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百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

ラファエル・アギーレさんのアルハンブラは史上最高です & 中世音楽研究の魁・音楽史家『皆川達夫』さんに敬意を表します

2020-07-03 17:47:53 | 日記
 26歳まで 何百回と弾いただろう、この歳まで 100回は聴いただろう『アルハンブラ宮殿の思い出』。でもこれだけの演奏を耳にしたことはありません。オイラは 史上№1のギタリストさんであろうと 直感、否 直聴(?) しました。

その方は『ラファエル・アギーレ』さん。R2.2.4 浜離宮朝日ホールでの リサイタル演目が、R2.5.8 NHK-BSP『クラシック倶楽部』で放送されました。webで調べましたら、「2007年のタレガ国際ギターコンクールをはじめ、世界の名だたる 13のコンクールで優勝を収めた、華麗な演奏で賞賛を浴び続ける スペインのギタリスト」とありました。成程、この方の演奏から湧起される ”ワクワク感 !!! ” 、ハンパないです。

ご覧のように手にされてるギターのボディー前面に、大きな 修理痕か改造痕か分かりませんが・・・があります。演奏技術の裏付けはあるでしょうが、音がバーンと前に、相当良く弾け出るギターであることは確かです。
   

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 中世ヨーロッパ音楽研究の我が国の魁であり第1人者、かつ著名な音楽史家さんでられる『皆川達夫』さんが、あと6日で93歳という R2.4.19 にご逝去されてまして、これを悼み、5月9日 NHK-Eテレ『こころの時代』於いて、78歳時 収録、初回放送 H17(2005).4.25、『宇宙のムジカ(音楽)が聴こえる』の再放送がありました。
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初めて録画を見たとき、「おやっ、このお名前と語り口、昔から何回も聞いとるぞー」と思いました。それもそのはず、毎日曜朝 NHKラジオ、シュ-ベルトさんのピアノ曲『楽興の時』で始まる『音楽の泉』で、実に分かりやすく、端的に楽曲紹介をされてた方・・・・・ウィキペディアで判りました。 

氏のお話は、オイラの識らなかった音楽の根幹に触れるもので、音楽好きのオイラには堪らないお話に溢れてました。以下は、ブログに録っておきたいと思った事柄(但し オイラの意訳的解釈)であります。

● (合唱)音楽表現には 二つの様式がある

ポリフォニー:多声音楽、全てのパートが平等であり、各々が主体である音楽

ホモフォニー:通常の演奏様式、他パートはハーモニーを奏でる
● ポリフォニーは中世ヨーロッパ独特の音楽。譜面は五線譜でなく 四線譜で、小節を有しない
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氏は中学生時、12世紀ごろから歌われてる『グレゴリオ聖歌』に衝撃を受け、ヨーロッパ音楽の源流を探りたいという欲求に目覚めたと 
● 中世・ルネッサンス時代 音楽は、己ではなく、神様のため or みんなのため と捉えている
● キリスト教は偶像禁止なため、信仰の縁(よすが)を、”見ること”でなく ”聞くこと”に求めた
● 聞くことで神を感じたいという想いの下では、音楽が最重要ファクターとなるは必然だった
● 中世ヨーロッパの人たち(音楽家)は、音楽を 三つに分けて捉えている

ムジカ・ムンダーナ:耳にはできないが、大宇宙が奏でてるだろう音楽

ムジカ・フマーナ:同じく聞こえない、人間の内なる 肉体的・精神的 営みが奏でてる音楽

ムジカ・インストゥルメンタリス:通常、私たちが称してる 音楽全般のこと
● (本項以降は当番組のクライマックスと思ってますが)ポリフォニーの合唱をやってて解ったことであるが、「ドー」と声を出すと、このドの中に、倍音 すなわちオクターブ上のドが含まれてて、さらにソの音 ミの音 シの音も含まれてて(オイラにはドの中に、どうしてソ ミ シが含まれるのか 理解できないです)、豊かな発声であると、それらが他の人の倍音と自然に調和し助け合って、たいへん豊かで心地よい響きが醸し出されると
● そしてこれは、どんなに録音再生技術が進んでも、絶対に復元できないものだ
● さらにこれは、天使のお声 天上のお声に違いないと思えるものであり、聞こえないとされる ムジカ・ムンダーナ あるいは ムジカ・フマーナとはこういうことではないのか と感じられるものであると
● 音楽とは ”神から授かったもの” という概念があるので、上記響きとの対面は、神との対面に他ならないのではないだろうかと
● キリスト教世界では絵画や彫刻でなく、音楽が第一義に、宗教芸術の最高位にランクされる
● これは、現在でも連綿と受け継がれている

オイラは思いました。キリスト教世界の人々が抱く、芸術分野における音楽の位置付けというものは、我々日本人の想像を遥かに超えた存在なのだということ。となれば、芸術的才能に秀でた人たちは まず、音楽家を目指したのではないかということ。

その歴史の長い積み重ねが、クラシック音楽の重厚な世界を形作り、今日の隆盛を来してるということ。で、この自負心・プライドは 相当なものでしょうから、われわれ異教徒、それも東の果てのヤカラに対しては、自づと ”上から目線” になってしまうのではないかと・・・

終わるにあたり、皆川達夫先生の若かりし日の、オイラニマケナイ めっちゃイケメン写真と
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先生の師である 中世音楽の世界的権威のお二人の写真を掲げまして、敬意を表したく存じます。
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なお オイラも、その世界を体験できたらと、ポリフォニーの代表的楽曲『グレゴリオ聖歌』の中古CDを、Amazonさんで注文しました。注文して気付きました。皆川先生が「技術的に復元は不可能」と仰ってられたこと。まっ、賛美歌 一枚ぐらいあっても いいかっ。






     

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