5月27日、川原公民館にて、地権者と県側の交渉が急きょ持たれることになりました。
テーマは「草刈」
実は5月19日の県庁での話し合いの最後に地権者から草刈要望が出されていました。
県が買収済みの用地の草刈は、これまで年に3回おこなわれていたのに、今年はなされていない。
草刈りをしないと、田植えができない。早くしてほしいというものでした。
それに対して、2日後の21日付で県はこのように回答してきました。
つまり要点はこうです。
1.草刈は協定に基づくものではなく、これまで任意に対応してきた
2.地権者による3月6日の県職員への阻止や、今後の工事への阻止予告等を考えると
草刈り作業にも支障が出そう
3.予算の問題
4.石木ダム以外の他の管理地とのバランス(他所では年に1~2回か2年に1回)
などの理由から、「これまで通り実施していくことは難しい」と答え、
逆に、県側からのクレームさえ述べています。
これには、地権者も呆れ、即交渉することになりました。
なぜなら、もうまもなく田植えの時期です。
今週末のホタル祭りが終われば、すぐに始まるのです。余裕はありません。
県側からは石木ダム事務所の所長、建設課長、用地課長など5人がやってきました。
所長の説明によると、
・買収地内の管理義務は確かにあるが、草刈りをしなければならないという法的な規定はない。
・が、全くしないと言っているのではない。
・確かに平成13年度から年に3回という暗黙の了解でやってきたのに、何故今年は違うのか、
・それは、回答書にもあるように、阻止行動、予算、他とのバランスなどが要因。
これに関して地権者は大いに反論しました。
阻止行動について
・3月6日のことは阻止行動ではない。県の職員に説明を求めただけ。
・私たちが説明を求めて何回県庁に行って対応してくれないので、やってきた県職員に求めた。
・3月6日以前に、今年度予算に草刈の予算は計上していないではないか。
以前から決めていたことであり、あの日の出来事を理由にするのはおかしい。
予算について
・年間約500万円の予算が必要というが、それこそ石木ダム地域対策費を使うべき。
草刈は米作りをする農家にとって、必要最低限のこと。
・買収済み世帯には新たに1世帯200~300万円も渡していて、こちらに使うお金はないのか?
・佐世保市は草刈するなら応分の負担の用意はあると言っている。
他とのバランスについて
・税金を使ってやるので他とのバランスを考えねばと言うが、ここは他と違う。
それがわかっているから今まで3回やってきたではないか。
今年に限ってやらないというのはイヤガラセとしか思えない。
・そうじゃないなら、今まで通り年3回やってほしい。
所長の方から年に3回やる理由を問われ、地権者は、
・春=田んぼに草の種が飛散しないよう、必ず田植え前におこなう
・夏=虫の被害を防ぐため
・秋=イノシシ対策
と説明。(私も知らなかったので勉強になりました)
また、地元の人はもっと頻繁にやっている。
しかし、そこまで無理は言えないので、最低3回やってほしということ。
それができないと言うなら、
ヤギを飼う(ヤギが草を食べ、イノシシも出ないらしい、他所での実践例あり)とか、
昔のようにコスモス畑にするとか、除草マットを敷くとか対策を考えたらどうか。
今回草刈ができずに田植えもできないことになったら、どう責任をとるのか?
との追及に、
「今回は早急に取り組むが、年に3回という約束はここではできない」と所長。
地権者から、
「よっぽど河川課長から釘をさされとるんやろうね。
しかし、あんたは県職の中で地元の事情を一番知っているでしょう?
あんたの一言でどうにかならんとね?」と言われ、
所長は「ならんけん、ここに来とるとです」と。
そして、
・3回については検討課題にさせてもらう
・今回の草刈に関してはすぐに取り組むが、手続き2~3日はかかる
・場所の優先順位をつけて、なるべく田植えに支障のないよう努力する
ということを約束して、解散となりました。
それにしても、長崎県は、河川管理者としてだけでなく、
買収した土地の管理者としても失格と言わざるを得ませんね~
周辺住民にこれだけ迷惑をかけているのですから。
住宅街に住むゴミ屋敷の住人と似たようなものですよね・・・