![]() | 僕とおじいちゃんと魔法の塔 (6) (角川文庫) |
香月 日輪 | |
KADOKAWA/角川書店 |
香月日輪(こうづきひのわ)さん作の『おじいちゃんと魔法の塔』。
角川文庫から刊行中。
幽霊のおじいちゃんと魔法の塔で暮らす主人公・陣内龍神(じんないたつみ)
(6巻では高校2年生)の物語。
現在の社会情勢もサラリと解説している奥深く味わいのある話です。
わが娘が人間関係や将来について悩んだときに是非読ませたいシリーズです。
6巻のなかに登場するキーワードは『中二病』。
中学二年頃の時期特有の痛い言動を揶揄したもの。「自分は選ばれた特別な存在」という自己愛が
暴走し、周囲より優越した自分になろうとする病。
現実的に不可能な世界に憧れたり、逸脱的な趣味・嗜好を顕示したりする。
要するに、思春期における特有の現象であるのですが、これが年を重ねても
治まることなく、エスカレートしていってしまうとタチが悪いのです。
(一例をあげると・・・ネットの掲示板に批判的な意見を書き続けることで
注目を浴びて、悦に入る人などのこと)
何でもかんでも病にしてしまえばよいのか、という疑問も湧きますが、
現代社会はゆがんでいると痛感する次第。
わが娘曰も理不尽な社会や、人間関係に悩み始める年頃となりました。
最近、「嫌いな人とどうつきあえばいいの?」
と聞かれ、返答に窮した自分。
「・・・なるたけ、かかわらないようにすること。」
としか答えられなかったのが悲しい。
『その人を理解しようという努力と、美点を見つける努力をして、それでも
ダメなのであれば、かかわらないのが一番』。
香月日輪さんであれば、このように言うのかな。