(長浜城。山内一豊・千代夫妻が城主になった時もあるお城)
『功名が辻』。司馬遼太郎さん著。
戦国時代、信長・秀吉・家康に仕え、土佐藩一国の大名までのぼりつめた山内一豊の物語。
とはいえ妻・千代のほうが実は影の主人公なのではという感じです。
明るい性格と機転で夫を支え、山内家の危機をものともせず、
家来二・三人の下積み時代から一豊を土佐二十四万石の藩主へと導いたのは、千代さんあってのこと。
司馬遼太郎さんの描く山内一豊は、真面目すぎて、大名のうつわではない男。しかしその真面目さが
面白くもあるのです。本人も努力をしますが、それ以上に家臣たちが、主君のために頑張った
ことで出世していきます。
千代さんを始め、周りに盛りたてられていくという人物です。山内一豊は人徳のある人物だったのです。
読んでいて感じるのは、司馬遼太郎さんは山内一豊・千代夫妻が大好きなのだ
ということです。ほほえましく見守っているという文章。
司馬さんの小説で読んだことがあるのは、『竜馬が行く』と『梟の城』。
それに比べて『功名が辻』は読みやすいです。
きっかけは『軍師 官兵衛展』を見る目的で長浜市にに行き、そこで山内一豊を知りました。
やはり歴史は、興味をもたないと頭に入ってこないのだな、と痛感。
しかし、トップに立つ人間というのはというのはカリスマ的なものを持つ人物と、
危なったしくて周りが手出しせざるを得ず、それにより盛り立てられていくという
2つのタイプがあるのだなと思いました。
(山内一豊夫妻の像)
ちなみに旦那さんを操縦したい奥様にも『功名が辻』はおススメです。
いろいろノウハウが詰まっています。
今からでも遅くないなら、うちの旦那さんにも実行してみようかな・・・。
功名が辻 新装版 文庫 全4巻 完結セット[マーケットプレイス文庫セット] (文春文庫) | |
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※『功名が辻』はNHK大河ドラマで2006年1月より2006年12月まで放送されました。
山内一豊を上川隆也(かみかわたかや)さん、千代を仲間由紀恵(なかまゆきえ)さんが演じています。