安部龍太郎さん 葉室 麟さん等の、時代小説作家さんたちの本を読みたくなるのです。

本を読むということは、そこに描かれている世界が、読者のココロの中で展開するということですから、少なくとも読んでる最中は、その時代小説の登場人物が ココロのなかで棲み続けるということとなります。それら人物のなかには、主人公の場合が多いですが、勁く筋が通り 凛々しく逞しい 優れて美しい人が登場してきます。そういった人に同化することで、オイラのココロを、キレイに掃除してもらいたくなるのです。

このような心境に到っているおり、この ↓ 新聞広告を目にしたら、もう一溜まりもありません。まさにドンピシャ !!!。主人公「斎藤弥九郎」さんは、たしか「竜馬がゆく」に、竜馬:千葉道場 小五郎:斎藤道場との対比で 記されていたような気がする程度のことでしたので、直ぐさま購入です。


    
作者の植松三十里さんとは初対面です。みどりと読み、女性であることを知り、ビックリし 少しガッカリでしたが、読み始めるや否や その懸念は吹っ飛びました。読み終えて、不思議な感覚です。登場人物が スゴク身近に、みんな友達のように感じられ、さながら青春小説を読んだような感覚に陥っています。惜しむらくは、小説本文のみで、付帯情報や解説がまったく無かったことで、余韻を楽しむ記事の何かあったら・・・と思えました。なお 下記は、老生の書き留めた事柄の いろいろです。

  P20 :弥九郎は越中仏生寺村の代々集落まとめ役(組合頭)の家の長男として生まれる。
    34代前の平安の武将 藤原利仁の次男が斎宮頭(さいぐうのかみ)になったことから、
    斎宮の斎 藤原の藤を採り、斎藤を名乗る。
  P80 :江川太郎左衛門は代々 伊豆の代官という特別扱いの旗本。それは、秀吉の北条
    めの先鋒を努めた家康が伊豆に来たとき、江川家当主が給仕として差し出したお万
    という若後家(後に江川家の養女とする)を いたく気に入り、側室として、水戸
    および紀州徳川家の藩祖となる男児を二人生んだことが起因。
 P109 :水戸徳川家は基本的に江戸住まいで、参勤交代なし。
 P116 :武は戈を止める→戈を止めるは楯→武の本質は楯となる、頑丈な楯があれば、戈は
    打ちかかる無駄を知り、戦いにさえならない・・・まさに安保法強化もこれとまっ
    たく同じ構図では。反対している人たちに ぜひこの本を読んでほしいものです。
 P177 :長崎港の警備は福岡藩と佐賀藩が隔年交替で務めていて、その期間 千人規模の
    藩士が動員される・・・道理で鞆の浦・對潮楼さんにあるフルベッキさんと写った
    写真がある訳だ。
 P196 :武力を持っていることで初めて対等な立場を得て、話し合いで戦いを止めることが
    できるのです。やはりこれも軍備反対という人たちに 読んでほしいものです。
 P213 :富士の白雪ゃノーエ…というノーエ節のノーエは、江川太郎左衛門が外国からの攻撃
    に備え組織した農兵のこと。
 P232 :弥九郎の長男で後継者の新九郎が長州に招かれたとき、ぜひとも練兵館で神道無念流
    を修行したいとのことで 連れて還ってきた、20歳の 医者の息子が 桂小五郎。
 P321 :斎藤弥九郎そのものが 抜かずの剣 であった。
 P322 :最後の仕事は、弟子の桂小五郎から頼まれ 72歳で就いた大阪造幣局の権判事
    (ごんのはんじ)で、建設中 火災に見舞われ、大火傷に遭いながらも重要書類を
    守り抜いた弥九郎の働きもあり、無事一部竣工をみたが、それから2年後、体調
    優れず 免官を願い出、東京にどうにか たどり着くも、とき置かずして
    1871年10月24日 74歳 で大往生。

下は、その後 産経新聞に出た 本書籍の紹介記事と、登場人物の一人である 高島秋帆さんの
記事です。ご参考までに。 
    
  


 < 追 伸 > H30.7.16 記
 H30.7.14 BS-161 『諸説あり』『白虎隊の悲劇の真相 自刃したのは6人』に 植松三十里 さんが出演されてました。オイラは拝顔したの 初めてです。



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