百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

宮沢賢治さんのお話「紫根染について」 ~ NHK-BSプレミアム「新日本風土記~岩手山」を絡めて

2018-03-12 15:54:41 | 日記
 前回に引き続き宮沢賢治さんに関する話題です。オイラは数ある賢治さん作品の中でも、とりわけ「紫根染について」という お話が好きであります。オイラはこのお話、花巻の宮沢賢治記念館さんで購入した 長岡輝子さん朗読の この ↓ CDを、運転中聞きまして初めて知ったのですが、とにかく やたら面白く、げらげらげらげら笑いながら走ったの、思い出します。
    
特に面白かったのが、途絶えてしまった紫根染の情報を得るため、それを識っているらしい西根山の山男を町に招待すべく動くのですが、その案内状の宛名を「岩手郡西根山、山男殿」と記入し投函、「ふん、これさえしてしまえば、あとはむこうへ届こうが届くまいが、郵便屋の責任だ」と先生がつぶやく というところでして、今でも おかしくておかしくて たまらないのです。

そしてこのCDには、朗読されてる童話を掲載の小冊子も付属されてますから、むろん「紫根染について」も記されていますが、実情を申しますと、こういった活字には目もくれず、オールウエィズ 聞くだけ。で「何や、入っとたんかぁ」と、このブログを書く直前 気付いたという始末。


当時はそんな具合で、本も欲しくなりまして、この「未知谷」さん発行 たなかよしかずさんの木版画入り「紫根染について」も購入したのであります。何せオイラは、このお話が取り立てて好きですし、「西根山の山男」さんと「紫根染研究会長」さんが大好きでありますからして、当然の成り行きではあるのですが。ただ よく見てみますと、この本の「紫根染について」には、宛名の記述が どこにもないのです。賢治さんの童話は、推敲の度合いにより いくつかのバージョンがあるのは知ってましたが、肝心の文言の無いのだったとは、至極 残念です。
    


 そんなことで、本日(H30.3.12)午前中のことですが、3月2日 NHK-BSプレミアム放送「新日本風土記~岩手山」の録画を見てましたら、3分の2ぐらい過ぎたところで、何と何と紫根染に関する場面が 流れだしたではありませんか。「オーオーー」オイラは唸りました。賢治さんのお話以上のことは知りませんから、その補足情報に偶然 接しられたことが無性に嬉しくなってきまして、「こりゃ~今日、けえにちいて、ブロゲぇ書き留めとかんといけんな~」とあいなった次第です。では、その数場面 どうぞご覧下さい。なお番組では、賢治さんの このお話には、何ら触れることは無かったです。

            説明は不要かと思いますが、オイラも大好きな山、岩手山です

                        紫根染された 織物

                 紫根染の原料となる ムラサキの木

                 ムラサキの根を乾燥し砕き煮立てます



            紫根染めの第一人者 藤田繁樹さん

            やはり 西根山 とおっしゃってます

「紫根染について」という賢治さんの作品、本当に面白いです。げらげら笑えます。そして これを読みますと、賢治さんが決して堅物やオタクなんかではなく、世俗にも馴染み・通じた、めっちゃ明るい ユーモアのある方だということが、よ~くお解りいただけます。ぜひとも お読み下さいませんでしょうか。


 < 追 伸 > H30.3.17 記
 購入していた 木版画付き「紫根染について」ですが、気に入ってる文言が入って無いということは、オイラにとりましては かなりショックなことでありまして、急遽、青空文庫さん発行 デカ文字版「紫根染について」を購入したのでありますが、今度は、あったです あったです。

度々言って恐縮ですが、その箇所はオイラが特に気に入っているところでして、時々覗き笑いたいという願望と、皆様方に その違ってる状況をお見せできたらという思いで、以下 その写真を掲示いたします。
  
                        木版画にあって ↑ 文章に無いとは

青空文庫さん版 ↑ ↓ です  この研究会長さんの描写も ↓ めっちゃ可笑しいです
               
 

コメント
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